Chapter 4  蘇るは伝説、沈みゆくは蒼き大地 ---------- ●カムデルの町の戦い後● ファズ 「誰か、  町の人を  連れてきてくれないか。  くれぐれも丁重に。」 兵士 「お連れしました。」 ファズ 「そう  かしこまらないでください。」 ファズ 「あなた方に  危害を加える気はありません。  少し尋ねたいことが  あるのですが。」 町の人 「何でしょうか?」 ファズ 「ツチ族とは  あなた方のことですか?」 町の人 「いいえ違います。ツチ族の方は  もうこの町にはいません。  ヴァレイムに  自治権を奪われたとき、  ツチ族の方たちは、  元々の自分たちの土地である  カムデル砂漠の奥地に  帰ってしまいました。」 ファズ 「そのカムデル砂漠の奥地には、  炎の神殿と呼ばれる  イクシア時代の建造物があると  聞いているのですが  本当なのでしょうか?」 町の人 「ツチ族の方はそういうことを  言っていたけど、  カムデル砂漠の奥地は  すさまじい砂嵐が  吹き荒れていて、  とてもじゃないけれど  普通の人が近寄ることなど  できません。  その話が本当なのか  どうかまでは・・・・・。  ヴァレイム軍も何度か  調査に来ていたのですけど、  一度も成功したことが  なかったようですし。」 ファズ 「そうですか・・・・・。」 町の人 「あっ、  普通の人でも一人だけ  キャラバン隊で  ツチ族の方たちと  交易していた人が、  炎の神殿に行ったことがあると  言っていました。  何でもその人が行ったときは  ぴたりと砂嵐が  止まっていたそうです。」 ファズ 「ありがとうございます。  色々と参考になりました。」 ジェラルド兵 「報告いたします。  我々ジェラルド軍本隊は  無事ユゴを奪回いたしました。  兵の士気も大いに上がり、  休息後、カームウェルの町へ  向かう予定です。  ところで、あなた方は、  これからどうなさいますか?」 ファズ 「我々は・・・・・ ファズ (ヴァレイムも炎の神殿に  行けていないようだし、  ツチ族も砂嵐の先か・・・・・  ツチ族の人たちと  話をつけるには時間が  かかりそうだ・・・・・。  ここは、どうする  べきだろうか・・・・・。) ★選択肢  「よし、急いで進軍しよう。」 →「まずは炎の神殿に向かおう。」 ファズ 「まずはツチ族の人たちと会い、  協力体制を作って  後顧の憂いをなくすべきです。  それに炎の神殿のことも  気になりますし、  我々はまず炎の神殿に  向かうことにします。」 ジェラルド兵 「分かりました。  ゼルスタン王には  そのように報告しましょう。」 ---------- ●水の神殿● ファズ 「レイアさん・・・・・。」 レイア 「ファズさん  ・・・・・。  またレイマリーのことを  聞きに来たの・・・・・。」 ファズ 「いえ・・・・・  そんな訳ではないんですけど  ・・・・・。」 レイア 「悪いけど、この前お話しした  以上のことは知りません。」 ファズ 「・・・・・レイアさん。  ・・・・・・  俺たちはこれから  炎の神殿に行きます。  ・・・・・。」 レイア 「またレイマリーと  戦うことになりますよ。」 ファズ 「分かっています。  ・・・・・・  レイアさん。  俺たちと一緒に  行きませんか?」 レイア 「どうして・・・・・。」 ファズ 「ここにいたら、また何者かに  襲撃を受けるかもしれない。  それに・・・・・。」 レイア 「この前の襲撃以来  ここはゼルスタン王の兵士に  二重三重に護られています。  ご心配には及びません。」 ★選択肢  「確かにそうですね。」 →「で、でも・・・・・。」 レイア 「ファズさん  ・・・・・あなた  私に一緒に行こうというのは  レイマリーと会うためでは  ないのですか?  私が、ここに残って  水のマーセルヴァを  護っていれば、  レイマリーは  再びここに現れるか、  炎の神殿の方に現れるか、  それとも他の場所に現れるか  分からない・・・・・。  だけど、レイマリーの狙いが  マーセルヴァである以上、  あなた方のもとに  マーセルヴァが集れば、  レイマリーが  そこを狙う確率が高くなる。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 レイア 「ファズさん  あなたは私的な事のために  私を誘っているのでは  ないのですか?  そして、他の皆さんも  ・・・・・。」 ★選択肢 →「確かに・・・・・。」  「そんなことはありません。」 ファズ 「そういった気持ちが  ないとは言えません。  ・・・・・  だけどレイマリーのことは  どうしても放っては  おけないんです。  ヴァレイムを倒さなければ  ならないことも、  マーディアス大陸の崩壊を  防がなきゃいけないことも  分かります。  だけどレイマリーのことを  何とかしなければ・・・・・  何とかしなければ、  俺は先に進めません。 レイア 「レイマリーを倒さなくては  ならなくなるかも  しれませんよ。」 ★選択肢  「それだけは出来ません。」 →「そうであってもです。」 レイア 「・・・・・・・・・・  そうですか・・・・・。  レイマリーは私の一族の者・・・・・。  私も放ってはおけません。  私も共に行きましょう。」 ---------- ●カムデル砂漠● ツチ族リーダー 「お前ら何者だ。  ここから先は  我らツチ族の聖なる地、  故なき者の侵入は許されん。」 ファズ 「俺たちは、マーディアス  大陸の平和の為、  ヴァレイムの軍事侵攻を  阻止しようとする者です。  あなた方ツチ族に  お願いがあって  やって来ました。  ヴァレイムに対抗するため、  俺たちと協定を結んで  欲しいんです。  すでに、ジェラルドの  ゼルスタン王は行動を  起こしています。  どうか俺たちに  協力してください。」 ツチ族リーダー 「我々はこの地で静かに  暮らしている。  戦争などに関わる気はない。  だからお前らにも、  ましてヴァレイムにも  協力する事はない。  早々に立ち去れ。」 ファズ 「・・・・・分かりました。  協力していただけないのなら  それは仕方ありません。  しかし、俺たちはこの先にある  炎の神殿に行かなければ  ならないんです。  そこまでは通してください。」 ツチ族リーダー 「炎の神殿?  そこに何の用だ。  炎の神殿こそ、  我々がある一族より  代々守護を託された場所。  炎の神殿が目的なら  生かして帰すわけには  いかん。」 ファズ 「待ってください。俺たちは  戦いに来たんじゃない。」 ツチ族リーダー 「問答無用!」 ---------- ●カムデル砂漠の戦い後● ファズ 「もういいだろう。  俺たちに戦う意思はないんだ。  もちろん、あなた方に  危害を加えるつもりもない。  頼むからここを通してくれ。」 ツチ族リーダー 「・・・・・  お前ら、本当に  マーディアス大陸の平和を  望んでいるのか?」 ファズ 「もちろんだ。  ヴァレイムの野望を  阻止するのももちろんだが  それを利用して  このマーディアス大陸の崩壊を  もくろんでいる者がいる。  それを阻止するためにも  俺たちは炎の神殿に  行かなければならない。」 ツチ族リーダー 「・・・・・分かった。  実は我々は、炎の神殿を覆って  いる砂嵐が突然消えたので、  ここまで調査に来たのだ。  そしてお前らと  出くわしたというわけだ。  こんなことは、あの男が  現れて以来だ・・・・・。」 ファズ 「あの男・・・・・」 ツチ族リーダー 「すぐに分かる。  お前らもまた、  炎の神殿に選ばれた者たち  なのかもしれん。  さあ、  炎の神殿に案内しよう。」 ---------- ●炎の神殿● ツチ族族長 「何者じゃ!  この神聖な炎の神殿に  何の用じゃ!」 ツチ族リーダー 「族長、待ってください!」 ツチ族族長 「大体の話は聞いた。  しかし、わしらはこの  炎の神殿を守護する身じゃ。  この神殿が侵されることは、  我ら種族の滅亡を意味する。  ゆえに、お主らを  通すわけにはいかぬ。」 ファズ 「待ってくれ、  無益な争いはしたくない。」 ツチ族族長 「お主らが本当にこの炎の神殿に  選ばれた者なら、  わしらを倒し、  内部に進むがよかろう。」 ---------- ●炎の神殿内部● ゴメス 「ほぉ、  砂嵐が治まったので、  どんな奴らがやってくるのかと  思ったが  まだ子供か・・・・・。」 ファズ 「あなたが、  炎の司祭なのですか?」 ゴメス 「人にものを尋ねるときは、  自分の名を名乗るのが  常識だろう。」 ファズ 「失礼しました。  私はナイトウェルドの  ファズ  という者です。  ジェラルド国王  ゼルスタンの命を受け  ヴァレイムを討ちに行きます。  しかし、我々は無抵抗の  人々に危害を加えるつもりは  ありません。  ここに来るまでに  ツチ族の方々を傷つけて  しまったことは謝ります。  ですから、無理に我々に  協力してくれとは  言いませんが、  ヴァレイムにも  協力しないように  頼みに来たのです。」 ゴメス 「・・・・・・・・・・。」 ファズ 「さあ、もう一度聞きます。  あなたが、  炎の司祭なのですか?」 ゴメス 「ハハハハハッ。  おい坊や、  本気で言っているのか?  ここはヴァレイム領内だぜ。  お前たちはいわば侵略者だ。  俺が炎の司祭かどうか、  俺を倒して確かめろ!」 ファズ 「聞いてください!  さっきも言ったように  我々は戦うことは  本意ではありません。  それにヴァレイムは  この神殿のような  イクシア時代の遺跡を  狙っているんですよ。  現に、  ジェラルドの水の神殿も  何者かに襲われました。  この地方は昔、  自治領だったけどヴァレイムに  接収されたと聞きます。  このままでは  きっとここも再び襲われます。  そうなれば  もっと多くの人々が  傷つくんですよ!」 ゴメス 「・・・・・フンッ。  俺を倒せたら  その話聞いてもいいぜ。」 ファズ 「このっ  わからずや!」 ---------- ●炎の神殿内部の戦い・1戦目後● ゴメス 「なるほど、  坊やたちは強えなぁ。  よっと。」 ファズ 「まだ戦う気か!」 ゴメス 「そんな気はないよ。  そら。」 ゴメス 「悪かったな、坊やの力を  試させてもらったんだ。」 ファズ 「本当か?」 ゴメス 「こっちはもう丸腰だ。  信じてくれよ。」 ファズ 「じゃあ、  まず答えてもらいましょう。  あなたが、  炎の司祭なんですか?」 ゴメス 「いや違う。」 ファズ 「じゃぁ、何者なんです。」 ゴメス 「その前に、その物騒なものを  引っ込めてはくれないか。」 ゴメス 「俺はゴメスだ。  以前はキャラバン隊を率いて  交易をやっていた。」 ファズ 「あなたは相当戦闘慣れしている  キャラバンの商人だったなんて  信じられませんね。」 ゴメス 「まっ、それ以上昔の話は  聞かないでくれないか。  今は関係ない話だし、  人には思い出したくないこと  だってある。」 レイア 「ファズさん  ・・・・・。  レイマリーが、来たわ。」 ファズ 「レイマリーだって!」 ゴメス 「しかし、  今日は客人の多い日だな。  そいつは坊やの  知り合いなのか?」 ファズ 「あ、あぁ・・・・・。」 ファズ 「ゴメスさん、  あいつらの狙いは炎の神殿の  マーセルヴァだ・・・・・。」 ゴメス 「マーセルヴァ?  ヴァレイムの奴らも  そんなこと言っていたな。  ところで、その知り合いは  ヴァレイムの奴なのか?」 ファズ 「いえ・・・・・違うと・・・・  思います・・・・・・・・。」 ファズ 「ところで、  マーセルヴァはあるんでしょう  この神殿に。」 ゴメス 「それを聞いてどうしようと  いうんだ・・・・・。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 ゴメス 「・・・・・・・・・・  そんなものはない。  そんなことより、あいつら  どうやら坊やたちの後を  つけてきたようだ。  そうでなければあいつらも  炎の神殿に選ばれたって  ことになる。  マーセルヴァだかなんだか  知らないが、  炎の神殿にあるものを  力ずくで奪おうって奴を  炎の神殿が通すはずはない。  坊やたちが招いた災難だぜ。」 ファズ (レイマリー・・・・・  俺たちをつけていたのか  ・・・・・。) ゴメス 「まぁ、済んだことをうだうだ  言ってもはじまらない。  坊やは炎の神殿に選ばれ、  そして以前に選ばれた  俺に勝った。  その男とどんな因縁か  しれないが、  今から俺とツチ族は  坊やの指揮で動く。  戦うのも逃げるのも勝手だが、  この面倒を切り抜けてくれよ。  俺たちを生かすも殺すも  坊や次第だ。」 ファズ 「・・・・・本当に、  ここにマーセルヴァは  ないんですか?」 レイア 「ファズさん  ・・・・・。」 レイア 「ここには  マーセルヴァはないわ。  私には分かります。  それに、あなたは  マーセルヴァについて  少し勘違いをしてる  ・・・・・。」 ファズ 「えっ。」 レイア 「あなた、  カムフォート家の方では  ありませんね・・・・・。」 ゴメス 「!?  カムフォート家を  知っているのか!」 ツチ族 「ゴメス様!」 ゴメス 「おう、どうした。」 ツチ族 「槍を持った長髪の男が  外に陣を敷き、  炎の神殿の明け渡しを  要求しています。  すぐにでも攻め込んできそうな  勢いです。」 ゴメス 「ちっ、話は後だ。」 ---------- ●炎の神殿内部の戦い・2戦目後● ゴメス 「坊や!  どうする。  本体はまだ神殿の外だ!  俺たちは坊やに  命を預けたんだぜ。」 ★選択肢  「ここは一旦逃げよう。」 →「迎え撃とう。」 ファズ 「逃げていても始まらない。  それにやっぱり  マーセルヴァもここに  あるかもしれない。  ここは炎の神殿を  死守しよう。」 レイア 「・・・・・・・・・・  いいの・・・・・。」 ★選択肢  「えぇ。」 →「そうですね・・・・・。」 ファズ 「やっぱり、ここに  マーセルヴァがないのなら  ツチ族の方や皆の安全が  第一だ。  一旦引こう。  ゴメスさん、  退路はありますか?」 ゴメス 「おう、まかしとけ。  逃げるのは得意なんでな。」 ●クレールオアシス● ファズ 「ゴメスさん・・・・・。」 ゴメス 「坊やか・・・・・。」 ファズ 「ゴメスさん・・・・・  答えたくなければ、  無理に答えなくても  いいんだけど  このお墓は?」 ゴメス 「・・・・・・・・・・  このお墓は  代々このあたりを治めていた  カムフォート家のものだ。  炎の神殿を守護する  司祭一族だった・・・・・。」 ファズ 「だった・・・・・?」 ゴメス 「カムフォート家の一族は  先々代のときに、  当時のヴァレイム王の  たっての願いで  首都ラエタに移り住み、  枢機卿の地位に就いたんだ。  けれども、先代は失脚して、  この地に戻ってきて  十年ほど前に亡くなった  ・・・・・。  暴れ者だった俺は  先々代のじいさまにえらく  世話になってな・・・・・  先代とも兄弟みたいな  もんだった・・・・・。」 ファズ 「・・・・・・・・・・  もうカムフォート家の人は  いないんですか?」 ゴメス 「一人だけ、  ヴァレイムで将校をしている  先代の子供がいるさ。  先代は、  失脚したとき誰も恨まず  炎の司祭一族が  炎の神殿を離れた  報いだと言って  その子も連れてこの地に戻り、  その子に炎の司祭を  させるつもりだったが、  ラエタ貴族育ちのその子は、  それを嫌がり  没落した家名を復興するため、  ラエタに残ったのさ・・・・・  その花はきっと  その子が来ていたんだろう  ・・・・・  何かあるとよく来てた  ようだからな・・・・・。」 ファズ (ヴァレイムの将校  ・・・・・。) ゴメス 「キャラバン隊でツチ族と  交易をやっていた俺は、  先代が亡くなるときに頼まれて  炎の神殿の守護をやるように  なった、というわけだ。  そのとき、お前が来た時と  同じように砂嵐が  治まったのさ。  先代は俺に炎の神殿の  守護を頼んだときに  言っていたよ。  砂嵐が治まるのは炎の神殿が、  その人物を受け入れたとき  だと・・・・・  そして次に砂嵐が治まった時に  現れる人物に協力するように  とな・・・・・。」 ファズ 「ゴメスさん、  前にも言ったけど、  あなたは相当戦い慣れしている  キャラバン隊の商人だなんて  思えない。  いったいあなた、  何者なんです?」 ゴメス 「まぁ、いいじゃないか、そんなことは。  おいおい話すさ。  それに、前にも言ったが  今はもう関係のないことだ。」 ファズ 「そう・・・・・  そうですよね。」 ゴメス 「ところでこれからどうするんだ?」 ファズ 「俺たちはこれからラエタに進軍します。  ここからどういうルートがあるのか  教えてもらえますか?」 ゴメス 「そうだな、  まず、第一に  ラウンダートの町を通っていく  方法がある。  これはラエタに直接向かう方法で  一番効率の良いルートだが、  炎の神殿を襲った奴らが  ヴァレイムに協力していたり  俺たちを狙っていたりしたら、  背後を取られて  挟み撃ちに遭う恐れがある。」 ファズ (炎の神殿を襲った奴ら・・・・・  レイマリー・・・・・  お前は何がやりたいんだ  ・・・・・。) ゴメス 「次に、カムデル砂漠方面に一度戻って、  カムデルの町を経由し  ラウンダートの町に行く方法だ。  このルートを取れば  炎の神殿を襲った奴らの動向を  うかがいながら進軍することができ、  背後を襲われる危険を冒さなくてすむ。  ただし、進軍は遅れてしまい、  さらに炎の神殿を襲った奴らとの戦いは  恐らく避けられないだろう。  そこで戦力を消耗することにもなる。」 ファズ (レイマリーとまた戦う・・・・・。) ゴメス 「坊や、どちらを選ぶ?」 ファズ 「・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・。」 ゴメス 「坊や、  お前はもう立派な指揮官だ。  お前の仲間たちは、  みんなお前を信頼して  ついてきているんだ  決めなきゃいけないことは  自信を持って決めなくてはいけない。」 ファズ 「・・・・・でもゴメスさん。  俺はこれまで、数多く私的なことのため  戦いを選んできた。  そのために多くの仲間が傷ついてきた。  それがいつの間にか  ヴァレイムを倒すなんて話になって  ・・・・・。」 ゴメス 「まさか、臆病風に吹かれたんじゃ  ないだろうな?」 ファズ 「そんなことはありません。  けど・・・・・。」 ゴメス 「それじゃあ、決めなくてはいけない。  それが、私的なこと、であってもだ。  そうでなければ、  お前についてきている者たちが  かわいそうだ。  みんなお前を信じている。」 ファズ 「・・・・・・・・・・  分かりました。」 ★選択肢  「ラウンダートの町に向かいましょう。」 →「カムデル砂漠方面に向かいましょう。」 ファズ 「背後からの襲撃で挟み撃ちに遭うのは  致命傷になる。  カムデル砂漠方面に向かいましょう。」 ゴメス 「進軍が遅れることになるがいいのか?」 ファズ 「仕方ありません。  危険を冒すよりましです。  それに・・・・・  これは私的なことと言われるかも  しれませんが  俺はレイマリーと会わなくてはいけない  そんな気がするんです。」 ゴメス 「そうかわかった。  それじゃぁ、  これからは俺も手を貸そう。」 ★選択肢 →「分かりました。」  「いえ・・・・・。」 ファズ 「ありがとうございます。  あなたみたいな人が仲間にいると  心強いです。」 ゴメス 「礼には及ばん。  俺には俺の目的もある。」 ---------- ●カムデル砂漠● メイルセイタン1 「そら、とっとと歩け。」 メイルセイタン1 「まったく、レイマリー様も  何を考えてらっしゃるのか。  炎の司祭一族の墓を  探してこいなどと。」 メイルセイタン2 「まったくだ。  ほら、さっさと案内しろ!  急がないと、  後からズブリだぞ。」 メイルセイタン2 「ところで、俺の前の奴、  老人だそうだ。  気付かないだろ普通。」 メイルセイタン3 「俺の前のは女だそうだ。  そらっ。」 ファズ 「やめろ!!」 ファズ 「今だ!  この隙に逃げて下さい。」 メイルセイタン2 「し、しまった。」 メイルセイタン2 「こうなったら、  お前たちを倒して  許しを請うしかない。  影!  やってしまえ。」 ---------- ●カムデル砂漠の戦い後● ファズ 「ふぅ。」 ファズ 「もう大丈夫です。」 ファズ 「すみませんでした。  俺はてっきり  あなた方も逃げれたものだと  ばかり・・・・・。  こんな目に遭わせてしまって  ・・・・・。」 ツチ族族長 「いや、謝らんでくだされ。  わしはお主達が脱出したのを  確認して、自分の意志で  炎の神殿に残ったのじゃ。  ・・・・・・・・・・  しかし、他の者達には  悪いことをした  わしと共に  残ろうとする者がおってな、  逃がそうとしたのじゃが、  ときすでに遅く  捕まってしまったのじゃ。」 ファズ 「本当にすみません。  ・・・・・・・・・・  自分の至らなさに  自然と頭が下がります。」 ツチ族族長 「・・・・・・・・・・  あのレイマリーという男  ・・・・・  お主のことを  知っておったようじゃが  ・・・・・。」 ファズ 「・・・・・・・・・・  レイマリーは  何をしようとしたのです。」 ツチ族族長 「何かを  探しているようじゃった。  探し物がないのが分かると、  一族の者を人質にとって  わしから炎の司祭のこと、  その墓があることを聞き出し、  その二人だけを残して  他の者を解放した後、  わしに炎の司祭の墓までの  道案内を命じて  自分たちはカムデルの町へ  引き上げた。」 ファズ 「カムデルの町へ引き上げた  ・・・・・。」 ツチ族族長 「そうじゃ・・・・・。  自分から  わしらに聞こえるように  カムデルの町へ  引き上げると言っておった。  炎の司祭の墓を知りたいのも  事実じゃろうが  じゃが、あれは  お主を待っとるのじゃろう。  お主との決着を  最優先させたのじゃろう。  わしがお主に助けられることを  読んでおったのかも  しれんな・・・・・。  わしが自ら命を絶たぬよう  二人の人質を残し、  その上で、  わしをメッセンジャーとして  ・・・・・。」 ファズ 「カムデルの町・・・・・  レイマリー・・・・・。」 ツチ族族長 「・・・・・・・・・・  行くのか・・・・・。」 ファズ 「ええ。  レイマリーが  待っているのであれば、  決着が  レイマリーの望みであるのなら。」 ●カムデルの町● メイルセイタン 「報告します。」 レイマリー 「なんだ。」 ブラックソーン 「・・・・・。」 メイルセイタン 「カムフォート家の墓の  捜索に出ていた部隊が  先日、  炎の神殿で戦った部隊と遭遇し  全滅しました。」 レイマリー 「・・・・・  そうか・・・・・ご苦労  兵舎でゆっくり休んでくれ。」 メイルセイタン 「はっ。」 ブラックソーン 「・・・・・  計画通りといったとこか  ・・・・・レイマリー  ・・・・・。」 レイマリー 「何をおっしゃいます。  すべて私のミスです。」 ブラックソーン 「・・・・・  お前の失敗は全て  ファズとかいう  ナイトウェルドの  バトルヘルパーが絡んで  いるそうだが・・・・・。」 レイマリー (こいつ、  ファズのことに  気付いているのか  ・・・・・?) 「はい。  奴こそ我が悲願を達成する為、  倒さねばならぬ敵  断ち切らねばならない  宿命の糸です。」 ブラックソーン 「・・・・・  それならば、  よい兵を貸そう・・・・・。」 ブラックソーン 「・・・・・  この兵を・・・・・  好きに使うといい  ・・・・・。」 レイマリー (ちっ、  余計なことを・・・・・。) ブラックソーン 「・・・・・。」 レイマリー 「ありがとうございます。  必ず奴をここで  仕留めてみせます。」 ブラックソーン 「・・・・・。」 レイマリー 「ファズ・・・・・  早く来い。  まずは、お前と決着を  つけなくてはならない。  他のことは・・・・・  その後のことだ・・・・・。」 ---------- ●カムデルの町● レイマリー 「・・・・・・・・・・  俺のメッセージは  届いたようだな  ファズ。」 ファズ 「・・・・・  レイマリー・・・・・。」 ファズ 「俺達は戦うしかないのか  レイマリー。」 レイマリー 「そうだ、俺はお前を  倒さなくてはならない。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 ファズ 「分かった、  お前の望みが  俺と決着をつけることなら  俺は戦おう。」 ファズ 「だけど・・・・・  だけど訳だけは教えてくれ、  俺にはお前と戦う理由はない。  なぜ、こうもお前は  俺と戦おうとする。  いったいお前に  何があったんだ。  どうしてこうも変われる。  答えろ、レイマリー!」 レイマリー 「・・・・・ファズ  前にも言ったろう・・・・・  俺は変わってなんかいない。  俺は前からこういう奴  だったんだよ・・・・・。」 ファズ 「答えになっていない!」 レイマリー 「・・・・・・・・・・  俺がお前を倒さなければ  ならない訳・・・・・  それはお前が  カーシリアスの民だからだ  ・・・・・。」 ファズ 「・・・・・どうして  お前がそれを・・・・・。」 レイマリー 「リュークにでも会って、  お前も自分が  カーシリアスの民であることを  知ったか。」 ファズ 「だからって・・・・・  俺がカーシリアスって所の  生まれだからって  なぜお前と  戦わなければならない。」 レイマリー 「『精霊と人間との契約より  3000年の後  古の精霊蘇り、  大いなる災厄をもたらす。  しかし、  私とサーナスの血に連なる  カーシリアスの民現れ  6人の星神と共に  其を討ち滅ぼすであろう  ・・・・・』  ・・・・・知ってるか  ファズ  ・・・・・・・・・・。」 ファズ 「知っているも何も、  有名なサーナス王伝説の  最終章、最終句エルヴィラ預言  じゃないか。  マーディアス大陸の者なら  子供でも知っている。  確か俺が生まれる前、  イクシア新暦2999年に  古の精霊って奴が蘇って、  この世が滅びるのではないか  って大騒ぎをした奴らが  いるって聞いたことがある。  でも何事もなかった。」 レイマリー 「・・・・・  そうだな・・・・・。」 ファズ 「第一、  今マーディアス大陸を  崩壊の危機に追い込んで  いるのはヴァレイムだ。  そんな伝説なんかより、  現実のヴァレイムのことを  考えるべきだ。」 レイマリー 「・・・・・ファズ  人間は滅び、  この世界は精霊たちに  返さなくてはならない。  それが精霊との  契約だ・・・・・。」 ファズ 「現実を見ろ、  レイマリー!」 レイマリー 「見てるさファズ  誰よりもな。  人間どもの起こした戦争なぞ、  人間自らを滅ぼし  精霊達が世界を取り戻す  シナリオの序章に過ぎない。」 ファズ 「何を言っている!」 レイマリー 「・・・・・・・・・・  気付いているんだろう  ファズ  伝説にある  カーシリアスの民というのは  お前のことだ。」 ファズ 「な、何をバカな。」 レイマリー 「お前は次々と  星神の血の連なる司祭達と会い  マーセルヴァのことを知り、  伝説にいざなわれている。  伝説の通りではないか。  このままではお前は必ず、  精霊たちとの契約を果たす  妨げとなる。  だから俺はお前を倒す!」 ファズ 「何を言ってる、  精霊との契約が  どうしたって言うんだ!  そんな大昔の契約で  どうして今を生きる人たちが  滅びなければならない!」 レイマリー 「人間は何をした!  この大陸が精霊に  支えられている事を忘れ  自分たちが精霊の犠牲の上で  生かされていることを忘れ  ついには契約によって  封じられたコインフェイムを  復活させて戦争を起こし、  この大陸を  崩壊させようとしている。  人間は生かしておくと  大陸を崩壊させて  勝手に滅びる。  しかし、  そうなる前に人間を滅ぼし  この大陸を精霊の手に  戻さなければならない。」 ファズ 「確かにそういう人間もいる。  だけれどもほとんどの人間は  そうじゃない。  戦争なんて  誰も望んじゃいないんだ。  ヴァレイムを倒し  戦争を終わらせれば  コインフェイムなんて  誰も使わなくなる。  それに、伝説の時代は  人間と精霊は  共存していたんだろう。  これからだってそうすれば  いいじゃないか。」 レイマリー 「甘いよファズ  人間は一度手にした力を  手放したりしない。  俺は長い間、  人間を見てきたが、  人間とはそういうものだ。  現にファズ  俺だって、お前だって  コインフェイムを  使っているではないか。」 ファズ 「それは・・・・・  戦争を早く終わらせるためだ。  好きで使っている  わけではない。」 レイマリー 「ファズ  それは言い訳だよ・・・・・。  そうやって人間は  言い訳を重ね手にした力を  放そうとしない。  人間は昔から  何も変わっちゃいない。  人間の歴史は  争いの歴史だ・・・・・。」 ファズ 「何を言っている。  ヴァレイムが  戦争を引き起こすまでは  平和だったじゃないか。」 レイマリー 「それは人間の歴史の  ほんの一瞬だ。  現にヴァレイムが  戦争を起こしたじゃないか。  お前はまだ、  人間の歴史の一瞬を  見てきただけだ。  だが、俺は違う  ・・・・・・。  人間の歴史のほとんどが  争いの歴史であることを  知っている。  このままコインフェイムを  手に入れた人間どもを  生かしておいたら、  大陸ごと人間も精霊達も  滅んでしまう。  そうするわけにはいかない。」 ファズ 「俺は・・・・・  俺は人間を  滅ぼさせはしない  ・・・・・  この大陸を  崩壊させもしない  ・・・・・  平和が一瞬のことであっても  俺はその平和のために戦う  ・・・・・  そしてもう二度と  戦争は起こさせない  ・・・・・。」 レイマリー 「無理だと言っている!  それは過去が物語っている。」 ファズ 「過去が何だ・・・・・  どれだけの過去を  見てきたか知らないが  未来のことが分かるまい  大切なのは  未来だ・・・・・。」 レイマリー 「・・・・・・・・・・  話はここまでのようだな。  かかって来い  ファズ  ・・・・・。」 ファズ 「レイマリーーーーーー!」 ---------- ●カムデルの町の戦い・1戦目後● レイマリー 「やはり・・・・・  やはりお前は伝説にある  カーシリアスの民だ  ・・・・・・・・・・。  精霊との契約を果たすのに  一番邪魔な存在だ  ・・・・・・・・・・。」 レイマリー 「ファズ、  2人だけで決着をつけよう。  これが最後だ・・・・・。」 ファズ 「・・・・・  レイマリー・・・・・  分かった・・・・・。」 ---------- ●カムデルの町の戦い・2戦目後(レイマリー加入ルート)● ファズ 「お、おい・・・・・。  レイマリー・・・・・。  レイマリー・・・・・。」 レイマリー 「・・・・・ファズ  強くなったな・・・・・。  ・・・・・  お前に剣を教え始めたとき  ・・・・・。  お前の剣の素質を見て  ・・・・・。  将来お前と戦えば  ・・・・・。  こうなることは分かっていた  ・・・・・。」 ファズ 「もういい、レイマリー  もう終わったんだ、  しゃべるな。」 ティン 「ファズ・・・・・  レイマリーは・・・・・。」 レイマリー 「・・・・・  ティンか・・・・・。」 ティン 「レイマリー・・・・・  レイマリーなんでしょう?  ユゴ砦で私を助けてくれたの  ・・・・・。」 レイマリー 「そんなことも・・・・・  あった・・・・・  かな・・・・・。」 ティン 「レイマリー、待ってて  すぐ回復するから。」 レイマリー 「・・・・・  いいんだティン・・・・・  もう手遅れだ・・・・・。」 ティン 「・・・・・  レイマリー・・・・・。」 レイマリー 「・・・・・ファズ  これだけは覚えておいて欲しい  ・・・・・。  今起きている戦いは、  人間だけの戦いではない  ・・・・・。  遠い、伝説の時代から  定められた精霊達をも含めた  戦いだ・・・・・  そのことを知らず、  人間同士がおのれのエゴだけで  戦えば  必ず、  マーディアス大陸は崩壊し、  人間も精霊も滅ぶ・・・・・。  精霊に祈りを捧げ、  見えざる精霊達の声を  聞いて欲しい。  そのための星神が、  お前の力になってくれる。  そして、カーシリアスの民で  あるお前にはその能力がある  ・・・・・。」 ファズ 「ああ、分かった・・・・・  約束するよ、  レイマリー・・・・・。」 レイマリー 「ごふっ・・・・・・・・・・。」 ファズ 「レイマリー  大丈夫か、レイマリー!」 ファズ 「・・・・・ファズ  どうやら・・・・・  俺はここまでのようだ  ・・・・・  ファズ・・・・・  お前は、俺がその存在を認めた  ただ一人の人間だ・・・・・  そのお前の腕の中で死ぬのも  悪くないぞ・・・・・。」 ファズ 「お、おい・・・・・  レイマリー・・・・・  レイマリー・・・・・  レイマリーーーーーーーー!」 ファズ 「ど、どうしたって言うんだ。  ティン、おいティン。」 ファズ 「レイマリー!  ティン!」 レイマリー 「・・・・・  これは・・・・・  この光は・・・・・  まさか・・・・・。」 ファズ 「・・・・・  傷が・・・・・  すっかりふさがっている  ・・・・・  いったいどうしたというんだ  ・・・・・。  ティンから出たあの光はなんだ  ・・・・・。」 ●数日後 カムデルの町● ファズ 「レイマリー・・・・・  どうだ、体の具合は・・・・・?」 レイマリー 「・・・・・ああ、心配はない。  前よりかえっていいくらいだ  ・・・・・。」 ファズ 「レイマリー、無理にとは言わないが  詳しく話をしてくれないか  ・・・・・。」 レイマリー 「・・・・・・・・・・  ファズ、お前は・・・・・  自分の父親のことを覚えているか  ・・・・・。」 ファズ 「いや、リュークさんからも  父親のことは聞かされたが  どうしても思い出せないんだ。」 レイマリー 「俺が初めてお前に会ったのは、  お前の父親イーノルドがある本を携え、  幼いお前の手を引いて  水の神殿にやってきたときだ。  そして、お前の父親が  水の神殿に来る一年ほど前、  俺は水の神殿の書庫で  ある古い記録を見つけていた。  それは伝えられる人間と精霊の  契約の内容を記したもので  相当古そうな物だったが、  正確にはいつ、誰によって  書かれたものかは分からなかった。  それによると、  『人間はマーセルヴァの封印を護り、  精霊力の利用を止めるという条件で、  精霊はマーディアス大陸の主導権を  一時人間に預けマーディアス大陸を  支え続ける。  そうすれば3000年の後に  マーディアス大陸は  イクシアの昔を取り戻し  以前のように人間と精霊は共存できる。  3000年の後、  人間がこの契約を果たせていなければ、  人間はマーディアス大陸の主導権を  精霊に返さなければならない。』  と、そうあった。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 レイマリー 「俺は、人間のやってきたことを顧みた。  人間は精霊への感謝を、  この大陸を一時借り受けているだけ  であることを忘れ、この大陸の  支配者であるがごとく振る舞い、  人々は争いごとを繰り返し、  この大陸を汚し続け、  3000年の後にはついに  コインフェイムを・・・・・  精霊の力を軍事利用した  争いを起こした。  そしてコインフェイムを主力とした  争いが大陸全土に広がるのは  明らかだった・・・・・  この大陸を崩壊させるほどに  ・・・・・。  もともと人間の存在意義に  疑問を感じていた俺だが、  そのときから、より一層  それを強く思うようになった。  人間など  この母なるマーディアスの大地に  必要ないのではないか?  いや、むしろ排除されるべき  存在なのではないか?  その人間のために犠牲になっている  精霊たち・・・・・  精霊たちは、何のためにこの大陸を  支え続けているのか・・・・・  3000年間も・・・・・。  そのときから、  俺は伝説時代の研究を始めた・・・・・  そして、この大陸は精霊たちに  返すべきだと考えるようになった。  人間たちを排除して・・・・・。  そんなとき、お前の父親が現れた。  『サーナス王伝説私論』という本を  携えて。  お前の父親は、自分はイクシアの伝説を  調べている者だと言い  水の神殿に蔵されている書物を  見せて欲しいと言った。  水の神殿にある書物は、  司祭の一族以外の者には  見せてはならぬ掟だったが  俺は、『サーナス王伝説私論』を  見せてもらうことを条件に  首を縦に振った。  その本はリュークが書いたもので、  出版前から大きな反響を呼んでいたが、  国を問わず出版されたとたん回収、  回収後も所持している者は即刻死刑  内容を口にする者は舌を抜かれるという  徹底した弾圧ぶりで  リュークもヴァレイムから手配され  その本は俺も目にしてはいなかった。  そのとき、お前の父親がどういう経緯で  その本を持っていたのかは分からなかったが  伝説時代のことを調べている俺は  どうしても見てみたい本だった。  お前の父は、渋っていたのだが、  決して内容を真に受けないようにと  念を押して本を俺に渡し、  自分は水の神殿の書庫に  入っていった・・・・・。」 ファズ 「『サーナス王伝説私論』とは  どんな内容なんだ・・・・・。」 レイマリー 「簡単に言うと、  現在マーディアス大陸に伝わる  サーナス王伝説を覆す内容だ。  サーナス王とエルヴィラは秘密の  恋仲だったがお互いに利用しあって、  マーディアス大陸を支配した。  それぞれ人間と精霊の王として。  サーナス王はとんでもない放蕩者で  王位継承権を剥奪された王子だったが、  王となる野心を持っていた。  そして、  エルヴィラは最上位の精霊だったが、  同格の精霊たちにその座を  脅かされていた。  そして、禁じられている  人間との恋が知られるのを恐れていた。  そこでサーナス王は  エルヴィラを利用して  マーディアス大陸の覇権を握るため、  大精霊エルヴィラは  サーナス王を利用して  自分の地位と恋を守るため、  精霊たちの力を借りて  サーナスは第二期イクシア王国を建国し  その後、契約の名のもとに  エルヴィラは対抗する大精霊を含む  多くの精霊たちを封印した  といった内容だ。」 ファズ 「待て、レイマリー、  ではヴィラというのは一体・・・・・。  伝説ではヴィラがイクシアを滅ぼし、  そのヴィラを精霊たちと協力して  サーナス王が倒したことで  第二期イクシア王国を建国したことに  なっているが・・・・・。」 レイマリー 「確かにヴィラは存在した。  ヴィラはマーセルヴァを作り、  人間だけの世界を作るために、  精霊たちを捉え、利用し  多くの精霊たちを犠牲にいて  イクシアを滅ぼした。  だが、ヴィラもサーナス王たちに  利用された。  サーナス王たちはエルヴィラに対抗する  精霊たちを封印するために  ヴィラの作ったマーセルヴァに  目を付けた。  そしてサーナス王は  ヴィラがイクシアを滅ぼすのを静観し、  ヴィラがイクシアを滅ぼした後、  自分の国を建国し、  全ての精霊をマーセルヴァに  封じる行動を起こすと、  イクシア王族最後の生き残りとして、  精霊たちを解放するという名目で、  精霊たちと協力し  兵を挙げた・・・・・。  この時、サーナス王とエルヴィラの間で  伝えられる契約が交わされた。  契約の内容は、あらかじめ  2人の間で決められていたもので  サーナス王とエルヴィラの  利害関係は成り立っていた。  知っての通り契約の内容は  精霊たちに不利なものだ。  サーナス王とエルヴィラは3000年  という期限をつけることにより  精霊たちを納得させた・・・・・。  戦いが終わり、  サーナス王のイクシアが建国されると  精霊たちはマーディアス大陸を  支えるため、  実体を捨て契約を遂行した  ・・・・・。  しかし、エルヴィラだけは  実体を捨てることをせず、  このとき、サーナス王と共に  マーセルヴァに自分と同等の力を持つ  精霊たちの力を封じ  そのことは秘密にして6人の星神に  長寿を与えその封印の守護を命じた、  サーナス王とエルヴィラは結ばれ、  1人の子供が産まれた。  その子がカーシリアスの民の  始祖である。  とざっとこんなとこだ・・・・・  そして俺はこれを信じた。  なぜなら、  俺が水の神殿の書庫で調べたのと  ほとんど同じ内容だったからだ。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 レイマリー 「どうだ、ファズ、  精霊たちはサーナス王とエルヴィラの  私欲、野望のために3000年間も  我慢してきたんだ・・・・・  そして、これまで人間たちは  何をしてきた・・・・・  この大陸を精霊たちに返し、  贖罪すべきだとは思わないか・・・・・  俺は精霊に祈りを捧げるとき、  精霊の怨嗟の声が聞こえる・・・・・  何百年も・・・・・ずっとだ。」 レイア 「レイマリー・・・・・。」 ファズ 「レ、レイアさん。」 レイマリー 「レイア・・・・・。」 レイア 「私には精霊の怨嗟の声は  聞こえない・・・・・  むしろ精霊たちは人間のことを、  マーディアス大陸のことを  心配している・・・・・  レイマリー・・・・・  あなたもまた人間と同じように、  サーナス王の伝説を一方向からしか  見ていない・・・・・  あなたが知った『サーナス王伝説』は  ある方向から見たサーナス王の伝説  ・・・・・  人々の間で信じられている  正史の『サーナス王伝説』もまた  違う方向からみたサーナス王の伝説  ・・・・・  真実とは違う・・・・・。」 レイマリー 「では、お前は本当の話を  知っているというのか。」 レイア 「いいえ、知りません・・・・・  しかし、ファズさんが  サーナス王伝説の最終章、最終句  エルヴィラ預言にあるカーシリアスの  民であるという考えは私も同じです。  あなたが言うように、  伝説は動き出しています。  そして、私はファズさんと  行動を共にして  サーナス王伝説の真実を、  そして伝説の終焉を見届けるのが  私の、司祭たる役目だと  思っています・・・・・  そして、私はあなたほど  あせったりはしません。」 レイマリー 「・・・・・・・・・・  マーディアス大陸が崩壊するのかも  しれないのだぞ・・・・・。」 レイア 「伝説は動き始めています。  マーディアス大陸の崩壊が伝説の  終焉で、その日が近いのであれば、  古の精霊の復活がなされていなければ  なりません。  人間たちの起こした戦争は、  動き出した伝説の序章、  伝説を動かしだすための  引き金だと私は考えます。」 レイマリー 「・・・・・・・・・・。  レイア・・・・・  お前はイーノルドと同じ様なことを  言うんだな・・・・・。」 レイア 「そうです。  イーノルドは『サーナス王伝説私論』の  早合点を正すため、  友人のリュークの早合点を正すために  水の神殿に来たのですから  ・・・・・。」 レイマリー 「そう、俺は何度もイーノルドに  サーナス王の伝説を一つの方向だけから  見てはいけないと言われた。  しかし、  かたくなになっていた俺の心は、  それを受け入れなかった。  それどころか、イーノルドが  カーシリアスの民だと知ったとき  俺は殺意すら持った。」 レイア 「レイマリー・・・・・  あなた、まさか・・・・・。」 レイマリー 「早とちりするな、レイア・・・・・。  確かにある日俺は殺意を持って  イーノルドのもとに向かった。  しかし、  俺がイーノルドのもとについたとき、  イーノルドはすでに死んでいた  ・・・・・  何者かに殺されていたんだ。」 レイア 「・・・・・・・・・・。」 レイマリー 「そしてファズ、  お前は自分の父親の傍らで倒れていた。  意識を取り戻した後も  お前の目はうつろで生気がなく、  まったくしゃべれず、  人形のようだった。  その後、お前を連れて俺は旅に出た。  伝説の真実を知るため、  カーシリアスの地に赴こうと  思ったのだ。  お前を連れていったのは、  カーシリアスの血を引くお前が  役に立つのではないかと思ったのと  何度もお前を殺そうと思ったのに  どうしても殺せなかったからだ  ・・・・・  そして、ナイトウェルドの  ディソールに住み着き、  カーシリアスの地を捜した。  俺が留守の間の面倒は  近所の人たちが見てくれた。  そして、お前が  ティンと遊ぶようになってから、  お前は、少しずつ人間らしさを  取り戻していった。  笑うようになり、  しゃべるようになり、  目には子供らしい生気が戻った。  恐らく、お前の父親を殺した男に  何かコインフェイムみたいなものを  掛けられていたのだろうな。  それが解けたのだろうが、  記憶は戻らないようだった。  恐らくお前の記憶があるのは、  この少し後からだ。  俺がいないことが多いのと、  ティンと仲が良かったので  心配した裕福なティンの両親が、  お前を近くに住まわせた。  それからお前は剣術や槍術を  稽古する俺に、剣を教えてもらいに  来るようになった。」 ファズ 「あぁ、それは覚えてるよ。」 レイマリー 「俺は、お前の剣術の素質に驚いた。  そして、いつか俺を越える日が  来ることも分かっていた。  そして、何度も・・・・・  カーシリアスの血を引くお前を  何度も殺そうと考えた・・・・・  お前が俺を越えぬうちに・・・・・  どうだファズ、  俺はこんな男だ・・・・・。」 ★選択肢 →「違うよレイマリー。」  「そうだったのか。」 ファズ 「だってお前は俺を  殺さなかったじゃないか。  それに俺の知っているレイマリーは  無口で無愛想だけど  誰よりもディソールの人たちを  愛していた。  そして俺のことを信頼してくれていた。  俺のことを助けてくれた・・・・・。」 レイマリー 「そう、俺はお前を殺すことは  できなかった・・・・・。  俺はすっかり、  お前との生活が・・・・・  ディソールでの生活が  気に入ってしまった。  人間の存在意義に疑問を持っていた俺が  お前を信頼し、  ディソールの人々を好きになっていた。  そして、カーシリアスの捜索も止め、  お前と一緒にバトルヘルパーとなり  一緒に死線をくぐってきた。」 ファズ 「そう、そしてリューペールの以来で  ヴァレイムとの戦いに巻き込まれ  ディソールでアルヴィーンに斬られた。  そして、俺たちは離れ離れになった。」 レイマリー 「・・・・・俺は  アルヴィーンに斬られた後、  気づくとヴィラという男のもとにいた。  奴も俺と同じく精霊に  贖罪しようとしていた・・・・・  マーセルヴァを集め封印された  古の精霊たちを解放し、それによって  人間が滅ぶことで、精霊たちへの  贖罪が完成すると考えていた。  ディソールを壊滅させられたことで、  昔と同じように人間の存在を  否定するようになった俺はその男に  協力することを誓った・・・・・  その後、  お前が生きていることを知ったが、  俺はもう自分を止めることが  出来なかった。  後はお前も知っての通りだ  ・・・・・。」 ファズ 「なあ、レイマリー  また一緒に行かないか?」 レイマリー 「・・・・・ファズ、  俺はティンが輝くのを見たとき、  レイアの言うとおり  俺が伝説を一つの方からしか  見てないことに気づいた・・・・・。」 レイア 「そう、  あれはエルヴィラの加護・・・・・  あなたを助けたのは  大精霊エルヴィラ・・・・・  光と慈悲の大精霊・・・・・。」 レイマリー 「ファズ、  俺は人間の存在を否定し、  滅ぼそうとしてきた。  しかし、正直なとこ真実が知りたい、  伝説の真実とその終焉が  この目で見たい。  その後で、この身がどうなろうと  構わない・・・・・。」 ファズ 「なに言ってんだレイマリー  お前は俺の存在を認めてるって  言ったじゃないか。」 ティン 「そうよ!」 ファズ 「テ、ティン!」 ティン 「レイマリー私のこと  助けてくれたじゃない!  それって私のことも  認めてるってことよね。」 ファズ 「ほら、お前人間を滅ぼす、滅ぼす  って言うけど、本当はお前にそんなこと  できっこないのさ。」 レイマリー 「そうか、そうだな・・・・・。」 ファズ 「・・・・・昔に戻れたな  レイマリー。」 レイマリー 「そうだな・・・・・。」 レイマリー 「ファズ、  お前に話がある・・・・・。」 ファズ 「・・・・・お前の連れていた  軍勢のことか・・・・・?」 レイマリー 「そうだ・・・・・  あの軍勢は  ヴァレイムのものでも  他の国のものでもない、  ましてバトルヘルパーでもない  ・・・・・  あの軍勢は、前にも話した  大地の司祭ヴィラのものだ。」 ファズ 「大地の司祭、  ヴィラ・・・・・。」 レイマリー 「奴がマーセルヴァを集め  封印された古の精霊たちを  解放し、  それによって人間を  滅ぼそうとしているのは  確かだ。  ただ、詳しいことは  分からないが・・・・・  奴はヴァレイムの  フェルナンデスともつながりが  あるようだ・・・・・。」 ファズ 「ヴァレイムのフェルナンデスと  ・・・・・。」 レイマリー 「そうだ、ヴァレイムが  イクシアの遺跡を狙うのは  案外その辺に関係が  あるのかもしれない  ・・・・・。  それと、  気をつけなければならないのが  ブラックソーンという奴だ  ・・・・・。」 ファズ 「ブラックソーン  ・・・・・  漆黒の鎧をまとっているという  ヴァレイムの将軍か?」 レイマリー 「そうだ。  奴の呼び出す  暗黒騎士と呼ばれる騎士は  人間じゃない・・・・・。  今は、ヴァレイムの将軍と  なっているが  本来、奴はヴィラの部下だ。  しかし、  本心でヴィラに仕えているのか  何を考えているのか、  何を目的としているのか  まったく分からん  ・・・・・。」 ファズ (アルヴィーンも  ブラックソーンには  気をつけろって  言ってたな・・・・・。) レイマリー 「どうした、  ファズ?」 ファズ 「レイマリー知っているか?  ディソールを襲ったのは  そのブラックソーンの  部隊だぞ。」 レイマリー 「ああ、ここに来て知ったよ。  アルヴィーンの部隊では  なかったのだな  ・・・・・。  もっと早く知っていれば  ・・・・・。」 レイマリー 「奴らはティンを使って  何かやろうとしていた  ・・・・・  何が目的なのかは  俺には分からない・・・・・。  もしかしたら、  ヴィラかブラックソーンか  どちらか一方だけの  思惑かもしれない・・・・・  ただ、  伝説に絡んだことであることは  確かだろう。  俺が知っているのは  それくらいだ・・・・・。」 ファズ 「・・・・・そうか・・・・・  ありがとうレイマリー。」 ジェラルド兵 「報告いたします。  我々ジェラルド本軍は  カームウェルの町を奪回。  カームウェルの町の解放軍と  合流、戦力を大幅に強めて  ウィデンの町方向に進軍中。  ヴァレイム軍は、  ラー・デルー方面に展開した  主力をラエタに戻し、  クレール山脈方面に守備の軍を  派遣しております。  これを受け、ナイトウェルドの  ダ・ナント騎士団は  攻勢に転向、  廃墟と化したアウスを  奪回した模様です。」 ファズ 「そうか・・・・・。」 ジェラルド兵 「ところでどうしたんです、  ファズさん・・・。  この間、このカムデルの町に  報告に来たときからまったく  軍が進んでおりませんが  苦戦でもなさっているの  ですか?  それなら、そのように  ゼルスタン王に報告しなければ  なりませんが。」 ファズ 「いや、  少し時間がかかりましたが、  炎の神殿に向かい、  後顧の憂いをなくしてきた  だけです。  これから、  ラエタに向け進軍します。」 ジェラルド兵 「そうですか、分かりました。  ではゼルスタン王には  そのように報告しましょう。」 ---------- ●ヘパイトスの塔 クロマの部屋● クロマ 「あ、いらっしゃい  武器できてますよ。  今まで作った中では  最高の出来みたい。  7種類も作ったんですよ。」 ファズ 「えっ、本当ですか。  ありがとうございます。」 クロマ 「でもぉ、  盗まれてしまいました。  この子達と  お茶飲んでる最中に。  お茶しているときは何も  したくないんですよねぇ。」 ファズ 「何も  したくないって・・・・・。  もしかしたら盗まれるのを  見てたんですか!?」 クロマ 「だから、困ってるんですよぉ。  盗んだ人は  分かっているんですよ。  サジリっていう人です。  7種類全部盗まれました。  この塔のどこかに  いるはずですから。  それから私の作った武器には  クロマ印が  ついてますから。」 ファズ 「サジリ  それにクロマ印・・・・・  ですか。」 クロマ 「はい。  あのぉ、  差し出がましいようですけど  取り返した武器はあなたがたに  差し上げますから。  もともとあなた方に  作った武器ですし。」 ファズ 「分かりました。  サジリって人をセッションで  倒せばいいのですね。」 クロマ 「そうです。  セッションは  連鎖が多ければ多いほど  敵の持っているものを  入手できる確率が  高くなりますからね。  がんばってくださいね。」 ---------- ●ヘパイトスの塔 クロマの部屋● クロマ 「私の作った武器、  まだすべて取り戻せて  ないようですね。」 クロマ 「すべての武器を取り戻して  私のところに来ていただけると  うれしいのですが。」 ---------- ●ヘパイトスの塔 クロマの部屋● クロマ 「まぁ、私が作った武器を全て  取り戻していただけたのですね。  ・・・・・。  あのぉ、お願いがあるんですけどぉ。」 ファズ 「何ですか?」 クロマ 「私、自分の作った武器が  どれほどのものなのか  見てみたいんですけど  あなた方について行っても  構いませんか?  世間っていうのも  見てみたいですし・・・・・。」 ★選択肢 →「分かりました。」  「それはちょっと。」 ファズ 「ただ、覚えておいて下さい。  あなたの作った武器で  人々が倒されるのです。  それを見る覚悟があるのなら、  いいですよ。」 クロマ 「私の武器は人を活かすことも出来ると  思っています。  私はそれをみたいんですの。」 ---------- ●ヘパイトスの塔 クロマの部屋● クロマ 「あらあら、  ロドリゲスにゴンザレス  がんばってるわね。  もうすぐ帰るから、しっかり  お留守番してるのよ。」 ---------- ●ラウンダートの町の戦い後 ヴァレイム領 首都ラエタ城内● ヴァレイム兵 「報告いたします。  カムデル砂漠より進軍中の  バトルヘルパーの一軍が  ラウンダートの町を攻略、  ソンティー台地方面に  向かっております。」 ヴァレイム兵 「報告いたします。  ジェラルド軍がカームウェルの  町を解放し、カームウェルの町  の反乱軍と合流、  我が軍は、  ジェラルド軍に対抗する為、  ラー・デルー方面に展開した  主力をラエタに戻しましたが、  これを受け、ナイトウェルドの  ダ・ナント騎士団は攻勢に転向  廃墟と化したアウスを  奪回しました。  現在、両軍は  ウィデンの町に向け進軍中。  ウィデンの町が落とされるのも  時間の問題かと思われます。」 フェルナンデス 「もうよい。下がれ。」 アルヴィーン 「フェルナンデス様  ソンティー台地方面に  向かっているバトルヘルパーを  率いているのは恐らく  ファズという  男です。  奴とは  少なからず関わりがあります。  私を向かわせて下さい。」 フェルナンデス 「よくぞ言った、アルヴィーン。  すぐさま、  ソンティー台地に向かい  こしゃくなバトルヘルパー  どもを倒して参れ。  もし、成功すれば  出世も約束しよう。  ぬかるなよ。」 ヴィラ 「お待ちください、  フェルナンデス様。」 フェルナンデス 「おお、  どうなされた大地の司祭殿。」 ヴィラ 「今は利がありません。  ここは、  ジェラルドとナイトウェルドに  奪った領土を返し、  和平を結ぶべきでは?」 フェルナンデス 「ここまできてそれはできん。」 ヴィラ 「それなら  こうしたらどうでしょう。  ブラックソーン将軍を  ソンティー台地に  派遣なされては。  将軍の力は  1人で1軍に匹敵する。」 アルヴィーン 「大地の司祭殿は  私では遅れをとると  申されておるのか!」 ヴィラ 「そうは申しません。  しかし、我々と違い  アルヴィーン様は代々  ヴァレイムに使(仕?)える家柄の方で  民にも人望が厚い。  そのような方は、  うかつに動くべきではない。  ヴァレイムの最後の砦として  戦うべきではないかと  ・・・・・。」 アルヴィーン 「・・・・・しかし!」 フェルナンデス 「よい、アルヴィーン。  大地の司祭殿の  申されるとおりだ、  お前は城塞都市マルファの  守りに回ってくれ。  ヴァレイムが  マーディアス大陸を統一した  暁には重く賞する。」 アルヴィーン 「・・・・・はっ。」 フェルナンデス 「ブラックソーン将軍  お主がソンティー台地に  向かってくれれば、  わしも安心だ。  行ってくれるか。」 ブラックソーン 「・・・・・・・・・・  承知した・・・・・。」 ●首都ラエタ内 ヴィラ邸● ヴィラ 「・・・・・・・・・・  フェルナンデスの奴の  過ぎた野望にも困ったものだ。  しかし、これでヴァレイムの  負けも決まったな・・・・。」 ブラックソーン 「・・・・・・・・・・。」 ヴィラ 「ブラックソーン。」 ヴィラ 「わしは大地の神殿に戻る。  しかし、  すぐにというわけにはいかん。  準備が必要だ、  ソンティー台地で奴らを  足止めしてくれ。」 ブラックソーン 「・・・・・・・・・・。」 ヴィラ 「いいか、  無理に勝つ必要はない。  適当に時間を稼いだら、  戻ってくるのだ。  いいな。  奴らにもお前にもまだ働いて  もらわねばならん。」 ブラックソーン 「・・・・・・・・・・  心配なさらなくとも、  そのつもりです・・・・・。」 ヴィラ 「・・・・・さぁ・・・・・  いよいよ大詰めだ・・・・。」  →Chapter 5へ ----------