<アスベスト使用建材について>

連日ニュースで取り上げられている「アスベスト問題」。自分の家は大丈夫?と不安になる前に、是非お読みください。(8月4日、一部訂正いたしました)

 アスベストは、天然に産出する繊維状の鉱物の総称で、石綿ともいいます。耐熱、絶縁などの特性を持ち、これまで様々な形で広く使用されてきました。建築の現場においても幅広く使われ、特に一般住宅においては、カラベスト(屋根材)耐火ボードが有名です。とはいえ、この二つの建材の全てにアスベストが含まれている訳ではありません。後に参考として挙げた記事にもありますように、アスベストの健康被害が医学的に立証され、実際の被害が確認されたため、日本でも順次代替品が開発され、アスベストの使用は減少していっています。しかしながら、日本は他の先進国に比べ対応が遅く、1955年に有害性が立証された後も長期にわたって使用されたため、被害を大幅に拡大する結果になりました。

◆カラベスト(屋根材)について   
 アスベストを含むカラベストの製造期間は、当初1962年頃から82年頃(昭和37〜57年)と言われていました。しかしその後、メーカーが正式に発表した期間は、平成13年(2001年)まで(ただし商品によっては、それ以前に代替品に切替)とそれをはるかに越えるものでした。誤ったデータを掲載いたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
 万一、アスベストを含むカラベストが施工されていたとしても、カラベストは直接触れることが殆どない屋根材であるため、施工後の状態では何の問題もありません注意が必要なのは、破損や解体等でアスベストが飛散する状態になった時に限られますので、ご安心ください。

 今後の問題としては、老朽化によって順次進んめられていくであろう葺き替え工事に飛散するアスベストとその処分方法についてです。解体及び処分には、より一層の配慮と管理が必要とされるため、それらの工事を安全に行える施工者を選定することが、ご自分の家のみならず、近隣の皆様へ被害を及ぼさないために必要不可欠といえます。

◆外壁材(サイディング)
 外壁材にも石綿は使用されていました。大手製造メーカーであるクボタと松下電工の製品に関しては、昭和35〜平成12年が使用期間ですが、昭和62年頃から順次代替品に切り替わっており、屋根材に比べ早い時期に安全な製品への移行が進んだようです。屋根材同様、解体・破損などによる飛散以外は、日常的な洗浄等含めて全く問題ないとされております。

◆耐火ボード
 主にキッチンの壁などに使用。屋根材と異なり、直接触れる機会があり、劣化や摩擦による飛散も考えられるため、アスベストが含まれているものは取り替える方が良いでしょう。まずは信頼できる業者に現状確認を依頼し、工事が必要かどうかを判断してもらいましょう。

◆その他
 アスベストを含む建材はかなり多岐にわたります。1985年頃より以前に建てられた家の場合は、どこかしらに使われていると思ってよいかもしれません。しかし、それらの大半は、外壁や屋根といった直接体が触れない場所に飛散しない状態で施工されているため、心配する必要はありません。一方、建材がバラバラに飛散するような状態である場合には、アスベストの問題のみならず、家そのものの問題として緊急に対処することが必要です。
 ちなみに、一般住宅で断熱材として使われているのはアスベストではなくグラスウール(ガラス繊維)などで、今回の問題とは全く無関係です。
 また、ビルや工場などの大規模建築においては、鉄骨の耐火被覆として、管の保温材として、時には内部仕上げ材にも混ぜられて施工されていたようですが、大部分の一般住宅には当てはまりません。

 アスベストに対する不安に付け込み、不必要な工事を強行する悪徳業者も出てきているようです。アスベストに限らず、家のことで不安なことがある場合には、信頼できる業者に相談するのが一番です。そして、十分納得した上で、施工を依頼しましょう。

<参考>毎日新聞より抜粋
*石綿全面禁止、日本は08年に
 石綿関連の病気が疫学的に立証されたのは55年。英国で石綿と肺がんの関係が明らかにされた。
*石綿の輸入は74年の約35万トンが最高で、90年代からは減少傾向にある。しかし、石綿を使った建造物の解体は2020〜40年にピークを迎えるとみられる。
 厚生労働省は今月1日、石綿障害予防規則を制定し、建造物解体時の事前調査や粉じんの飛散防止策を業者に義務付けた。だが、同省のある幹部は「大規模なビルなら周囲の目もあり、規則も守られるだろうが、民家などの場合にどこまで徹底できるか分からない」と打ち明ける。専門家の間でも「石綿の除去の方法などを細かく指定していない点が不十分」という声が少なくない。
 環境省も都道府県に対し、保健所で住民の健康相談を受け付けるよう要請したが、「公害」との表現は慎重に避けている。環境基本法や公害健康被害補償法は「事業活動などに伴って生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染(中略)で人の健康に被害が生じること」を「公害」としているため、「法の趣旨に照らしてみると、現時点ではちょっと違うのではないか」(同省環境保健部)という認識だ。

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