Chapter 2  誰がために ---------- ●ディソールの町● ファズ 「レイマリー・・・・・  ティン・・・・・。」 エレナ 「こんなところで  何しているの?」 ファズ 「!!  ティン!!」 エレナ 「きゃっ!  何なのよもう。」 ファズ 「あっ、す、すまない。」 エレナ 「ねぇ誰なのティンって、恋人?」 ファズ 「いや、  そんなんじゃ・・・・・。」 エレナ 「隠さなくたっていいのに。」 ファズ 「あんたには関係ないだろ!」 エレナ 「いなくなっちゃったの?  その人・・・・・。」 ファズ 「・・・・・  ティンはここに住んでいたんだ。  それを俺がいない間にヴァレイムが  攻めてきて・・・・  くそっ!」 エレナ 「じゃあ、死んだと決まった訳じゃ  ないんでしょ?」 ファズ 「当たり前だろ、  必ず俺が探し出す。」 エレナ 「ふぅん。」 ファズ 「な、なんだよ。」 エレナ 「それじゃ私がその間、  その娘の代わりになってあげようか?」 ファズ 「な、何言ってんだよ!」 エレナ 「・・・・・・。  冗談よ、冗談。」 ファズ 「まったく。」 エレナ 「ところであなた  バトルヘルパーでしょ。」 ファズ 「あ、あぁ。」 エレナ 「私の依頼  受けてくれないかなぁ。」 ファズ 「依頼?」 エレナ 「そう。  私のボディーガード。」 ファズ 「ボディーガード?」 ★選択肢  「悪いが他をあたってくれ。」 →「いくら出す。」 ファズ 「俺たちはバトルヘルパーだからな、  報酬のない仕事は受けない。  それに俺たちはある依頼を遂行中だ、  あんたが行きたいところに  ついていくわけにはいかないよ。」 エレナ 「とりあえずあなたたちに  ついて行くからいいわよ。  ほ、報酬は仕事が終わったあとで、  ね。」 ファズ 「いつまでボディーガードを  すればいいんだ。」 エレナ 「わ、分かったわよこれが私の全財産。」 ファズ 「ひゃ、100Gだ〜。」 エレナ 「それで文句ないでしょ。  それにバトルヘルパーは依頼者のプライ  ベートな詳しい情報は聞かない!」 ファズ 「しょうがないなぁ。  わかった、だけど俺たちの手伝いもして  もらうからな。料理とか洗濯とか。」 エレナ 「わ、わかったわよ!」 ファズ 「フッ、ハハハハ。」 エレナ 「フフフ・・・・・  ありがとう。  一応お礼は言っておくわ。  私はエレナ。よろしくね。  あなたは?」 ファズ 「ファズだ。  こちらこそよろしく。」 ---------- ●サヴァ水路の戦い● バトルヘルパーA 「お頭!  ナイトウェルドの  バトルヘルパーらしき一隊が  クレール山脈を越えて  こちらに向かってきてますが  どうしやしょう。」 ブランスコ 「ナイトウェルドの  バトルヘルパーだって!  ふぅむ、面倒だなぁ。  サジリの旦那には  ここは誰も通すなって  言われてるしなぁ。」 バトルヘルパーB 「お頭、心配は無用ですぜ。  このサヴァ水路は  迷路のようになっている。  奴らを分断して、  各個撃破すれば  問題ありませんぜ。」 ブランスコ 「ふむ、  そうだな、  よし各自持ち場につけ!」 ---------- ●サヴァ水路の戦い後● (明日はいよいよ  カームウェルの町か・・・・・  このサヴァ水路なんかと  違って、本物のヴァレイム兵が  いるんだろうな・・・・  それに・・・・・  町には普通の人たちが生活しているんだ。  俺たちが攻め込むことで  カームウェルの人たちに  被害が及ぶんじゃ・・・・・。  俺に・・・・・  戦うことができるのか  ・・・・・。  ・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・ふぅ  レイマリーやティンは  どうしているんだろう  ・・・・・。) エレナ 「こんなところでどうしたの?」 ファズ 「だ、誰だ!」 エレナ 「きゃ! なんなのよもう。」 ファズ 「なんだ、またあんたか。」 エレナ 「またあんたか、  はないでしょう。」 エレナ 「またティンって娘のことを  思い出していたんでしょう。」 ★選択肢  「そんなんじゃないよ。」 →「あぁ、思い出していた。」 エレナ 「やっぱり私じゃ  その娘の代わりに  なれないかな・・・・・。」 ファズ 「あんた、  あの時冗談だって言ったろ?  それに、あんたは  ティンじゃないだろ。」 エレナ 「そ、そうよね。  私なんかじゃ、  その娘の代わりになんか  なれないよね。  それに私には  エレナって名前があるのよ。  あんたじゃないわ。  はは、何言ってんだろ、  私って馬鹿みたい。  そういえば、あんた  私のことほったらかしで  ちっともボディーガードの役目  果たしてないようだし、  これって  契約違反じゃないの。」 ファズ 「別にティンのことだけを  考えていたんじゃないよ。  それに・・・・・  本当に危なくなったら、  必ず守ってみせるさ。  もう仲間を失うのは  まっぴらだ・・・・・。」 ファズ 「なぁ、エレナ・・・・・  俺はこれからのことを  考えていたんだ・・・・・  次はいよいよ  カームウェルの町だ、  本物のヴァレイム軍と  戦うことになるだろう。  いや、ヴァレイム軍と  戦うことはいいんだ・・・・・  カームウェルの人たちを  傷つけたりすることに  ならないだろうか。  カームウェルが元々  ナイトウェルド領だった  とはいえずいぶん昔の話だ。  カームウェルの人たちにとって  俺たちは  ディソールを襲撃した軍隊と  同じではないんだろうか?」 エレナ 「大丈夫よファズ。  ヴァレイムは  フェルナンデスが実権を  握ってからと言うもの  ヴァレイムの一般民衆は  重税と苛酷な労働を  強いられていると聞くわ。  各町に派遣されている  ヴァレイム兵も  町の防衛と言うより  人々が重税と過酷な労働から  逃げ出さないように  派遣されているの。  特にカームウェルのように  接収した土地の人々には  過酷なの。」 ファズ 「そうか・・・・・  よく知っているんだな  ・・・・・。」 エレナ 「そ、それは、ほら、  私ずっと旅を続けていたから  ・・・・・・。  ・・・・・  大丈夫よファズ。  私たちは普通の人たちを  傷つける意志は  ないんですもの。  カームウェルの人たちは  私たちのこと  分かってくれるわ。」 ファズ 「そうか、そうだよな。」 ファズ 「ありがとうエレナ。  おかげで吹っ切れたよ。」 ---------- ●ヴァレイム領 カームウェルの町● リーナス 「サジリ様、報告します。  クレール山脈、サヴァ水路で  戦闘があった模様です。」 サジリ 「ふむ、  何者かが密かに侵入してきて  おるのかもしれんな。  しかし、所詮はバトルヘルパー  あたりの喧嘩の類だろう。  たいしたことはあるまい。  かといって、前にやられた  バトルヘルパーだったりしたら  やばいし・・・・・。」 サジリ (それに間の悪いことに  アルヴィーンの野郎が  ここに来ていやがる。  失態はみせられんが  ・・・・・。) リーナス 「いかが致しましょう。」 コズルーイ 「サジリ様、もし何者かが  侵入していたとして、  それが正規の兵であっても、  たいした数でもありますまい。  そのような者達に、  フェルナンデス公から拝領した  兵士をまた傷つけられては  大変なことになります。  それに、もし何事でもなかった  場合、軍を出したとあれば  大恥です。」 サジリ 「分かっている。  何かよい知恵はないか?」 コズルーイ 「私に名案がございます。」 サジリ 「ほう、言ってみろ。」 コズルーイ 「カームウェルの民衆を  使うのですよ。  税金の払いの悪い者や  労働できない者を集めて  税金の払いや労働を  免除する代わりに  徴兵するのですよ。  年寄りだろうが、  女子供だろうが、  病人だろうが。」 サジリ 「年寄りや病人なんて、  役に立たんだろうが。」 コズルーイ 「なあに、  盾くらいにはなりますよ。  もし何かあっても、  敵は少数です。  城門で足止めすれば、  事足ります。  その間の時間稼ぎを  してもらえばいいのですよ。  それに、徴兵する者達は、  税金も払えず、労働もできない  何も生み出さないお荷物です。  これで厄介払いもできれば、  一石二鳥かと・・・・・。」 サジリ 「ふむ、  よし、徴兵を実行せよ!」 ---------- ●カームウェルの町● アルヴィーン (アウスでレイマリーという者の  名前を聞いて  気になってここまで  来たのだが・・・・・。) アルヴィーン (確かに、  奴の身柄はラエタに送られ、  牢に入れられていた  ・・・・・。) アルヴィーン (しかし・・・・・。  その後、牢から出ている。  しかも最高機密となっており  どこからの指示系統なのかも  どこに連れて行かれたのかも  不明だ・・・・・。) アルヴィーン (ただ、気になるのが  レイマリーが  牢からいなくなるのを境に  ブラックソーンも姿を  消していることだ・・・・・。  奴に何か関係があるのか  ・・・・・。) アルヴィーン (噂を頼りにここまでは  来てみたのだが・・・・・。) アルヴィーン (ん、なんだか外が  騒がしいぞ・・・・・。) サジリ 「お前たちは、今日から栄光ある  ヴァレイム軍の兵士だ。  光栄に思うがよい。」 町の人1 「サジリ様、勘弁して下さい。  私たちは兵隊なんかには  なれません。」 町の人2 「そうです、私たちは剣を  持ったこともありません。」 サジリ 「うるさい!  つべこべ言うなら今すぐ、  納めるものを納めろ!  口答えはそれからだっ!」 町の人1 「そんな・・・・・  あんまりだ・・・・・。」 サジリ 「何を言っておる。  この町の近くに、  ならず者の集団がやってきて  いるとの情報がある。  お前たちが戦うのは、  この町を、お前たちの家族を  守るためなんだぞ。」 アルヴィーン 「ばかなことを言うな。」 サジリ 「ア、アルヴィーン様!」 アルヴィーン 「兵が民を守らずして、  民に兵を守らすとは  何のための兵士か!」 サジリ 「い、いや  たかだかならず者に対して  フェルナンデス公より拝領の  兵士を使うまでもないかと  思いまして。」 アルヴィーン 「それならば、  貴公ら二人で  そのならず者とやらを  討ち取ればよかろう。」 サジリ 「そ、それはまぁ  そうなのですが・・・・・。」 アルヴィーン 「いずれにしてもこのことは  中央に報告せねばなるまい。」 サジリ 「く、くそー  没落したカムフォート家の  小倅の分際で・・・・・。」 ファズ 「待て!」 コズルーイ 「あっ!」 サジリ 「お、おまえはっ!」 アルヴィーン 「!  ファズ!  なるほど、ならず者とは  お前たちだったのか。」 ファズ 「アルヴィーン!  町の人を  傷つけたくはない!  勝負は預ける。  カームウェルの町の皆さん、  我々はあなた方を  傷つける意思はありません。  早く安全な場所に  非難してください。」 アルヴィーン 「早くしろ、ここから逃げて  安全な場所に隠れるんだ!」 サジリ 「くそー  こうなったら、  貴様らまとめて  あの世に送ってやる。」 サジリ 「やってしまえ!」 ---------- ●カームウェルの町の戦い後● サジリ 「ひぃぃぃぃぃー  命ばかりは助けてください  お願いしますー。」 アルヴィーン 「貴様らなど斬るにも値しない。  どことでも失せろ。」 サジリ 「ありがとうございますー。」 アルヴィーン 「恥ずかしいところを  見せてしまったな。  恥をさらすようだが  今のヴァレイムの多くは  あんなものだ。  それじゃあな。」 ファズ 「待て、アルヴィーン。」 ファズ 「俺たちがどこに  行こうとしてるのか、  何をしようとしているのか、  聞かないのか。」 アルヴィーン 「今は貴様が何をしようと  しているかに興味はない。  それに俺は、  ここでならず者が暴れて  ヴァレイム軍が敗走したことを  報告することが先決だ。」 ファズ 「・・・・・。」 アルヴィーン 「ファズ・・・・・。  レイマリーという男は  生きている。  俺はその男がユゴ砦に向かった  という情報を得て  ここまで来た。」 ファズ 「なんだって・・・・・  何故お前がレイマリーを。」 アルヴィーン 「俺が気になっているのは、  その男が姿を消したのと  同時に姿を消している、  ブラックソーンという男だ。」 ファズ 「ブラックソーン・・・・・。」 アルヴィーン 「ヴァレイムに  古くからいる者でも  その素性を知らん・・・・・  フェルナンデス公が  台頭したのにあわせて現れた  漆黒の鎧に身を包んだ  死神のように  恐れられている男だ。」 ファズ 「漆黒の鎧に身を包んだ  男だって!」 (そいつがディソールを  ・・・・・。) アルヴィーン 「ファズ、  ブラックソーンには  気をつけろ。  ・・・・・・・・・・。」 アルヴィーン 「・・・・・・・・・・。  それに、  お前を倒すのはこの俺だ、  次に会うときを  楽しみにしている。」 ファズ 「アルヴィーン・・・・・。」 ファズ 「借りは返したというわけか  ・・・・・。」 ---------- ●ユゴ砦● ヴァレイム兵1 「おい、知ってるか。」 ヴァレイム兵2 「ナイトウェルド軍に雇われた  腕利きのバトルヘルパーが、  カームウェルの町を解放して  このユゴ砦に  向かっているらしいぞ。」 ヴァレイム兵1 「ああ、そんな噂だな。  でもこのユゴ砦がそう簡単に  落ちるはずはないさ。」 ヴァレイム兵2 「この間は、  ブラックソーン将軍が  妙な娘を連れてくるし。」 ヴァレイム兵1 「なんでもここは  イクシアの伝説時代、  何とかって神殿で  その娘を使って何かやる  予定だって聞いているぜ。」 ヴァレイム兵2 「ここも忙しくなってくるな。  こんな辺境の地  だっていうのに。」 ヴァレイム兵1 「止まれ!」 ヴァレイム兵2 「何者だ!」 レイマリー 「ブラックソーン将軍の  連れてきた娘に会いに来た。」 ヴァレイム兵1 「これは失礼しました。」 ヴァレイム兵2 「どうぞお通り下さい。」 ---------- ●ユゴ砦内部● ティン 「ファズ・・・・・  無事なの・・・・・  私が、必ず戻って来てって  言ったから・・・・・  ディソールに戻った  ・・・・・?  ・・・・・・・・・・  まさか・・・・・  そこであの男に・・・・・。」 ティン 「ううん・・・・・  そんなことないよね・・・・・  ファズに限って。」 ティン 「誰。」 ??? 「そこで止まれ。」 ティン 「!!!!!」 ??? 「今この砦に、  ナイトウェルドの  バトルヘルパーが  向かってきている。  もうすぐこの砦は戦場になる。  ここの監視も  手薄になるだろう。  お前はその隙を見て逃げろ。」 ティン 「あなた、誰なの?  でも聞き覚えのある声  ・・・・・  !!!!!  あなたレイマリー?  レイマリーでしょう!  今そっちに行くから。」 ??? 「動くな!  俺が誰であろうと  どうでもいいことだ。  それより、  ここはジェラルドとの国境だ。  戦闘が始まったら  国境付近が手薄になる。  隙を見てジェラルドへ  逃げるんだ、  いいな。」 ティン 「レイマリー、  どうしてファズと  一緒じゃないの?  ナイトウェルドの  バトルヘルパーって  ファズやあなたの  ことじゃないの。」 ??? 「そんなことはどうでもいい。  いいか、必ず  ジェラルドの方へ逃げるんだ、  いいな。」 ティン 「まって、レイマリー!」 ヴァレイム兵1 「おい、  ナイトウェルドの  バトルヘルパーが  攻めてきたぞ。」 ヴァレイム兵2 「戦いの準備だ。」 ヴァレイム兵3 「持ち場につけー。」 ヴァレイム兵4 「門前を堅めろー。」 ティン 「・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・  ファズが・・・・・  来てるかもしれない。」 ---------- ●ユゴ砦の戦い(ティン救出ルート)● トライロア 「お前ら!  カームウェルの町を蹂躙し、  このユゴ砦に何をしに来た。  お前らのやっていることは  侵略だぞ!」 ファズ 「何を言ってるんだ。  もともとカームウェルは  ナイトウェルド領、  俺たちはカームウェルを  解放しただけだ。」 エレナ 「そうよ!  それに私たちは  カームウェルで  人々が重税や過酷な労働に  苦しんでいるのを  見てきたわ!  カームウェルの人たちは  私たちのことを  喜んで受け入れてくれた。  あなたたちこそヴァレイムの、  いえフェルナンデスの  やっていることが  おかしいとは思わないの?」 トライロア 「言わせておけば  この侵略者め。」 ヴァレイム兵 「脱走だー。」 ファズ 「ティ、ティン。」 ティン 「ファズ!  やっぱり  ファズだ。」 トライロア 「ちぃ、あの娘  ブラックソーン様が  連れてきた娘か。  こんなときに・・・・・。」 ファズ 「なにしているんだティン  そこは危ない、  すぐに助けに行くから  無理するんじゃないぞ。」 ティン 「わかった。  せっかく会えたんだもん、  わたしがんばる!」 ファズ 「エレナ、あれがティンだ  助けるのに手を貸してくれ。」 エレナ 「・・・・・・・・・・  分かったわ。」 トライロア 「ええぃ、構わん。  まとめて倒してしまえ。」 ---------- ●ユゴ砦の戦い後(ティン救出ルート)● ファズ 「ティン・・・・・  無事だったんだな  ・・・・・。」 ティン 「ファズ・・・・・・  ・・・・・ぐすっ  ファズ!  私にまず何か言うこと  あるでしょ。」 ファズ 「えっ・・・・・  そんなの何かあったっけ。」 ティン 「忘れたの!  ディソールで  約束してたでしょ。」 ファズ 「ああ、そうか。  帰ったよティン。  ・・・・・ただいま。」 ティン 「・・・・・  お帰りファズ!」 エレナ 「コホン  あの・・・・・  私がいること、忘れないで  欲しいんですけど。」 ティン 「ファズ・・・・・  だぁれ、この人・・・・・。」 エレナ 「わ、私はエレナ。  あなたの代わりを  やっていたの。」 ティン 「私の代わり、ですって。」 ティン 「ファズ、  どういうことなの!」 ファズ 「い、いや、  俺は頼まれてボディーガードを  やってただけだよ。  それに、俺は捜していたんだ、  その、ティンと・・・・・  レイマリーを・・・・・  その途中で・・・。」 ティン 「レイマリー・・・・・  そうだ、レイマリーは?  レイマリーは一緒じゃないの  ファズ?」 ファズ 「レイマリーは・・・・・  行方不明だ・・・・・。  だけど、  このあたりで長髪の槍使いを  見たって聞いて。」 ティン 「ファズ、  私を助けてくれたの、  多分レイマリーだよ。」 ファズ 「本当か!」 ティン 「いたい、  いたいよファズ。」 ファズ 「あっ  ごめん・・・・・。」 ティン 「顔は見てないけど  ・・・・・  あの声は確かに  レイマリーだった。  私が捕まってた  部屋の鍵を開けてくれた後、  ジェラルドに逃げろって  いってた。」 ファズ 「ジェラルドか・・・・・。  俺たちの目的地も  ジェラルド・・・・・。」 ファズ 「ティン。  俺たちはこれからジェラルドへ向かう。  ジェラルドへ行くのは、  ナイトウェルドからの  依頼でもあるんだ。  それに、ヴァレイムを倒さなければ  ナイトウェルドに平和は戻らない。  ディソールのような悲劇を  繰り返してはいけないんだ。  俺はそのために戦おうと思っている。  分かるだろ、ティン。」 ティン 「そう。  ねぇファズ、  私も一緒に行くからね。」 ファズ 「だめだよティン。  ジェラルドへ行くったって、  何の知らせもなしに行くんだ。  バトルヘルパーが  これだけの人数で行くんだ、  戦いにもなりかねない。  今なら、カームウェルの町から、  ナイトウェルドに帰れる。  ナイトウェルドに帰ったほうがいい。」 ティン 「そんなのいやよ!  第一そこの人は護れて、  私は護れないって言うの!  それに私だって戦えるのは  さっき見たでしょう。」 ファズ 「ティン、わがままいわないでくれ。  このエレナは、普通じゃないんだ、  ボディガードの必要なんて  ほとんどないし。  お嬢様育ちのティンに、  戦いは無理だよ。」 エレナ 「ちょっ、ちょっと何言ってんのよ。  普通じゃないって、人を怪物みたいに。  私だってか弱い女の子よ!」 ティン 「あなたはちょっと黙っててよ!  ねぇ、ファズ  私はもうこんな思いするのいやなの  ファズと  離れ離れになって・・・・・  会えなくなって・・・・・  心配することしか出来ないのは  ・・・・・  だから、  これからはどんなことがあっても  一緒にいたいの。」 ファズ 「ティン・・・・・。」 ★選択肢  「やっぱりだめだ。」 →「分かったよ・・・・・。」 ファズ 「確かに、ナイトウェルドまで無事に  たどり着けるかも心配だし、  今度みたいなことがまたあったら  俺は後悔してもしきれないしな。  それに本当は  俺もティンと一緒にいたいんだ。」 ティン 「本当?」 ファズ 「あぁ、もちろんさ。  ティンのことは必ず護ってみせるよ。」 ティン 「ありがとう、ファズ。」 エレナ 「私のボディーガードも忘れないで  欲しいんだけど・・・・・。」 ティン 「エレナさん、でしたよね。  私も一緒に行くことになりました。  よろしくね。」 エレナ 「え、えぇ。」 ---------- ●クウェルドの町● ジェラルド兵 「まて、何者だ、  ヴァレイム軍のものか!  ここはジェラルド領内、  侵入は許さん!」 ファズ 「まってくれ、  怪しいものではない  我々はナイトウェルドから  使者として  やってきたものだ。」 ジェラルド兵 「以前も、ヴァレイム軍は  そういって侵入し  我々の領土を奪い取った。  信じられるものか!」 ファズ 「待ってくれ!  信じてくれ!  ここに、  ナイトウェルド国王からの  書簡もある!」 ジェラルド兵 「ふん!  信じられるものか、  皆、こいつらをジェラルド領内  に入れてはならん。  やってしまえ!」 ファズ 「くっ!  戦うしかないのか!」 ---------- ●クウェルドの町の戦い後● ファズ 「くそっ、こんなつもりじゃ  なかったのに・・・・・。  これじゃ  ヴァレイムと同じじゃないか。」 ファズ 「どうする・・・・・。」 ★選択肢  「急いで進行する。」 →「軍を止め、使者を送る。」 ファズ 「俺たちはヴァレイムとは違う。  無用な血は流したくない。  まずはゼルスタン王のところに  使者を送り、クウェルドの町の  ことを謝罪し謁見を願おう。」 ファズ 「メロス!」 ファズ 「すまないが、  ジェラルドの首都タスにいる  ゼルスタン王に、  俺が、クウェルドの件を  謝罪するため、  謁見を願っていることを  伝えてくれないか。」 ファズ 「そして、この書簡を必ず  ゼルスタン王に渡してくれ。  頼んだぞ。」 メロス 「ただいま戻りました。  ファズさん。」 ファズ 「ご苦労だった。  それでどうだった?」 メロス 「ゼルスタン王の使者を  お連れしました。  お話はその方から  お聞きください。」 ゴットン 「初めてお目にかかります。  私はゴットン  ゼルスタン王の  使者として参りました。」 ファズ 「ナイトウェルドから来た  ファズです。  あなた方の同志を  傷つけてしまい  申し訳ありませんでした。  この度のこと、  ゼルスタン王にはお許し  いただけたのでしょうか?」 ゴットン 「ゼルスタン王は  大変剛気なおかた。  双方に誤解があったのだろうと  寛大なお心遣いでした。  また、傷ついた兵士たちにも  十分な休養と報酬をお与えにな  るとのことで何も気にすること  はないということでした。」 ファズ 「寛大なお心遣い  感謝いたします。  ところで、  謁見については  いかがだったのでしょう?」 ゴットン 「それについては  現在ジェラルド領、  水の神殿付近に所属不明の  部隊が出現しておりまして、  その部隊を率いているのが、  かなり腕の立つ槍使いらしく  首都の近辺に現れた場合も考え  わが王は、  容易に首都を空けることが  できぬとのこと、  お手数ですが、タスにある  王城までご足労願いたい  と申されておいでです。」 ファズ (槍使い・・・・・まさかな。) 「・・・・・・・・・・  はっ、わかりました。  それでは準備を整えて  タスに向かいます。」 ゴットン 「準備といえば  ファズさん。  ここジェラルドは良質な鉱物が  産出されることで有名です。  町で売られているものは  どれも質の高い武器や防具  ばかりです。」 ファズ 「噂には聞いています。」 ゴットン 「なかでも  このクウェルドの近くにある  ヘパイトスの塔に住んでいる  クロマという  女鍛冶屋の作る武器は  絶品だといわれています。  しかしこれは噂で、  最近ではクロマにあった  という話すら聞きません。  それにクロマは、  自分が本当に認めたものにしか  武器は作らないとも聞きます。  そんなわけで  ヘパイトスの塔は  現在、  クロマの作った武器を  手に入れようという強者達の  腕試しの場となっています。  腕に覚えがおわりなら  挑戦されてもよいかも  しれませんね。」 ファズ 「女鍛冶屋のクロマ。」 ゴットン 「それから、  我々ジェラルドの兵は、  あなた方をタスまで  お通ししますが  この辺には、たちの悪い  盗賊団がよく出没しますので  道中ご注意ください。  では、私はこれで。」  →Chapter 3_2へ ----------