about : 羅生門

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最近 TUTAYA を利用する機会がめっきり減った。これは間違いなく
dvd レコーダの恩恵だと思う。なぜなら、怪しいタイトルの映画を
片っ端から録画しては、観ては、落胆しているからだ。

こんなヘタレ会員になると、TUTAYA からレンタル半額券というモノが
送られてくる場合がある。これは、訳 1ヶ月程の間旧作レンタルが
全部半額になるというもので、TUTAYA 的には休閑顧客の掘り起こしという
目的がある。

ちなみにこれが送られてきたのはこれで 2度目になる。
多分私は、TUTAYA 的にはそうとうダメな客なのだろう。

そして半額に弱いこの私、当然レンタルでもと近所の TUTAYA へ
足を向ける訳です。

だがしかし、残念な事に観たい映画があるでもなし、借りようと
思っていた CD は何故か全て借りられている始末。

しまったぞ、こうなったら行くところは一つしかない。
私はすぐさま、大人の空間を目指した。

だが大人の空間に入るには、ちょっとした勇気が必要だ。
もしくは開き直りが。だが最近開き直っていなかったこの私、
大人の空間への羅生門が、ちょっとばかり潜り難かった。

しかも入門を躊躇している私の前に、小さい子を連れた家族がやって来た。
まずい、これは強敵だ。私のハートは、公達寄り来たりて己が装束をば皆召しつ
的な状態だ。

それなのに、状況はさらに苛烈を極めた。

鬼嫁: 何、エロいの借りるの? (でかい声)
主人: …
子供: ぼくもいくー
鬼嫁: ダメ、そっちはエロいのだから (でかい声)
(主人、この隙に羅生門潜る) 鬼嫁: あーエロいの借りるんだー? (でかい声)

な、なんという酷い仕打ちだろう。
だのに、状況はより過酷を極めた。
何と壁越しに、鬼嫁が声を張り上げたのだ。

鬼嫁: どうー何かエロいのあったー? (でかい声)
主人: …

こ、これは。これはあんまりだ。銭湯で壁越しに会話するとは訳が違う。
これでは、せっかく艶かしいパッケージを見てボッキしかけた心と一物も、
しゅんと小さくなってしまうに決まっている。
出てきた主人は小さくうなだれ、手元には一枚の dvd も持ってはいなかった。
そしてそのまま、kids コーナーへ拉致されて行ったのだった。

あまりの仕打ちに、涙なくして見ている事ができなかった。

そして私は右腕で涙を拭い、
羅生門を潜りエロいのを物色し始めたのだった。
−以上−

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