バイクに久しぶりに乗る、こんな時いつも心配になるのが バッテリーだ。だいたいひと月も乗っていないとまず上がる。 そして当然、"久しぶりに"という修飾子がつくとなれば ひと月以上は経っている訳だ。 当然今日も、バッテリーは上がっている。 そしてマズい事に、ガスも底を尽きかけている。さらに悪い事に、 今乗っている CBR125R は、オーバークーリングのせいで、寒いと 走っていながらもエンストしてしまう危険性を孕んだマシンだ。 つまり気合を入れて押し掛けしたところで、十分充電する前に エンジンが止まってしまうかもしれないという危機的状況な訳だ。 ちなみに以前これと全く同じ状況に陥った時は、まずガスを 優先して補給した。何故ならガスストップにはスターター位 置いてあるだろうし、ガスを入れた客ならタダで使わせて くれるだろうという予想があったからだ。 俺: 何かバッテリー上がったみたいなんでスターター貸して? 店: ああ、ここから100m行ったところにバイク屋があるから とまあ、私の予想は裏切られた訳だ。 ああ阿呆の出光め、壊れたら困るからとかいって貸しやしなかった。 バイクも車も 12V で同じ電圧だというのに。無知というもの程 恐ろしいものはないと、あの時知った。そして押したのだった。 故に今度は、充電を最優先とする事にした。残るガスを全投入し 充電しきった後にガスを補充するのだ。 …どうせ押すなら少しでも軽くした方がいい、そういう計算も込みだ。 そして俺はまず押した。押しに押した。バイクを坂へ押し上げた。 そして押し下った。一度失敗した。再度押し上げた。押し下った。 何故か衆人の見守る中、ようやく押しがけに成功した。 そして俺はエンジンを常に 4000rpm 以上に保つ事で燃焼室の温度を上げ 同時に急速充電するという、傍から見ると珍走団の様な轟音を立てる 阿呆ドライバーの様な真似をして走り続けた。 そしてようやく温度計が1/5目盛ほどに達した。よしこれなら大丈夫と、 目一杯に引いたチョークを戻した。 ブルンブルン、ストトト…トン うわ──止まった───っ! まさかの展開についていけない感を感じつつ、試しにスターターを 押した。するとキュルキュルと音を立て、スターターは回る。 バッテリー十分、温度十分、だがエンジンはストトト…トン その後 10km 程走っただろうか、果たして何回エンストを起こしたか、 数えるのも面倒な位だ。まあ何だ、究極のエコロジスト、エコロGとしては アイドリングストップをしているという事にしておけばいいさ。 そしてそろそろガスも底を尽いた。そこで俺はガスストップへと バイクを向けた。そして満タンにガスを積んだおれはまさに ヒューマンガス。悪者でも地球に優しそうな辺りが俺っぽい。 するとどうだ、さっきまでストンストン止まっていたエンジンが、 チョーク引かなくても快調に回り続けているではないか。 原因として考えられるのは次の 2つだろう。
同時多発しない様注意しようと、固く誓う次第だ。 |
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