<小さな工務店だからできること>

―全責任を負います―

◎お客様の家は自分の家◎

 目下、日本中を疑念と不安の渦に陥れている耐震強度偽装問題。新聞やニュースで報道されているのは氷山の一角に過ぎず、本当の闇は、まさにブラックホールのようです。(詳しくお知りになりたい方は、「きっこのブログ」へどうぞ。ヘアメークは仮の姿か?!と思わせる「きっこさん」が、あなたを黒幕の内側へ案内してくれます。ちなみに、この問題専門のブログではないので、他の話題もあります。)

 この問題は、人を騙すのと金儲けが上手い人たちと議員及び官僚の癒着という、もはやお決まりの構図になっているようです。そして、おそらく国民に明らかにされるのはその一部に過ぎないであろうことに、絶望的な予感を感じます。一方で、今問題になっているマンションやホテルはごく一部であり、一戸建てを含む全ての建築物に同様の可能性があることは、もはや誰もが感じていることでしょう。

 なぜ、こんな恐ろしいことが行われ得たのでしょうか? 

 一番はお金のためでしょう。
 しかし、もっと単純なところで、「自分の家じゃないから(どうなろうと関係ない)」という、無責任さがあるように思います。渦中の人々も、まだ表に出てきてない人々も皆、自分の家じゃないから、あのように恐ろしいことが平気で行えたのです。また現場で働く職人さんたちも、「オカシイ」と思っても、「自分の家じゃないから」黙っていよう(言ったら、即クビでしょう)と思ったわけです。

 これは、メーカーの家を下請けする職人さんたちにも言えることではないでしょうか。驚くほど手間代が安い分、品物や施工に関する責任を直接負わない、お客様がどんな人でも関係ないという状況で、どんな人間が心ある仕事を出来ると言うのでしょうか?大変残念なことに、メーカーの家は下請け職人の手によって作られています(契約大工などと呼び方を替えても、要は下請けです)。「目をつぶってやっつける」しかない状況では、職人は誇りも良心も捨てるしかありません。それに、一度仕上げてしまえば、後はいくらでも逃げることが出来るのですから、良心が傷むのも最初のうちだけと聞きます。 

 しかし、このようなことは、私たちのような工務店では考えられないことです。お客様の顔を見て、自分の家を造るようにお客様の家を造る、そして全てに対して責任を負うのが、私たちのような工務店の喜びであり誇りだからです。私たちにとっては、建築基準法は最低限のハードル以上のものではありません。

 そういえば、「建築基準法」は、設計者・施工者の「性善説」に基づいて作られている、と建築関係のお偉いさんがテレビでおっしゃっていました。確かに、私たちのような工務店においては「性善説」が当たり前で、そうでなくてはやっていけません。しかし、会社が大きくなってくると、なかなかそういうわけにはいかないのが現実です。実際、私たちが垣間見る建築業界は信用できないことだらけだからです。
 例えば、安さを売り物にするメーカーの場合、工期もコストも営業方法も職人の恐ろしく安い手間代も、「それでまともな家が建つのか?」と疑いたくなることが少なくありません。あたかも2000万円の価値がある家を1500万円で手に入れられるかのような謳い文句には、皆さんの冷静な判断を期待するしかないでしょう。中には1500万円の価値しかない家を2000万円で売っている会社もありますが、それはメーカーのネームバリューと宣伝広告費のためですから、合法と言えば合法です。

 いずれにしても、施工者にとって、その建築物が自分の家と同一視出来なくなった時点で、建築業界の性善説は金儲け至上主義の性悪説に取って代わります。その上、最後の砦の検査機関が全く機能していないようでは、消費者の安心は風前の灯火。もはや自分の利益は自分で守るしかないところまできています。お客様と施工者が顔を合わせて一緒に造る家だけが、本当に安全で安心な家なのです。