"そこにおしるこがあるよ。" 母親はそう言い、鍋のある方を指差した。 私はその指の先の鍋の蓋を開け、中を確認してみた。 するとそこには、美味そうな鯖の味噌煮が入っていた。 |
何故、サバミソ… |
確かに、粘性の高い液体の中にやや四角い物体が 入っている。形状は微妙に似ていると言えなくもない。 |
しかし何故、サバミソ… |
その時の私の心の落胆振り、お察し頂けるだろうか? しるこがあると思って開けた鍋にサバミソが入っていたから、 というだけではない。こんな高度なギャグを生みの親に 披露されたらどれだけ打ちのめされるか、という意味で。 |
しかも天然だし。 |
動物は、その生みの親を超えてこそ一人前と言える。 私が一人前になれる日は、果たして来るのだろうか。 |
−以上− |