about : 絶望の淵で

Next:不可避な時事ネタの消化-1

年を取ってからというもの、ずっと心のどこかに引っ掛かっていた
あのイベントが、あと3日後に迫っている。

人間ドック

健康に注意するのはいい事だと思う。それは認めよう。
がしかし、健康と引き換えに、あるものを失うという。

操を

そう、直腸検診だ。

だがしかし今年に入ってから、俺はこんな話を聞かされてきた。
あれはオプションだから、別にやらなくてもいいんだと。

なんだ、じゃあ人間ドック==処女喪失というのは都市伝説だったのか、
そう思って安心していた。

そんな訳で、受診期限の 11/30 に受診予約をした。
すると、受診案内が送られてきた。そして俺は何となく
オプションの項目を見渡した。
だが、おかしい。
オプション一覧に例の項目が入っていない。

ざわざわ

俺の心の中に、黒い影が忍び寄る。
はは、まさか、そう思って受診コースを精査した。
上から下へ指差し確認しているその指の先に。
指の先に。

これ以上は、俺には書けない。


まるで脳天に釘を打ち込まれたかの様に、打ちのめされた。

先が土砂崩れで埋まった線路の上を、フルスロットルで走り抜けようとする電車の様な
王家の墓に生きたまま埋められようとしている人柱の様な
タイガー戦車に拳銃一丁で戦いを挑む様な
完全なまでの絶望。

逃げ道はない。

俺は思った。
政略結婚に出される娘の気持ちは、きっとこんなだろうなと。

願わくば、先生の指が、
せめてちょっとでも細からん事を。
−以上−

雑言に戻る
homeに戻る