about : 世を忍ぶ仮の姿

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人知れず正体を隠す場合、時として人は変装をする。
隠そうとする本人は本気だ。だからその仮の姿を
見破るという事は、そうそうにできる訳ではない。

あからさまな場合を除いては。

今回私は、そんなあからさまな仮の姿を、見破ってしまった。

日曜の、まだ昼を回っていないのどかな時間。
季節は春、G.W. に入ったばかり、時間はゆっくり過ぎている。
私は起きぬけのまま布団に横になりながら、何とはなしに
TV をフリッピングしていた。
そしてチャネルが 8ch になると、笑っていいともの映像が
画面に広がった。そこには、一人の男性が映っていた。

その男性は、穏やかな口調で語りながら、頭を垂れて酢を使った
料理に興じている。
その頭部が、皮膚と頭髪が、微分不可能だった。※

こんな日曜の、大型連休ののどかな午前の空気が、どす黒いもので
蹂躙されていく様だった。

悔しかった。
許せなかった。

だから私は戦った。武器を手にとって戦う事はできないけれど、
私にだってできる事はある。PC を立ち上げ、そして調べた。
すると、恐ろしい事実が判明したのだ。

手が、がくがくと震えた。
中にエイリアンがいるのかと思う程、心臓が胸の中で暴れだした。
全身の血液が脳に集中し、頭が締め付けられるように痛んだ。
だのに私の心は高揚しきっていて、目の前の真実に釘付けだ。


ヒトが真実に到達した時、常に選択をせまられるものだ。
現実から目をそらし立ち去るか、現実と対峙するか。

私は決めた。これが私の答えだ。

仮の姿
真の姿


※連続でない、という事を詩的に表現したつもりです。

−以上−

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