Chapter 1  始まりは突然に、運命はゆるやかに ---------- ●セイタンの丘● サジリ 「うーむ、壮観な眺めだ。」 コズルーイ 「そうですな、サジリ様。」 サジリ 「さすがフェルナンデス様から  拝領した兵  この一隊さえあれば  アウスさえ落とせそうだ。」 コズルーイ 「まったく、まったくです。」 サジリ 「風の塔攻略は  俺たちが一番乗りだ。  ここで手柄を立てれば  アウス攻略も俺が  仰せつかるだろう。  そうなったときの  アルヴィーンの野郎の顔が  見物だぜ。  いつも俺を見下しやがって。」 コズルーイ 「あ、危ないじゃないですか  サジリ様。」 サジリ 「あっ  すまん、すまん。  そのうち  アルヴィーンの野郎を  こうしてやろうと思ってな。  フヒャヒャヒャハ。」 コズルーイ 「そうですな。  ウヒョヒョヒョヒョヒョ。」 ヴァレイム兵 「報告します。  ナイトウェルドの  バトルヘルパーと思われる  一隊が  こちらに向かってきます。」 サジリ 「バトルヘルパーだぁ。  そんなもので、  フェルナンデス様から拝領した  この隊を  倒せるとでも思ってるのか。  まあいい準備運動だ、  かるーくひねってやる。  各自、迎え撃つ準備をしろ。」 ---------- ●セイタンの丘の戦い後● サジリ 「くっ、  フェルナンデス様からの  拝領の兵が・・・・・。」 コズルーイ 「サ、サジリ様  そんなことより  何とかしないと。」 サジリ 「わ、わかっとるわい。」 ファズ 「まだ、やる気か!」 サジリ 「へへー  めっそうもございません。  私どもは  もう戦う気はありません。  そもそもこれは  アルヴィーンと申される方の  命令でやったことで  私たちがやりたくて  やったわけではございません。  なにとぞ、命ばかりはー。」 コズルーイ 「お助けをー。」 レイマリー 「行こうファズ。  俺達の受けた依頼は  風の塔の防御だ。  こんな奴らは放っておこう。  どうせ何もできやしない。」 ファズ 「だけど・・・・・。」 サジリ 「命ばかりはー。」 レイマリー 「さっさとどこへでも  行ってしまえ。  ただし、次に俺達の前に  姿を現したら命はないと  思えよ・・・・・。」 サジリ 「へへー。」 レイマリー 「行け。」 サジリ 「おぼえてろよー。」 コズルーイ 「サ、サジリ様  自分だけずるいですよー。」 声 「ヴァレイム軍は  風の塔に向かったか。」 ブラックソーン 「・・・・・・。」 声 「風の塔には、風の司祭がいる。  風の塔に派遣されたあの貧弱な  軍ではそう簡単には落とせまい  ・・・・・。」 ブラックソーン 「・・・・・・。」 声 「そこで、フェルナンデスの奴を  助けてやろうと思う。  奴の狙いは、  あくまでナイトウェルドの  首都アウス。  が、私としては風の塔も手に  入れてもらわねばこまるのだ。  あそこにはアレがあるかも  しれんのでな・・・・・。」 ブラックソーン 「・・・・・・。」 声 「そこでお前にひと働きして  もらいたい。  あくまで、ヴァレイムの将軍  ブラックソーンとしてな  ・・・・・。」 ---------- ●風の塔● ヴァレイム兵 「我々はヴァレイム軍だ!  フェルナンデス公の命により  この風の塔を調査する。  早々にここを  空け渡してもらおう。  もし、抵抗するようで  あれば容赦はしない。」 シルファトス 「おやおや  穏やかではありませんね。  しかし、私も風の司祭として  この塔を守護する身。  簡単に空け渡すわけには  いきませんね。」 ヴァレイム兵 「言わせておけば・・・・・。  相手は一人だ、  一気にやってしまえ。」 ファズ 「まて!」 ファズ 「俺たちが相手だ!」 ---------- ●風の塔の戦い後● シルファトス 「ありがとうございます。  おかげで助かりましたよ。  私の名はシルファトス。  この風の塔で司祭をしています。」 ファズ 「俺はファズ。  とんでもない。  俺たちの助けなんて必要なかったですね  でも、奴らの狙いは何なのでしょう?  こんな何もない古ぼけた・・・・・・  あっいや  人里離れた由緒ある塔に。」 シルファトス 「・・・・・  たしかに、このような辺ぴな場所に  一体なにがあるのか・・・・・  残念ながら  私には、皆目見当もつきませんね。」 レイマリー 「・・・・  たしかこの塔は  イクシア時代の遺跡のはずだが。」 シルファトス 「・・・・・そうでした。  最近ヴァレイムは、風の塔のような  イクシア時代の遺跡に軍を派遣して  何かの調査を行っているようですね。」 ファズ 「イクシアの遺跡・・・・・。  風の塔に  何かあるというのでしょうか?」 シルファトス 「さて・・・・。  イクシアの遺跡からはよくコインの力  を高める刻印がみつかると聞きますが  ・・・・・  この辺りでは見つかっていませんし。」 ファズ 「ということは・・・、  この塔には奴らだけが知る  秘密があるのかもしれない!  シルファトスさん  何か心当たりはありませんか。」 レイマリー 「・・・よせ。  依頼は果たしたはずだ。  深入りしすぎるのはお前の悪い癖だぞ。  ・・・・たしかに  何かウラがありそうだが、  関わっても面倒が増えるだけだ。」 ファズ 「・・・でもレイマリー  ・・・・・・・・・・・・  ・・・・・わかったよ。」 シルファトス 「とりあえず  皆さんお疲れでしょう。  今日はこの風の塔で  ゆっくりしていくとよいでしょう。」 シルファトス 「お二人とも  悪い知らせです・・・・・。」 ファズ 「どうしたんです。」 シルファトス 「ディソールの町が、  ヴァレイム軍に襲撃されたと  知らせが入りました。」 ファズ 「ちくしょう!  ヴァレイムの奴らめ!  よくもディソールを!」 レイマリー 「落ち着けファズ!  ヴァレイムの侵攻の目標は  ラー・デルーと  この風の塔だけだったはずだ!  奴らはジェラルドとの国境にも  兵を送っていて、ディソールを  襲撃できるような兵力はないはずだ!  この知らせは何かおかしい。」 ファズ 「それがどうしたっていうんだ!  罠だとしても俺は行くぞ!」 ---------- ●ディソールの町● アルヴィーン 「一夜で町一つを廃墟に  してしまうとは・・・・・。  しかも、  女、子供までも容赦なく・・・  血も涙もないというやつか。  いや・・  連れ去られた  娘が一人いたな・・・。  しかし、今回の作戦に  この町の襲撃はなかったはず。  ブラックソーン・・・・  やつの独断なのか?  あるいは、  裏で糸を引いている  何者かの差し金・・・・・。」 ヴァレイム兵 「アルヴィーン様。」 アルヴィーン 「なんだ。」 ヴァレイム兵 「バトルヘルパーかと  思われる一隊が  こちらに  向かっているようです。」 アルヴィーン 「私は少し調べたいことがある、  バトルヘルパーごとき  お前たちで処理しておけ。」 ----------