野口建築事務所
Noguchi Architect & Associates


         アポロ17号から見た地球


 昨年10月、このコラムで映画『不都合な真実』の上映会をしようと呼びかけた。
 多くの方より賛同の声が寄せられ、今月25日に県郷土文化会館の大ホールで、市民による自主上映会が開かれることになった。
 NPO法人や生活協同組合など、28団体による自主上映組織「地球温暖化を考える―市民アクション2008―徳島」が結成されることになったのだ。
 映画の上映だけでなく、それをきっかけとして、自分たちの生活を見直し、さらに行政や企業のあり方にまで市民から提案をし、実践を促していくところまで広げていこうと、その志は大きい。
 様々な団体が結集した。環境をテーマに活動しているところはもちろん、森の保全活動や国際協力、消費者運動のNPOなども名を連ねている。又、子どものための活動をしているグループや平和団体、有機農業グループまでもが参加している。
 
 地球温暖化防止に向けて、各団体は知恵をしぼり、様々な取組みを始めている。
 私の参加しているNPO法人、里山の風景をつくる会でも、“CO2ストック認証”を提案している。吉野川源流の森の保全のため、その森の木を使った家や家具づくりをすすめているが、“里山の家”と呼ばれるその家は、平均して40m3の材木を使用している。一戸あたり、二酸化炭素に換算して30tのCO2を吸着、固定したことになる。竣工時に、建主に杉の木でできた認証プレートをプレゼントすることを考えている。住む人に優しく、地球環境に優しいすまいであることを認め、かしこい住まい手であることを認証するシステムである。
 アル・ゴア氏は、「“危機”という字は、東洋では危険と機会という二つの意味をもつ言葉でできている。けっして絶望してはならない。地球温暖化は、人類が共通の目標に向かって共に立ち上がる“チャンス”でもある」と呼びかけている。
 市民の様々な取組みが実を結び、時代を動かす力になることを願っている。
 『不都合な真実』の上映会は次のとおり。多くの人たちの参加をお待ちしている。
 
1月25日(金)、県郷土文化会館大ホール。
午後6時開場、7時より上映。先着800名、入場無料、託児サービスあり。
手弁当の上映会なのでカンパ大歓迎、賛同団体も募集している。
申し込みは、市民アクション2008―徳島事務局  088-655-1616 まで。

 建築家 野口政司
 2008年1月19日(土曜日) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より
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