about : cast away


 いつも通る道の脇、とある家の軒下をみると、
いつもヤツはそこにいる。

 夏が過ぎ、冬を越え、今は春。
2003年、5月25日。

 生物でもなく、屍でもない、
抜け殻という置き去りにされるだけの物体。

 置き去りにされた後もなお、爪を喰い込ませ
しがみつき続けるその様に、力強さを感じずにはいられない。

 抜け殻、置き去りにされるべきもの、生命の足跡。

蝉の抜け殻ね

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