Chapter 3_2  登場!ジャクリーヌ盗賊団 ---------- ●ヘパイトスの塔 クロマの部屋● クロマ 「あらっ、珍しい (←丁度台詞送ったときにPCがフリーズしたのでうろ憶え)  ここにお客さんが来るなんて  何年振りかしら。」 ファズ 「あの・・・・・。  クロマさんですよね。」 クロマ 「そうよ。  私が鍛冶屋のクロマ。  あらあら。私ったらお客さんに  お茶も出さずに・・・・・。」 ファズ 「いや、それは  いいですから・・・・・。」 クロマ 「久しぶりのお客さまだもの  そういうわけには  いかないわ。」 ファズ 「クロマさんは、  質の高い武器を作っていると  聞いたんですが。」 クロマ 「まぁ、あなたも私の作った  武器を求めて?」 ファズ 「そ、そんな訳では・・・・・。  いや、そうなんですけど。」 クロマ 「残念ね、今は普通の武器しか  作ってないのよ。  この塔にいる人達が使っている  ような武器しか。  最近は口ばっかりで私の  武器を使いこなせる人が  いなくって。」 ファズ 「俺がそんなに腕が立つかどうか  分からないけど  俺にはやらなくてはならない  ことがあるんです。  そのためには、強力な武器が  必要なんですよ。」 クロマ 「まぁ、それは大変ですこと。  私は、ずっとこの塔にいるもの  ですから、世間のこととか  ちょっとわからないのですけど  強力な武器が必要な  やらなくてはならないことって  戦わなければならない  ことですよね。  でも、戦うことでしか、  何かを傷つけることでしか  解決できないことなんて  そんなにあるのでしょうか?」 ★選択肢  「戦うしかないんです。」 →「確かにそうです・・・。」 ファズ 「しかし、  今の俺には戦うしか  方法が思い浮かばない  ・・・・・。  だけど、迷っている暇は  ないんです。  この戦いを早く終わらせないと  今よりもっと多くの人が  不幸になってしまいます。」 クロマ 「そうですか。  本当に大変ですねぇ。  いいですよ、ここまでこの塔を  上ってきただけで私の武器を  使う資格はありますから。  それにあなたには信念を  感じますし。私の武器を悪い  ことには使わないでしょう。  ただ、特別な武器を作るので  時間がかかります。  それでよろしければ・・・・・」 ファズ 「本当ですか?  ありがとうございます。」 クロマ 「じゃぁ、もう少し時間が経って  からきてくださいね。」 ---------- ●ヘパイトスの塔 クロマの部屋● クロマ 「まぁ、もういらしたんですか?  どうしましょう、  まだできてないわ。  そうだ!!  お茶でも飲んでいかれます?」 ファズ 「いや、まだでしたら  改めて伺います。」 クロマ 「そうですか、  すいませんねぇ。  もう少し時間が経ってから  またいらしてくださいね。」 ---------- ●エコーの森● ファズ 「いい感じの森だな。  北国らしくって・・・・・。」 エイトール 「チョットあんた!  ここはジャクリーヌ盗賊団  の縄張りよ。通りたければ  通行料をよこしなさい。」 セイシェル 「そうだ!  稼ぎがあるまで  かえって来んなって  姐サンに言われてるんだ!」 ファズ 「やれやれ、こういう手合いは  どこにでもいるんだよなぁ。  三回回ってワン!  これできたら通行料払うよ。」 エイトール 「ば、馬鹿にするんじゃないよ。  痛い目見たいのかい。」 セイシェル (三回回って)「ワン!!」 エイトール 「な、何やってんのよ。」 セイシェル 「はっ!?  姐サンにいつもやらされている  からつい・・・・・。」 エイトール 「面目丸つぶれじゃない!  こうなったら  実力でいくわよー!」 ---------- ●エコーの森の戦い後● ファズ 「さて、  お前たち盗賊団だったな  後は役所にでも  連れて行くか。」 エイトール 「あっ、ブタが木に登ってる!」 ファズ 「えっ。」 エイトール 「おぼえといでよ!」 セイシェル 「待ってくれよ  エイトールぅ。」 ---------- ●テシナ山● セシェル 「来ましたぜ!  姐サン。」 ジャクリーヌ 「オーホッホッホ!?  姐サンと呼ぶなと  いつも言ってるだろ!」 ― ハリセンチョップ ― セイシェル 「すいません姐サン。」 ― ハリセンチョップ ― セイシェル 「アーン。ジャクリーヌ様ぁ。」 ジャクリーヌ 「き、気持ち悪いねぇ。」 エイトール 「ジャクリーヌ様ぁ、  あいつらですよぅ  こらしめて  やってくださあい。」 ジャクリーヌ 「お離し!」 ― ハリセンチョップx2 ― ジャクリーヌ 「オーホッホッホ!  ん、どうしたんだい、坊や?」 ★選択肢 →「いや、あまりの美しさに・・。」  「いや、あきれてしまって・・。」 ジャクリーヌ 「オーホッホッホ!  なかなかかわいいこという  坊やだねぇ。  顔もなかなかかわいいし。  そうだねえ、三回回ってワン!  これをおやり!  そしたら  許してやってもいいよ。」 セイシェル (三回回って)「ワン!」 ジャクリーヌ 「オーホッホッホ! ― ハリセンチョップ ―  お前じゃない!」 ファズ 「プッ、ハーハハハハ。」 ジャクリーヌ 「せ、せっかく人が許してやろう  というのに笑ったね!  セイシェル、エイトール!」 ジャクリーヌ 「やーっておしまい。」 ---------- ●テシナ山の戦い後● ジャクリーヌ 「フン、覚えておいで!!」 セイシェル 「待ってください、姐サーン!」 ― ハリセンチョップ ― ファズ 「まっ、いいか・・・・・。  そんなに悪い人たちじゃ  なさそうだし・・・・・。」 ---------- ●サファール砦● ジェラルド兵 「お、お前たちも  奴らの仲間か!」 ファズ 「い、いきなり何なんですか。  私たちは、  ナイトウェルドのものです。  ゼルスタン王に  謁見しに行く途中なのですが  どうかしたのですか?」 ジェラルド兵 「ほ、本当か?」 ジャクリーヌ 「オーホッホッホ!」 ジェラルド兵 「くっ、援軍を呼ばないと。」 ファズ 「またお前たちか。  一体何をしでかしたんだ!」 ジャクリーヌ 「フン、  お前たちを出迎えるために  ちょっと  この砦を借りたのさ!」 ファズ 「砦にいる人達をどうした!」 エイトール 「私たちは、無駄に人を傷つけた  りはしないよ。」 セイシェル 「それが、姐サン」 ― ハリセンチョップ ― ジャクリーヌ 「ジャクリーヌ様のモットーさ。  砦の兵士たちは  みんな追い出しただけさ。」 ファズ 「ならもうやめよう。  ジェラルドの援軍が来る前に  逃げた方がいい。  本隊に勝てるわけないだろ?」 ジャクリーヌ 「そうはいかないよ!  お前たちにやられっぱなしじゃ  このジャクリーヌ様の面目は  丸つぶれさ!」 ファズ 「そんな面目なんて!」 ジャクリーヌ 「お前たちには  分からないことさ!  やーっておしまい。」 ---------- ●サファール砦の戦い後● ファズ 「いいかげんにしろ!  君たちはそんなに  悪い人間じゃないはずだ。  人を傷つけるのも  好きじゃないんだろ。  本当は  優しい人間なんじゃないのか?  もう盗賊なんてやめるんだ。」 ジャクリーヌ 「オーホッホッホ  あんたに何が分かるってんだい  生きていくためには盗賊になる  事だって必要なんだ  それにあんたたちだって  バトルヘルパーじゃないか  似たようなもんさ。  そんな奴らに  言われたくないね。」 ファズ 「それは・・・・・。」 ジェラルド兵 「あっ、ナイトウェルドの方々、  あなた方がこいつらを  捕らえてくれたのですね。  ありがとうございます。」 ジェラルド兵 「よし!  こいつらを縛り上げろ!」 ファズ 「ちょっ、  ちょっと待ってください。」 ジェラルド兵 「どうしたんですか?」 ファズ 「この人達を・・・・・  この人達を  逃がしてやっては  くれませんか。」 ジェラルド兵 「!!  なにを言っているんですか!  こいつらは盗賊団ですよ。  殺しをやったとの  報告はないですが  被害はたくさん  報告されています。  これがいい機会です。  年貢の納め時ですよ。」 ★選択肢  「そう・・・ですよね。」 →「この人達を助けたいんです。」 ジェラルド兵 「!!  助けるですって!」 ファズ 「そうです。  お願いします。」 ジェラルド兵 「そ、そんなことは  できません!」 ファズ 「俺にはどうしてもこの人達が  本当の悪人には見えません。  もう一度、自分たちの生き方を  考えるチャンスを  与えてやって下さい。」 ジェラルド兵 「いや、しかし・・・・・。」 ジェラルド兵 「・・・・・  分かりました・・・・・。」 ジェラルド兵 「私たちは、  あなた方をゼルスタン王の下へ  無事お連れする任務を優先させ  るよう言い付かっております。  その者達はあなた方が捕らえた  のだし、そのあなた方の  申し出であれば受けましょう。  しかし、  捕らえられた盗賊団を  みすみす見逃したとあっては、  後で  どんなおとがめを  受けるかわかりません。  そこで、我々はこれからのこと  をしばらく見ない事にします。  あなたは、その間に・・・。」 ファズ 「ありがとうございます。」 ジェラルド兵 「おい。」 ファズ 「さぁ、この間に逃げるんだ。」 ジャクリーヌ 「フン、恩にはきないよ。」 ファズ 「かまわないさ。  でも、盗賊はもうやめるんだ。  あなたには似合わない。」 ジャクリーヌ 「・・・・・・・・・・。」 ジャクリーヌ 「フン・・・・・。」 エイトール 「待ってー  ジャクリーヌさまー。」 セイシェル 「おいていかないでー  ジャクリーヌさまー。」 ---------- ●首都タス● ファズ 「ここがジェラルドの  首都タスか・・・・・。  なにか懐かしい感じがする。」 ジェラルド兵 「何者だ!」 ファズ 「ナイトウェルドから  の使者です。  ゼルスタン王に  謁見に参りました。  ご開門を願いたい。」 ゼルスタン 「よく参られた。  ナイトウェルドの使者よ。  私がジェラルド国王、  ゼルスタンだ。」 ファズ 「ナイトウェルドの使者、  ファズです。」 ゼルスタン 「うむ。お待ちしていた。  まずは城内に入り  休息をとるがよかろう。  開門。」 ゼルスタン 「誰か。  ダ・ナント騎士団団長  リューペールからの  書簡を持ってきてくれ。」 ゼルスタン 「・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・ふむ。」 リューク 「どうだゼルスタン王。」 ゼルスタン 「水くさいな、  ゼルスタンでいい。  なんど読んでもこの書簡は  本物だ。  ヴァレイムはナイトウェルドに  攻め込んだ。  襲撃を受けたのは、風の塔、  ディソール、アウス、  ラー・デルーだそうだ。  この書簡によると主力は  ラー・デルーに終結しており、  陥落も時間の問題だと  いうことだ。  ラー・デルーといえば  イクシアの首都の跡地。  どうやらお前の読みは  あたったようだな。  伝説時代の  イクシア研究の権威である  お前の意見を聞こう。」 リューク 「ラー・デルーはまずいな  ・・・・・。  アウス襲撃は、  フェルナンデスの意思だな。  あの野望の塊のような男の  やりそうなことだ。  それも誰かが、  助けを出しているようだ。」 ゼルスタン 「それが水の神殿付近で  見かけられる  所属不明の部隊に指示を  出している者だというのか。」 リューク 「恐らく。  ゼルスタン、  お前は元々の故郷である  ユゴをヴァレイムに接収され、  奴らを恨む気持ちは分かる。  しかし事を急いではいけない。  ヴァレイムが狙っているのは  イクシアの遺跡ばかり。  フェルナンデスの性格や  目的から言うと、直接、  国の拠点を狙ってくるはず。  それをしないというのは、  第三者の意思があると  思うのだ。  そして、その目的は  私の研究から言えば、  伝説の預言にある  災厄を引き起こすことだな。  今回のアウス襲撃は  フェルナンデスの先走り、自分の  意思が出たように思える。  これまでの侵攻とは  方向性が違いすぎる。  ユゴも元はといえば、  イクシア時代の  爆炎の神殿の跡地、  司祭の一族である  お前の故郷だ。  もっともお前は、  子供のいなかった前国王と  民衆のたっての願いで  何十年も前に国王となった。  掟破りで爆炎の司祭は  継げなかったがな。」 ゼルスタン 「その為に  この爆炎のマーセルヴァは  タス城内に保管され  無事だったというわけだ。」 ゼルスタン 「ところで、  あのファズという  者のことなのだが。」 リューク 「エレナが一緒にいた。  それにイクシア人の  特徴も良く出ている。何より  イーノルドに瓜二つだ。」 ゼルスタン 「とにかく  あの少年の話を聞こう。  リューク、お前はあの少年が  我々の求めている少年かどうか  確認してくれ。」 ゼルスタン 「誰か。あの者を  ここに呼んできてくれ。」 ファズ 「お呼びでしょうか  ゼルスタン王。」 ゼルスタン 「ふむ。  まずは顔を上げられよ。」 ゼルスタン 「ファズとやら  遠路ご苦労であった。  リューペール殿の書簡は  確かに拝見した。  我がジェラルドとしても  ヴァレイムの侵攻を  見過ごすわけではない。  リューペール殿の申し出  受けようと思う。」 ファズ 「早速の寛大なお言葉  ありがとうございます。」 ゼルスタン 「しかし  すぐに軍は動かせないのだ。  いまジェラルドは  国の東南にある水の神殿に  所属不明の部隊の  襲撃を受けておる。  その部隊を率いておる  長髪の男がかなりの槍の使い手  で手を焼いておる。」 ファズ 「長髪の槍の使い手!」 ゼルスタン 「心当たりがあるのか?」 ファズ 「いっ、いえ  そんな訳では・・・・・・。」 ゼルスタン 「・・・・・  その部隊を何とかしなければ、  このタスは背後を  襲われる恐れがある。  それに、水の神殿はジェラルド  王国王家が何より優先して守ら  ねばならぬところなのだ。」 ファズ 「ゼルスタン王!  お願いがございます!」 ゼルスタン 「なんだ、言ってみよ。」 ファズ 「水の神殿解放の役目  このファズに  やらせてください。」 ゼルスタン 「いや、  そなたは長旅で疲れておろう。  それにこれはジェラルドの問題  別国の民である  そなたの仕事ではない。」 ファズ 「いえ、  水の神殿を解放することで  ナイトウェルドへの援軍が  早くなるのなら  それはナイトウェルドのため  でもあります。  是非私にやらせてください。」 ゼルスタン 「・・・・・・分かった。  そこまで言うのであれば  やってみるがいい。  リューペール殿には  私のほうから援軍の件、  使者を出しておこう。」 ファズ 「ありがとうございます。」 リューク 「よかったのか。」 ゼルスタン 「問題ない。  どうせ水の神殿に、  行かせるつもりだった。  あの者の力を知る  いい機会だ。」 ---------- ●エクロガ湖● ファズ 「な、何なんだこいつら?」 影兵 「・・・・・。」 ファズ 「や、やる気かっ。」 ---------- ●エクロガ湖の戦い後● ファズ 「こ、こいつら  何ものなんだ・・・・。」 ---------- ●水の神殿● ファズ 「お前ら、何者なんだ!  ヴァレイムの者なのか!」 メイルセイタン 「そんなことはどうでもいい!  命が惜しければ  早々に立ち去れ!」 ファズ 「長髪の槍使いがいるはずだ、  会わせてくれ!」 メイルセイタン 「知らん!  我々は今取り込み中だ。  立ち去れ!  それとも、  我々と一戦するのか!」 ファズ 「ここは、力ずくでも!」 ---------- ●水の神殿内部● レイマリー 「レイア・・・・・  水のマーセルヴァを  渡せ・・・・・  危害を加えたくはない。」 レイア 「・・・・・マーセルヴァが  どんなものか  少しは知っているはずよ  ・・・・・レイマリー。」 レイマリー 「・・・・・マーセルヴァが  必要な時が来たんだ。」 レイア 「マーセルヴァを使って  あなたが望むもの・・・・・  それは何・・・・・。」 レイマリー 「・・・・・どこにあるんだ。」 レイア 「・・・・・  教えるわけにはいかない。」 ファズ 「レイマリー!」 レイマリー 「もう一度言う。  どこにあるんだ。」 レイア 「・・・・・。」 ファズ 「どうしたんだ  レイマリー!  俺だ、ファズだ!」 レイマリー 「・・・・・。  ファズ・・・・・  どいてろ。  邪魔をするのなら  お前でも容赦はしない。」 ファズ 「邪魔をするって・・・・・  何を言っているんだ  レイマリー。」 レイマリー 「それ以上近寄るな!」 ファズ 「レイマリー  俺はお前を捜して・・・。」 レイマリー 「いつまでもお前と  一緒にいるわけではない。  俺は自分のやらなければ  ならないことが分かった。  邪魔をするな。」 ファズ 「レイマリー・・・・・  何だよ・・・・・  こんなことして・・・・・  そんなの  お前らしくないじゃないか!」 レイマリー 「俺らしくないか・・・・・  ファズ!  お前は一つ勘違いをしている  俺は前から  こういう奴だったのさ!」 ファズ 「レイマリー!」 レイマリー 「どうやらお前は  そこの水の司祭同様、  俺にとっては邪魔者のようだ  邪魔者は・・・・・  消えろ!!」 ---------- ●水の神殿内部の戦い後● ファズ 「レイマリー・・・・・  どうしてなんだ・・・・・  どうして俺たちが  戦わなきゃいけない!」 レイマリー 「強くなったな・・・・・  ファズ・・・・。」 レイマリー 「しかし、覚えておけ  俺とお前は違う道を  歩み始めてると  いうことを・・・・・。」 ファズ 「レイマリー・・・・・  俺にはまだ進むべき  道なんて・・・・・。」 レイア 「・・・・・ありがとう。  助かったわ。  私は・・・・  レイア・・・・水の司祭。」 ファズ 「レイマリー・・・・・  レイアさん・・・・・  レイマリーは  あなたを知っているようでしたが。」 レイア 「・・・・・あなたは?」 ファズ 「ファズといいます。  レイマリーとは・・・・・  親友です・・・・・。」 レイア 「・・・・・。」 ファズ 「レイマリーは、  風の司祭シルファトスに会ったとき、  彼が何か隠しているといっていた・・  レイマリーは俺が知らない  何かを知っている。  俺はレイマリーの過去について、  よく知りません・・・・  レイマリーは昔のことを  あまり話したがらなかったから。  でも、  そんなことは関係なく  俺はレイマリーを親友だと思っている。  教えてください  あなたはレイマリーの  何を知っているのです。」 レイア 「忘れた方がいいわ・・・・・  レイマリーのことは。」 ファズ 「そんな!」 レイア 「風の司祭に会ったなら、  少しは知ってるでしょう。  マーセルヴァのこと・・・・・。」 ファズ 「少しだけなら・・・・・。」 レイア 「マーセルヴァとは  膨大な精霊の力を蓄える器。  それは宝珠の形を取るとは限らない。  サーナス王時代の司祭たちは  マーセルヴァを魔法儀式によって  自らに封じ  一体化して大精霊そのものとなった  とも伝えられます。」 ファズ 「ちょっと待ってください!  俺はあなたと  レイマリーの関係を聞きたいんだ!  そんなこと聞きたいんじゃない!」 レイア 「大精霊クラスの力が封じられた  全てのマーセルヴァを  コントロールできれば、  精霊の力を借りなくとも  このマーディアス大陸を  支えることができる。  そして、今でもマーセルヴァに  精霊の力が封じられているのなら  その力を解放することで、  大破壊を引き起こすこともできるし、  封じられた精霊をよみがえらせることも  できるかもしれない。  つまり  全てのマーセルヴァを手にすることは  この大陸を支配できる力を  持つことと同じなの。」 ファズ 「レイマリーが  そんなことを考えているとでも。」 レイア 「あなたはマーセルヴァがなぜ作られたか  知っている・・・・・?」 ファズ 「・・・・・いえ・・・・・。」 レイア 「伝説の時代  人間は精霊と共に暮らしていた。  今とは違い、  精霊はその姿を見せていた。  精霊は、今のように強大な力を  持ったものばかりではなく、  様々な力を持つ精霊がたくさんいたの。  そして、最上位の2精霊に仕える2人と  炎、爆、地、水、風、雷を司る  6大精霊と交渉できる6人、  合わせて8人の『星神』と呼ばれる者の  仲介によって  精霊は人間と  助け合って暮らしていたし、  暮らしていくはずだった。  でも、  あるとき一部の精霊が  気づいてしまったの。  自分たちの力によって  マーディアス大陸が  支えられていることに・・・・・  そして・・・・  彼らは  ことあるとごとに人間を脅かしはじめた。  人間は精霊を恐れるようになり、  精霊と人間たちの調和が  崩れ始めたの。  星神と大精霊はこの調和を  どうにか保とうとしたけれど、  一度大勢の間に湧き上がった  精霊の驕りと、  人間の精霊に対する恐怖という  心の変化は止めようがなかった。  そして人間は  徐々に追い詰められていったわ。  しかし、そこに1人の男が現れた。  彼の名はヴィラ。  雷鳴の星神であり、  天才的な頭脳の持ち主だったヴィラは、  すでに人間と精霊の共存は  不可能だと考え、  マーディアス大陸を人間だけの  ものにしようと、精霊の力を封じ、  その力をコントロールする方法を  研究し、  コインフェイムと  更に強大なマーセルヴァを  作り出したの。  最初、人間は皆、安心して暮らせると  ヴィラの考えに賛同していたの。  更には人間に後がないと考えた、  6大精霊と交渉できる  ほかの5人の星神さえも  ヴィラに賛同したらしいわ。  ヴィラとその5人の星神は  次々と精霊たちの力を  マーセルヴァに封じ始め、  今度は逆に、  精霊が追い詰められるようになった。  しかし、大量の精霊力が蓄えられた  マーセルヴァと、  それを操ることができるヴィラの力は  人間にとっても脅威になりつつあった。  そしてついにイクシア王国は、  最上位の2精霊に仕える者の1人、  エルヴィラの巫女と共に  ヴィラを糾弾した。  エルヴィラの巫女とイクシアは  精霊との共存をとなえ、  精霊を利用し力を得たヴィラは、  精霊にとっても自分たち人間にとっても  危険な存在だと大陸の人々に訴えたの。  今までヴィラに賛同していた人々も、  強大な力を手にするヴィラを見て  次々と手のひらを返すように  彼のもとを離れていった。  ヴィラは自分に対する  非難と孤独の中で思った。  いつまでも精霊に  怯えながら暮らしたいのか!  人間だけが支配する国を  作りたくないのか!  ついにヴィラは、マーセルヴァの力と  その応用であるコインフェイムを使い  イクシアを滅ぼす戦争を始めたの。  後はあなた方も  よく知っている伝説の通り。  マーセルヴァによって大破壊を  引き起こし、  イクシアを滅ぼしたヴィラを倒す為、  サーナス王は、エルヴィラの加護を受け  精霊とある契約を結んだわ。  その契約とは、ヴィラとの戦いの後、  マーセルヴァや  コインフェイムに関する技術をはじめ、  書物や知識に到るまで  一切の情報を封じること。  また、精霊は人間の前から姿を消し、  マーディアス大陸を支えつづける  というものだった。  つまり、戦いが終わった後、  お互いに干渉せずに暮らすことでの  共存を選んだの。  サーナス王は  残った精霊とエルヴィラの巫女、  そしてヴィラに協力したことを悔やんだ  星神の力を借り、  壮絶な戦いの末、  ヴィラを倒しイクシアを再興した。  その後、精霊は約束通り実体を捨て  マーディアス大陸を支えるために  姿を消し、  サーナス王は、マーセルヴァや  コインフェイムに関する情報を  一切封じるために  この水の神殿を含む6つの神殿を  造って、それぞれの星神を  司祭としてその守護を命じたの。  サーナス王の時代以降  マーセルヴァが使われた記録はないわ。  だから、実際に使えば何が起こるか  はっきりとは分からない。  ただ、絶対に封を解いてはいけない  という厳しい戒めが残っているだけ。」 ファズ 「・・・・・伝説の話はわかりました。  次は俺の質問に  答えてくれませんか。」 レイア 「・・・・・レイマリーは  水の司祭の一族。」 ファズ 「レイマリーが  水の司祭の一族・・・・・。」 レイア 「そう。  レイマリーは  私たちとここで暮らしていた。  私たちは、今話した星神の末裔として  代々この地でこの水の神殿を  守護してきたわ。  私たちは掟により  この地を離れることは許されない。  でもあるとき、  ヴァレイムがジェラルド南部ユゴを  侵略したという知らせがはいったわ。  しかも、  彼らが使った武器は  コインフェイムと呼ばれるものだった。  その頃からです。レイマリーが  水の神殿の書庫にこもるようになり、  いつも一人で  考え込むようになったのは。  そのころから・・・・・  そして、  レイマリーは禁を犯して  この地から離れたわ・・・・・。  何年も前の話。」 ファズ 「なんでレイマリーは  水の神殿を離れて・・・・・。」 レイア 「それは分からない。  でも、レイマリーが何もかも知った上で  マーセルヴァを  手にしようとしているのは確かだわ。  レイマリーが何を考えているにしろ  マーセルヴァを手にすることは  とても危険なことにかわりないわ。」 ファズ 「また、マーセルヴァ・・・・・  そして・・・・・  イクシア伝説か・・・・・。」 レイア 「だから、レイマリーのことは忘れて。  レイマリーの言うとおり、  これ以上マーセルヴァに関わるのは  やめた方がいいわ。」 ★選択肢 →「そうはいかない。」  「そうですね・・・・・。」 ファズ 「俺は・・・・  コインフェイムやマーセルヴァのために  マーディアス大陸が崩壊の危機に  あることをすでに知っています。  それに、ヴァレイムが起こした  戦争の影にマーセルヴァや  イクシアの伝説を知る  第三者の思惑があることも。  何よりレイマリーは俺の親友だ。  レイマリーが何を考えていようと  それがマーセルヴァやイクシアの伝説に  関係があるなら・・・・  それを見過ごす訳にはいかない。」 レイア 「・・・・・・・・・・。  分かったわ。  だったら  もっとマーセルヴァや  イクシア伝説のことを  詳しく知る必要があるわ。  そして、  なぜヴァレイムがイクシアの  遺跡ばかりを狙うのかを・・・・。  タスにいる賢者リューク様に  お会いなさい。  今はたしか、ゼルスタン王の  相談役をしているはず。」 ---------- ●エクロガ湖(ジャクリーヌ加入ルート)● ジャクリーヌ 「オーホッホッホ。  やっと見つけたわよ。  今度こそ、  ケリをつけてあげるわ!」 ファズ 「またお前たちか・・・・・。  まだ盗賊なんて  やってるのか。」 ジャクリーヌ 「オーホッホッホ。  やめてやるさ!  ここでお前たちを倒してね!」 セイシェル 「えっ、盗賊やめるんですか!  姐サ ― ハリセンチョップ ― エイトール 「ジャクリーヌさまー  もうやめましょうよ、  こいつら相手にするのはー。」 ジャクリーヌ 「おだまり!」 ― ハリセンチョップ ― ジャクリーヌ 「こいつらとは、  ケリをつけないと  気がすまないんだよ!」 ジャクリーヌ 「やーっておしまい。」 ---------- ●エクロガ湖の戦い後(ジャクリーヌ加入ルート)● ジャクリーヌ 「ち、ちきしょう。  こ、今度こそはと  思ったのに・・・・・・。」 エイトール 「ジャクリーヌさまー  だから  やめようって言ったのにー。」 セイシェル 「どうして、こいつに  こだわるんですかぁ。」 ジャクリーヌ 「おだまり!  さぁ、あんたの勝ちだよ。  煮るなり焼くなり  好きにしな。」 ★選択肢  「いいかげんにしろ!」 →「そうだな・・・・・。」 ファズ 「助けても、また他の人に  迷惑をかけるだろうし、  いつまでも  付きまとわれても困るしな、  それならばここでっ!」 ジャクリーヌ 「ちょっ、  ちょっとお待ちってば。」 ★選択肢  「だめだ。」 →「どうした。」 ジャクリーヌ 「わっ私の話を聞いておくれよ、  まずはその剣をしまいなよ。」 ファズ 「ハハハハハ・・・・・  冗談だよ殺す気なんてないさ。  しかしなぜ、  俺たちに付きまとう。」 ジャクリーヌ 「そ、それは・・・・・。」 ファズ 「答えろ!  どうして俺たちに  付きまとうんだ!」 ジャクリーヌ 「あ、あんたたちの  仲間になりたいんだよ!」 ファズ 「へっ!?」 ティン 「ダメだよ、ファズ!  このおばちゃんたち盗賊よ!  信用しちゃダメよ。」 ★選択肢  「そうだな、信用できない。」 →「待ってくれ、ティン。」 ファズ 「そう頭ごなしに決め付けちゃ  いけないよ。この人たちは何か  きっかけを捜してるのさ。」 ジャクリーヌ 「そ、そうだよ。わたしは、盗賊をやめる  きっかけを捜しているのさ。  さすが、いいこというねぇ。  それに引き換えなんだよこの娘は、  この美しい私をおばちゃん扱いして  ・・・・・  邪魔するんじゃないよガキのくせに。」 ティン 「なんですって! 年増のくせに!  似合いもしないのに、  いやらしい格好して  ファズを誘惑するのは  止めてくれない!」 ジャクリーヌ 「なんだって!」 ティン 「フン。」 ファズ 「やめないか二人とも。  ティンも言い過ぎだぞ。  これからやり直そうという人たちに。」 ジャクリーヌ 「さすが、  私が見込んだ男だよ。」 ティン 「なによぉ、ファズ  このおばちゃんファズを  好きになっちゃったのよ。  それだけだよ。」 ファズ 「えっ。」 ジャクリーヌ 「な、なに言ってんだい。  わ、私はただこの男のやろうと  していることに興味があるだけさ!」 ティン 「うそばっかり。」 ファズ 「ティンいいかげんにしないか。  ジャクリーヌさん  盗賊をやめるというのなら俺はあなたを  歓迎しますよ。  よろしく。」 ティン 「あーぁ、ばばくさいのが  うつんなきゃいいけど。」 ジャクリーヌ 「なんだって!」 ファズ 「ハァ・・・・・。」 ---------- ●首都タス● ファズ 「ただいま戻りました。」 ゼルスタン 「戻って来たか。  まずは顔を上げ立つが良い。」 ゼルスタン 「どうであった、水の神殿は。  水の司祭殿は無事か?」 ファズ 「水の神殿を襲撃したのは、  ヴァレイム軍とは思われない  部隊でした。  そして、その部隊を  指揮していたのは・・・・・  レイマリー・・・・・  レイマリーと名乗る男でした。  レイマリーと  水の司祭レイアさんは  知り合いのようでしたが・・・  何とか退け  水の司祭は無事です。」 ゼルスタン 「どうした、  ファズくん  歯切れが悪いようだが、  何かあったのか?」 ファズ 「い、いえ何でもありません。」 ゼルスタン 「ところで  ファズくん。  水の司祭から  何か聞いていないか。  例えば・・・・・  マーセルヴァ・・・  とか・・・・・。」 ファズ 「イクシア伝説のことを  たっぷり聞かされましたよ。  それなのにリュークって人に、  もっと聞けって  言われました。」 リューク 「そうか、レイアは  そんなことを言ったのか  君のことを  知らんわけでもないのにな、  まったく愛想のない女性だ。  まぁ、その内また  会いに行くといい。」 ファズ 「・・・・・あなたは?」 リューク 「私はリューク。  学者だ。」 ゼルスタン 「イクシア伝説時代の研究、  特にサーナス王伝説の研究の権威で  皆からは賢者リュークと呼ばれている。  また、私の相談役でもある。」 ファズ 「あなたが賢者リューク。  イクシア研究の権威・・・・・。  教えてくださいリュークさん。  最近やたらとイクシアとか  マーセルヴァという言葉を耳にします。  それに絡んで、この大陸が崩壊するとか  何だとか・・・・・  それに・・・・・  俺は一体イクシアの何だと言うんです。  みんながみんな  イクシア、イクシアって・・・・・。」 リューク 「まあ、落ち着きたまえ  ファズくん。  君も少しは知っているのだろう?  マーセルヴァのことは・・・・・。」 ファズ 「少しだけなら・・・・・。  でも精霊が大陸を支えているとか、  マーセルヴァが使われると、  この大陸が崩壊するとか・・・・・。  一体どういうことなんです。」 リューク 「マーセルヴァとは  いわば膨大な精霊の力を蓄える器だ。  コインの大きなものと考えるといい。」 ファズ 「レイアさんもそういってました。  マーセルヴァが  膨大な精霊の力を蓄える器だからって  大陸が崩壊するのと  何の関係があるんです。」 リューク 「このマーディアス大陸が  精霊の力で支えられているのは  知っているのだろう?」 ファズ 「シルファトスさんに聞きました。」 リューク 「この蒼き大地、  マーディアス大陸は  まさに今、沈みつつある。  コインフェイムとは、  この大陸を支えている精霊の力が  封じられたマナタイトという鉱物から  その力を解放することで  様々な効力を発揮させる技術だ。  しかし、  一度封じられ解放された精霊の力は  還元することはできない。  そして、  この大陸を支えている精霊の力には  限りがある。  もちろん自然と  新たに生み出される力や  失われる力もあるのだが、  戦争でのコインフェイムの使用によって  そのバランスは崩れ、  消費される精霊の力の方が  はるかに多くなっているのだ。  その結果  わずかずつではあるが、  マーディアス大陸は沈みつつある。  そこに、マーセルヴァクラスに  封じられた精霊の力を解放すれば  恐らく、一気にこの大陸を支えている  精霊の力のバランスは崩れ、  この大陸は崩壊するだろう・・・・・。  しかし、その反面、  マーセルヴァに封じられた  大精霊クラスの力をコントロール  できれば、  精霊の助けを借りなくても、   この大陸を支えることが出来るのだ。  伝説の時代、  それを考え  実行しようとした人物がいた。」 ファズ 「ヴィラ・・・・・ですか。  レイアさんがそういってました。」 リューク 「そう、  マーセルヴァを作ったと  伝えられる人物だ。  知ってはいるだろうが  伝説に少し付け加えるならば、  サーナス王とヴィラの戦いが終わり、  第二期イクシア王国が建国されると  マーディアス大陸に  3つの機関が作られた。  それが、後のナイトウェルド、  ヴァレイム、ジェラルドの三国だ。  ナイトウェルドは  風の塔と雷の塔に封じられた  マーセルヴァの守護、  そして何よりラー・デルーの守護、  ヴァレイムは炎の神殿、  大地の神殿に封じられたマーセルヴァの  ジェラルドは水の神殿と爆炎の神殿の  守護の役目を与えられた。」 ファズ 「確かに知っていますよ。  いや、この大陸に暮らすものなら  誰でも知っているはずです。  サーナス王の英雄話なら。」 リューク 「そうだな、  人間の間に伝わる正史ならな・・・。」 ファズ 「えっ。」 リューク 「いや、こちらのことだ。  分かっておるだろうが、  マーセルヴァとは、この大陸の運命を  左右するほどの力をもったものだ。  そして、マーセルヴァとは  司祭そのものなのだ。  マーセルヴァは魔法儀式によって、  司祭の体の内に封じられている。  司祭は自分の死期を悟ると、  死ぬまえに、  その血を分けたものの中から  次の司祭にふさわしい者を選ぶ。  そして魔法儀式によってマーセルヴァを  自分から次の司祭に移すのだ。  しかし、何らかの理由で・・・・・  例えば、  司祭を継ぐにふさわしい者がいないとか  マーセルヴァは、  一時誕生したときの宝珠の姿を取り  司祭が選んだ人物に託される。  一族の中から、次に司祭にふさわしい  人物が現れるまで・・・・・。  そうやってマーセルヴァは  代々守られてきたのだ。  これは、私の研究というより、  先代の爆炎の司祭が  身をもって教えてくれたことだ。」 ファズ 「しかし、  シルファトスさんは風の司祭なのに、  宝珠の形をしたマーセルヴァを  見せてくれましたが・・・・・。」 リューク 「ふむ・・・・・  風の司祭も何らかの理由で、  魔法儀式を受けていないのかもしれん。  それとも、  司祭の一族ではなく何らかの理由で  マーセルヴァを託された者なのかも  ・・・・・  それとも、  私が知らんことが  他にもあるのか・・・・・。」 ファズ 「確かに伝説の話は分かりました。  マーセルヴァが危険なものであることも  マーセルヴァを使って大陸を存続さえる  ことが、精霊たちの犠牲の上に成り立つ  ことも理解できました。  でも俺に何をしろというんです。  そんなの俺じゃなく  もっとやるべき人がいるでしょう。  そう、例えばゼルスタン王  あなたみたいに人々に対して  責任ある人が・・・・・。」 ゼルスタン 「ことヴァレイムの侵攻に関しては、  私も行動を起こす。  ヴァレイムを倒し、  コインフェイムの使用を止めることに  関しても最大の努力をしよう。  準備も進めてきた。」 ファズ 「だったら問題ないじゃないですか、  ヴァレイムさえ倒せばいい、  及ばずながら俺も協力しますよ。」 リューク 「ヴァレイムの目的は、  この大陸の武力制圧、  そしてその後の支配。  恐らく、マーセルヴァを  欲しているわけではない。  いやもしかしたら、マーセルヴァの  ことすら知らないかもしれない。  なにせ、  マーセルヴァの事を知っているのは、  司祭の一族を含め  ほんのわずかなのだから。  マーセルヴァを欲している人間が  誰なのか、目的は何なのか、  はっきりしたことは分からない。  ただ、ヴァレイムの起こしている戦争、  この戦争を演出し  マーセルヴァを手に入れようとしている  第三者がいることは間違いない。  そして  その第三者のやろうとしていることは、  マーディアス大陸の支配などでなく  伝説にある預言・・・・・  サーナス王伝説最終章、  最終句エルヴィラ預言を  引き起こす事・・・・・。」 ゼルスタン 「・・・・・・・・・・  精霊と人間との契約の3000年の後  古の精霊蘇り、  大いなる災厄をもたらす。  しかし、  私とサーナスの血に連なる  カーシリアスの民現れ  6人の星神とともに  其を討ち滅ぼすであろう・・・・・  か・・・・・。」 リューク 「そう、古の精霊が蘇り、  大いなる災厄をもたらすというのが  精霊の力の解放により、  この大陸が崩壊をするのを指すのか  それとも本当に  何らかの精霊の復活を指すのか  他に何かあるのか・・・・・  それは分からんが、  その第三者は預言にある災厄を  引き起こそうとしているように  思える・・・・・。」 ゼルスタン 「ファズ君、  伝説にある契約の後、  司祭の一族と大精霊達はそれぞれ、  人間側と精霊側の情報交換の役目を負い  それぞれの世界の情報を交換し、  お互い干渉しないよう管理することで、  これまで、この盟約のもと  マーディアス大陸を  平和に保ちつづけていた。  しかし、年月が経つにつれて、  この役割のほとんどが忘れ去られ  ついに、人間は契約違反である  コインフェイムを使って  戦争を引き起こしてしまった。」 リューク 「ファズくん・・・・・  ゼルスタン王は  爆炎の司祭に血を連ねるものだ・・・。  しかし、子供のいなかった前国王と  民の強い要請があったにせよ  司祭一族の掟を破り、人間の政治に、  しかも王として関わることになった。  ゼルスタン王に、先代の爆炎の司祭は  次の司祭に不適として  爆炎の司祭を継がせなかった。  先代の爆炎の司祭はマーセルヴァとなり  司祭は継がせなかったが  それを司祭を継ぐ為の魔法儀式の方法と  ともにゼルスタン王に託した。  伝説の預言にあるイクシアの直系である  カーシリアスの民が現れたら  協力するよう遺言して・・・・・。  私はその場に立会人としていたために  マーセルヴァのことを  詳しく知っているのだ。」 ファズ 「そんなこと言ったって・・・・・。」 ゼルスタン 「ファズくん・・・・・  君は自分の父親のことを  覚えているかね?」 ファズ 「と、突然何なんですか?  父親のことはおろか  母親のことすら覚えてませんよ。  物心ついたときには  レイマリーと一緒だったんです。  ・・・・・そういえば俺、  小さいときのことを  あまり覚えてないな・・・・・。」 リューク 「君の父親の名はイーノルド。  初めて会ったときは、君を懐に抱いて  行商人をやっていたよ。  しかし、行商人とは思えない  気品と知性を漂わせていた。  何より、私の研究していたイクシア人の  特徴を色濃く備えていた。  そして、火をおこす事や、  物を凍らすことのできる  コインのようなものを売っていた・・・  ヴァレイムが戦争を起こす前の話だ。」 ファズ 「父さんを知っているんですか!?  それにコインのようなものって、  まさか!」 リューク 「そう、私も  伝説にあるサーナス王が封じたという  コインフェイム、それだと思ったよ。  今考えると、現在使用されている  コインフェイムよりも  ずっと小さい力だったが・・・。  私はイーノルドに質問するため、  彼を家に呼んだのだ。」 リューク 「私はリュークという者です。  学者をやっています。」 イーノルド 「・・・・・イーノルド  と言います。  行商人をやっております。」 リューク 「失礼ですが、  あなたは  行商人には見えません。  もっと高貴な方では  ないのですか?」 イーノルド 「・・・・・お察しの通り、  私は行商人ではありません。  しかし、あなたの言うような  高貴な者でもありません。  ナイトウェルドの  古都ラー・デルーの近郊、  アルカス半島にある  カーシリアスというところに  生まれたものです。」 リューク 「カーシリアス!  伝説にある  あのカーシリアスですか!」 イーノルド 「そう、  そのカーシリアスです。」 リューク 「カーシリアスは  実在したのですか!」 イーノルド 「えぇ、  しかし里の周りには  魔法の結界が張られ  今まで誰にも知れたことが  ないといいます。  そして、  里には掟があるのです。  カーシリアスで  生を受けたものは、  伝説の預言が起こるまで  カーシリアスを出ては  いけないという。」 リューク 「そのような方が、どうして  外に出て行商人を?」 イーノルド 「この子・・・・・  この子はファズと  いいますが  この子を育てるには  里を離れるしか  ありませんでした。  それに里の人間は、  私とこの子を残して  すべて死んでしまったのです。  ・・・・・疫病が  ・・・・・流行して  ・・・・・・・・・・。  いや・・・・・  もう一人・・・・・。」 リューク 「ところで、  あなたの売っておられる  コインのようなものは  何なのですか。  火をおこしたり、  ものを凍らせたり・・・。」 イーノルド 「あれはカーシリアスの民の持つ  力の一つです。  本来、この力を持ち出すことは  厳禁されているのです。  しかし、この子を育てるために  仕方なく・・・・・。」 リューク 「はっきり申します  イーノルドさん。  私はイクシア伝説時代の研究を  しているのですが、  あれはサーナス王が封じたと  伝えられている  精霊の力を封じる  コインフェイムでは  ないのですか?」 イーノルド 「私には分かりません  ・・・・・。  そしてこの件に関しては、  これ以上お話しすることは  できません。」 リューク 「そうですか・・・・・。」 リューク 「わかりました。  ところでイーノルドさん、  あなたはこれから  どうするのですか?  行商人を続けるのですか?  あの技術は門外不出なの  でしょう。それに子供さんの  為にもよくない。  よろしかったらここで  私の研究の手伝いを  していただけませんか?  ちょうどここには  最近私の養女となった  エレナという娘がいる。  ちょうど  ファズくんと  同じ年頃だ。」 イーノルド 「そうですね・・・・・  ファズの  為なら・・・  よろしくお願いします。」 リューク 「そして、それから私たちは  イクシア時代のことを研究した。  彼はイクシアの研究に非常に  熱心だった。  我々はお互い信頼しあうようになり、  お互いのことを話せるようになった。  そしてイーノルドは  私に打ち明け謝罪した、  君を連れて困窮していたのは  嘘ではなかったが  本当はサーナス王伝説を  研究する為、行商人を装って  私に会いに来たこと、  私の気を引くため  わざとコインフェイムを見せたこと  そして、  それがコインフェイムであることを  知っていたこと、  そして、  契約から3000年がたった今  自分が預言にある  カーシリアスの民であれば  その使命を  果たさなければならない、  そのためにサーナス王伝説を  研究していることを・・・・。  しかし、イーノルドは、  自分の知っているもう一つの  サーナス王伝説についてだけは  話をしなかった。  それを知るのは  まだ早いと言って・・・・・。  そして、その日が訪れた。  ヴァレイムがコインフェイムを用いて  ユゴを侵略した。  初めてイーノルドに会って  1年程が経った頃のことだ  ・・・・・。」 リューク 「・・・・・  ヴァレイムがユゴに  侵攻したな・・・・・。」 イーノルド 「ああ・・・・・。」 イーノルド 「あそこは  爆炎の神殿の  跡地だな・・・。」 リューク 「そうだ・・・・・  ヴァレイムの目的は、  まさかマーセルヴァでは  あるまいな。  それに奴らが使っている  というコインフェイム・・・  情報だけ聞くと  あれは以前お前が見せてくれた  ものと似ているような気が  するのだが・・・・・。」 イーノルド 「・・・・・リューク  君を見込んで話がある  ・・・・・。  ヴァレイムが使ったという  コインフェイム・・・・・  あれは間違いなく、  私が以前見せたものと  同じだ・・・・・。  そして以前、私は里が  疫病によって滅んだと言ったが  実は・・・・・  あれによって滅んだのだ。」 リューク 「・・・・・  そうなのか・・・・・。」 イーノルド 「私は止めなければならない。  コインフェイムは使っては  いけない・・・・・。  でないと預言にある  災厄が起こる・・・・・。」 リューク 「預言にある災厄?  古の精霊蘇り、  大いなる災厄をもたらす。  その災厄のことか?  一体何が起きるというんだ。」 イーノルド 「詳しいことは  私にも分からない。  しかし、私の里、  カーシリアスの言い伝えに  そうある。」 リューク 「言い伝えだろう?」 イーノルド 「そうであっても、  私は行かなければならない。  私も、コインフェイムを  外に持ち出した責任がある。  世話になったなリューク  お前に会えてよかったよ。」 リューク 「ファズは  どうするんだ?」 イーノルド 「できれば、預かってもらいたい  のだが・・・・・。  あの子もカーシリアスの民だ。  私にもしものことが  あったら・・・・・。」 リューク 「・・・・・  分かった・・・・・。」 リューク 「次の日、  イーノルドはいなくなっていた。  そして、君もいなくなっていた・・・。  恐らく、  イーノルドは君を置いては  行けなかったのだと思う・・・・・。  これは予想だが・・・・・  何より無事でよかった。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 リューク 「分かったかねファズ君、  君はカーシリアスの民である  イーノルドの血をついでいる。  君の父親からはその後、  サーナス王伝説について1度  書簡が来たきりで、消息は分からないが  カーシリアスの民としての  役割を果たそうとしてた。  君は父親の意思を  継ぐべきではないのかね。」 ファズ 「急にそんなこと言われても・・・。  俺は父親のことは覚えてないし、  そのイーノルドって人が本当に  俺の父親なのかどうかも・・・・・。」 リューク 「エレナ、ちょっと来なさい。」 エレナ 「ハーイ。  ファズ、元気。」 ファズ 「エ、エレナじゃないか・・・・・。」 リューク 「そのエレナは私の養女で、  イーノルドが君と私の家にいるころ、  君とエレナはよく遊んでいたのだが  覚えてないのか?」 ファズ 「え、ええ、まったく・・・・・。」 リューク 「エレナの方は  よく覚えておるようなのだが・・・・・  エレナの方が1つ年上だからかな、  小さいときの1つは  ずいぶん違うもんだ。」 エレナ 「まったく失礼しちゃうわよ。  私のこと  まるっで覚えてないんですもの。  久しぶりにあったとき、  初対面のふりするのに苦労したわ。  それとも私が  あんまりカワイク成長してたんで  分からなかったのかしら?  どう、思い出した。」 ファズ 「・・・・・・ごめん  やっぱり思い出せない。  エレナのことだけじゃないんだ。  父親も含めて、そのころのことが  まったく思い出せないんだ・・・。」 エレナ 「普通忘れる  こんなにカワイイ幼馴染のこと。」 リューク 「まぁ、まぁ、エレナ  覚えていないものはしょうがない。  ところでファズ君  私も君を捜していたのだが  そのエレナが  ずっと君に会いたがっていて、  ナイトウェルドのバトルヘルパーに  イクシアの人間の特徴が多く見られる  青年がいるという情報を聞くと  確かめるといって出て行ったわけだ。」 エレナ 「な、何言ってるのよお義父さん  わ、私はただ・・・・・・。」 リューク 「何か、子供のころケンカしたときの傷が  ファズ君には  あるらしくてな  そして面影もあるし、  その傷もあったから間違いないと  すぐ報告があったよ。  そこで、私はエレナに  君をここまで連れてくるよう  連絡したんだ。」 エレナ 「ちょうど、ファズが  リューペール騎士団長にジェラルドに  行くよう依頼を受けていたんで  仲間になって、一緒に行こうって  ディソールで待ち伏せしてたの  必ず、立ち寄るって思ったから・・・・  運命の再会って思っていたのに  違う娘のことを思い出しているし  私のことは覚えていないし・・・・・  まったく・・・・・。」 リューク 「そして私も君を見て確信した。  何しろ君は  私の知っているイーノルドと  瓜二つだ。」 ファズ 「そう・・・・・なんですか?」 リューク 「ファズ君  君が、嫌がったところで  君がカーシリアスの民であれば  伝説にある預言は  必ず君を巻き込んでいく  すでに何人かの司祭を  関わりをもっているのが  その証拠だ。」 ゼルスタン 「ファズ君、  いずれ伝説に巻き込まれる宿命なら  立ち向かっていった方が  いいのじゃないか。  そちらの方が対策が立てやすい。」 ファズ 「・・・・・・・・・・  そうですね、分かりました。  でも、戦争が、  この大陸の崩壊を加速させているのなら  まず片付けなければならないのは  ヴァレイムです。  俺は何をすればいいのですか?」 ゼルスタン 「うむ、ヴァレイム討伐の作戦は  明日通達することになっておる。  すまんが、また明日来てくれ。」 ファズ 「分かりました。」 リューク 「ところでファズ君  このエレナは大地の司祭の娘で  魔法儀式を受けて  大地の司祭を継いでいる。」 エレナ 「・・・・・・・・・・。」 ファズ 「エレナが大地の司祭・・・・・。」 リューク 「エレナの父親は大地の司祭だ。  大地の司祭は私の友人だった。  今の大地の司祭は恐らく偽者だ。  彼が何者なのか、なぜ、大地の司祭を  名乗っているのかは分からない。  なにせ、姿かたちはそっくりだし  ヴァレイムの宰相フェルナンデスに  重く用いられているので  うかつなことも言えん。  しかし、彼が本物の大地の司祭であれば  エレナに大地の司祭を  継がせる必要もないし  なにより、私のところに  大地の司祭となったエレナを  養女にしてくれと  連れてくる必要もない。  その時、私は何も聞かなかったが、  恐らく身の危険を感じて、  急いで魔法儀式を済ませ  私のところに連れてきたのだと思う。  もしかすると他に  意図があるのかもしれないが・・・。」 ファズ 「・・・・・・・・・・。」 リューク 「大地の司祭のことも  今回のことに関わりがあると思うのだ。  それに伝説の預言にも  災厄を防ぐには星神、  すなわち司祭の力が必要だとある。  エレナの力が  役に立つときがきっとある。」 ファズ 「俺にどうしろと・・・・・。」 リューク 「エレナのことをよろしく頼む。」 ゼルスタン 「ファズくん。  いよいよ我々ジェラルド軍は、  ヴァレイム軍に対し  攻勢に出ることにする。  我々主力部隊は本隊として、  ジェラルドの念願である  ユゴの奪回を果たし、  その後ヴァレイム北西部の  拠点を制圧しつつ進軍する。  クレール山脈のふもとあたりで  ナイトウェルド軍と合流、  一気に  ヴァレイムの首都ラエタの  制圧を果たすつもりだ。」 ファズ 「ヴァレイム南部の抑えは  どうするのです。  ヴァレイム南部を抑えないと、  また、水の神殿方向から、  このタスが  襲われかねません。」 ゼルスタン 「そこで君に頼みがあるのだ。  君は一軍を率いて  ヴァレイム南部を  抑えてほしい。  ヴァレイム南部はもともと  自治権を与えられていた  地域なのだが、  ヴァレイムが軍事侵攻を  開始したときに  強制的に統合されたのだ。  そのカムデル砂漠あたりに住む  ツチ族と呼ばれる  少数民族たちは特に、  ヴァレイムのことをよく思って  おらず、今でもヴァレイムに  抵抗しているそうだ。  彼らの力を借り、  カムデル砂漠近辺を  解放することが出来れば、  ヴァレイム南部を  抑えることは出来よう。」 ファズ 「分かりました。  そういうことであれば。」 ゼルスタン 「そして、君たちは  カムデル砂漠近辺を解放後、  ソンティー台地方面に進軍、  ソンティー台地奪取後、  我々本隊と  ナイトウェルド連合軍と  タイミングを合わせ  ヴァレイムの首都ラエタを  一気に挟撃する。  以上が今回の作戦だ。」 リューク 「ファズくん。  カムデル砂漠の奥地、  砂嵐で隠された地域には  炎の神殿が今でも  存在すると言われている。  恐らく、  預言にある災厄を  引き起こそうとしている人物は  今回の我々本隊の行動による  ヴァレイム軍の動きに隠れて、  炎の神殿に対し何らかの行動を  起こすに違いない。  我々本隊の北方への進軍には、  ヴァレイム本隊と  その人物の勢力を二分し、  その人物の存在と目的を  明らかにするといった  意味合いもある。  君達にはその人物の企みを、  未然に防いでもらいたい。」 ファズ (炎の神殿・・・・・  また、  レイマリーと戦うことに  なるかも・・・・・。) ゼルスタン 「どうした  ファズくん?」 ファズ 「いえ、なんでもありません。」 ゼルスタン 「そしてもう一つ、  もし、  我々本隊が全滅するような  ことがあっても、  その人物の目的が  預言にある災厄を  引き起こすことならば、  我々のことは気にせず、  その人物と目的を白日の下に  晒してもらいたい。  そうすれば、  ヴァレイムの人々も  気付くはずだ。  本当に倒すべきなのは  誰なのか。  そう、国同士で  争っている場合などではない  ということに。」 ファズ 「分かりました。  任せてください。  まあ、王達が  そんな簡単にやられるとは  思いませんけどね。」 ゼルスタン 「当たり前だ。」  →Chapter 4へ ----------