イタリア
BROCCATO 1996 2780円 カーブドリラックスコルクの裏側は濃い紫色、しかもネットリだ。期待せずにはいられない。
抜栓すると例の鼻を突く荒っぽい渋み。これはワイルドチェリーの香り
なんだそうだが、私はそもののの香りを知らない。それに加えてバニラ香が
予想していたより強く出ている。
色はともかく赤く、深い。青さはないが、かといって熟成している雰囲気は
微塵もない。色だけでまだ 5年 10年軽く熟成できると知れる。
味はストレートで、香りで感じるものがそのままズバリ出ている。
強い渋み、果実の酸とバニラの甘さ、ミネラルは感じない。粘りは
中程度。余韻として渋みとバニラの甘さが残る。温度が低いと
渋みが突出し過ぎるので、温度は高めにしたほうが良い。そうすると
バニラの甘味が染み出してくるようで、やさしい味わいになる。
これが不思議で、渋みが強く感じる内は飲み飽きしそうなのだが、
温度が上がるとまったり感が出て杯が進むという仕組みになっている模様。
アルコール度は 12% とやや低めなのだが、十分満足してしまう。
正確なランクは記されていないが、TABLE WINE OF TASCANY と
表示されている事から VdT の様だ。このワインは俗に言うスーパー
トスカーナというヤツで、従来の生産地呼称法の規定 (ブレンドや畑など)
に囚われずに造られたワインである。