あれは、バイクを修理に出して取りに行く時に、立石の商店街を歩いていた時の事だった。そこかしこに味わいのある外観の店、微妙なセンスを感じさせる看板がある中、俺は夢中になってシャッターを切っていた。
だがそれらはしょせん、お年玉年賀はがきで切手シートが当った程度のものでしかなかった。そう思わされたんだよ。こんなものを、こんな神秘体験をさせられちまったら、誰だってそう思うさ。
未来石鹸。この常人の理解の範疇を超え、
何人をも突き飛ばして突き進んでしまう文字列。
だのにこの字体の朴訥さったらどうだ。
未来石鹸…意味が、いや意図が読めない。第一何が未来なのか? 可能性があるとすれば
まあその、全てに "ひょっとすると" の可能性があるだけに、突っ込みが難しい。うっかり "未来石鹸は上の 1~7 のどれですか?" なんて聞いた日には、きっとこういう答えが返ってくるだろう。
"全てであって、全てでない"
何しろこれは未来なんだから、今の俺たちの理解の範疇にはないんだ。それは仕方の無い事だ。
この世には未来石鹸こんな物も存在するらしい。
未来石鹸EX
未来の上に EX だなんて、一体どんな未来なんだろうと、少年の頃未来の世界を夢見ていた僕は、ただただ夢を膨らませるばかりだ。