about : 可と不可の境界を決めるもの

Next:Let me synthesize

最近、右と左の違いについて悩んでいるんですよ。
といっても難しい話とかトチ狂っているとかではなくて。
ヒトの体の左右のアンバランスさの事です。

とっかかりとしては右脳と左脳の機能の違いってのもありますが、
メインはフィジカルな長さ太さ柔軟さ筋力等々の事です。

例えば私、右と左の足の長さが全然違うんですよ。
だからどうしても右足に体重をかけがちで。最近それがヘンな
違和感を感じるほどになってきてましてね。

それ以外にも、右手と左手の柔軟性も違っていて。
ほら私ってば本職はドラマーじゃないですか。
スティックを握る時、手の甲を上にして握るんですよね
(ジャーマングリップという※)。
右手はそれができるんですが、左手は甲が上を向かなくて。
ストロークの時、右は手首を利かせても真っ直ぐに上下に振れても
左はそれが斜めになってしまう。

筋力も違う。
今年に入ってからルーディメントの練習ばかりしてるんですが、
どうしても左手が音をあげてしまいます。
下腕と握力、特に持久力が右と左で全然違うんですよね。
右手は 10分 20分超高速で叩いてもへっちゃらなんですが、
左手は 2分でヨレヨレ。

で、試しに左右を入れ替えて叩いてみたわけですよ。
すると、リズムすら取れなくてヘロヘロ。もう最悪。
あまりの情けなさに、練習しまくりましたよ。休みの日は勿論、
通勤電車の中までも。お陰で最近はようやく簡単なパターンなら
左右入れ替えても叩けるようになったんですが、使い方→鍛え方が
体ばかりか脳にも違いを生んでいたんだなぁ、ってしみじみ感じてしまいました。

"できる" 事だけをやっていていると、いつの間にかその人の
"できたかもしれない" 可能性の範囲を狭めてしまう事になるんだなぁ。
同時に、できる事がいかにその人の可能性を実現しているか、
という見方もあるのだけど。

たまには出来ない事を、出来なくてもいいが出来る様になりたい
って程度ででも、やっておく事は大事だなと思った。
それが、訓練とか練習とか鍛錬とかなんだな。

いずれ自分の不能性に唖然としないためにも。


※手首は手の甲の面が上下に動きますから、スナップを利かせる場合、
手の甲とヘッド (太鼓の皮) の面角度により、正味の打撃力が変化します。
ヘッド面と手の甲の角度が並行から θ ずれていた場合、その時のスナップ方向
への力を F とすると、ヘッド面の垂直方向の力の成分は F*sin(90-θ)、
ヘッド面方向の力は F*cos(90-θ) となります。ヘッド面方向の成分は
打撃と無関係な、無駄な力となります。即ち、このヘッド面と手の甲の角度が
並行からのずれ θ を 0 にするのが、スナップを利かせる場合の最も効率の良い
叩き方であり、それはジャーマングリップなのです。
即ち、ジャーマングリップこそ最も物理的に美しい叩き方と言えましょう。
−以上−

雑言に戻る
homeに戻る