それはもうすぐ夏も本番、2004年 7月18日のこと。
仲間の家で酒を飲み、一夜を明かしてバイクでの帰宅の途中、不思議な光景に出会った。
見たところ、新しくできたコインランドリーの様だ。
…
しかし、何かが違う。
何かが私を強く引き寄せる。よくは分らないが、私の五感をチクチクと刺すような、何かがある。
私はスロットルを閉め、バイクを道の脇に寄せた。ハンドルを携帯に持ち替え、その建物を凝視しながら近寄った。
そしてそこには、我々の予想をはるかに超える光景が広がっていた!
そこには、自動販売機に飲料を補給している男性と、その男性の姿を凝視する老人の姿があった!
補給しているのはさしずめアクエリアスであろうか。ここアフリカの砂漠では、水分の確保こそが生命線となる。それを怠った者は、アフリカの自然から厳しい洗礼を受ける事になる。故に補給をしている男性は寡黙に、そして熟練工の如く正確に、そして素早く販売機にアクエリアスを詰めてゆく。そしてそれを見守る老人は、この男性の師範であろうか、男性の一挙手一投足をじっと見つめている。その目は厳しくもあり、そして愛情にも満ちている。
そこには、自然と闘う男と、それを見守る師匠の厳しくも優しい目があった!!
その二人の頭上を見てみると、壁に何やら文字らしき物が書かれている。原住民の言葉と照らし合わせてみると、どうもこの土地の言葉では無いようである。もしや原住民が住み着く前のものであろうか。となるとこれは、古代の住民が残した壁画…というよりむしろ、古文書なのだろうか!? しかもこれを良く見てみると、日本語に酷似していることが分る。また、ヒトの起源はここアフリカであり、それが長い年月をかけて世界にその足を伸ばしていったという事は既知の事実である。そしてこの文字、ひょっとすると、我々日本人は、この地の古代住民の文化を色濃く受け継いでいるとでも言うのだろうか!?そして良く見てみると、この老人は日本人と背格好、顔つきなどが酷似している。これはもう疑う余地は無い。
我々探検隊は、ここアフリカの地で、日本人のルーツを見た!!
さらなる調査のため、我々探検隊はこの建物の側面へ回ってみた。
そこで我々は、驚くべき光景を目撃した!!
驚くべきことに、そこには現代の日本の有名人達の顔に酷似した壁画が描かれていた。芸能人はおろか、皇室の人物に似た絵も描かれている。また日本人ばかりではなく、外国の著名映画女優、テレビ業界から干されつつある外国人格闘家に似た絵も含まれている。一体どうやってこれらの人々の顔を、古代住民達は知りえたのであろうか? ひょっとすると彼らは、未来を見通す能力を備えていたのであろうか? そして壁画の下にはなにやら古文書らしきものもある。そしてよく見ると、その中に高校野球という文字が書かれているのが判別できる。これらから、古代住民は高度な教育を受け、スポーツを楽しんでいた事が伺える。
この地にいた古代住民は、現代に住む我々を超えた、高度な文明を持っていた!!
人類の母なる大地、アフリカ。
そこには、人知の遠く及ばない世界がある。
だからこそ、夢を求める冒険者はアフリカを目指す。
例えそれが、見果てぬ夢であったとしても。
私の探検は、アフリカに始まり、アフリカに終わる。