型二種への道(後編) << previous

大型二種免許を取得するためには各都道府県の免許センターで行われる、 いわゆる”一発試験”に合格して取得するのが世間一般の主流であり、 国の認可が下りた公認教習所だけですべてを終えるという例は、現状ではまずほとんどない。 そのような流れに従い、俺も例に漏れず、非公認教習所で練習を積み、 免許センターでの一発試験をクリアして栄冠を勝ち取った口だ。 「前編」では練習から一回目の試験へのチャレンジまでを書いたので、 今回はその後の免許取得までの道のりを書こうと思う。

順調に駒を進めた大型二種免許の試験は、残すところ二次、三次試験のみとなった。 12月27日の午後、二次試験を受けに鴻巣の免許センターへ再び向かった。

免許センター

「今日で取れるだろう」と自信満々で受けた二次試験。 所内での運転試験は簡単であった。 結果はすんなり合格。 この時点で俺は、かなり有頂天になっていた。 そして、三次の路上試験へ。 ところが…

三次の路上試験は最初は調子が良かったのだが、 最後のほうで初歩的な失敗をしてしまい、不合格になってしまった。 有頂天になり、つい調子に乗りすぎた運転をしたのが失敗の原因だ。 仕方なく次回の二次試験の予約を取り、その日は帰路についた。 二次と三次はセットになっているので、次もまた二次から受け直さなければならなかった。

年が明けて、1月16日。 「今日こそは合格するぞ」と意気込んで鴻巣の免許センターへ向かう。 そして、前回と同じように二次試験からもう一度試験を受ける。 結果は合格。 そして再び三次試験へと駒を進めた。

鴻巣市街

三次の路上試験。 今日は免許センターの正門をまっすぐ行く。 その日は比較的交通量は少なめで走りやすかった。 特に何事もなく鴻巣市内を走り、免許センターに戻ってきた。 これは合格かもな…と思った瞬間、 「naoさん大変残念ですが、失格です。」 と言われ、何がなんだか判らなくなってしまった。

試験終了後のアドバイスを聞き、その原因が解明された。 大型二種は大型一種とはまるでレベルが違う、”旅客輸送”が出来る為の免許である。 したがっていくら運転がうまくても、お客様に恐怖心を与える運転ではNGなのである。 この日の俺は、運転の荒いトラックドライバー並だと言われてしまった。 「このままではだめだ!」と思い次の再試験までに、 ”乗っている人を安心させる運転”とは一体どういうものなのか? という命題に対する答えを見つけねばならないと思った。

1月22日。 根本的に自分の運転法を見つめ直し、それを実践する日が来た。 いつものように二次試験を受け、そして三次試験へと進む。

待合室

左奥の路上試験用の待合室で、 自分の順番が来るまで待ち、バスに乗り込む。

免許センター正門

この日は免許センター正門を右へ曲がるよう指示された。 初めて行くコースだ。 このコースは道幅が途中狭くなり、おまけに路上駐車も多い。 前回よりも難易度が高いコースだ。 「これでは今日もだめかも」と思いながらも、なんとかコースの半ばに差し掛かった。 「よし、あと半分だ」思い、交差点の真ん中で右折待ちをしているとアクシデントが発生した! 救急車が来たのだ。 この対応を間違えたら即刻不合格になる! 俺はかなり焦ったが、何とかその場を無事に切り抜けられることが出来た。

その後は何事もなく免許センターの近くまで帰って来ることができた。 これはその日に同じ試験を受けに来た人から聞いた話だが、こんな伝説があるらしい。

”試験官が免許センターの正門に行くように指示すると、不合格が確定。駐車場に行くなら、合格の可能性あり”

さあ、どっちに行くのだろうと思っていたその時、 「そこを右に曲がってください」と言われて曲がったところは…

免許センター駐車場

駐車場だったのである。 「ご苦労様でした。」と言われ試験官と運転を交換し、バスは正門前の発着点へ回された。

いよいよ合否の発表である。 「naoさん一応合格です。」 試験官にそう言われた。 そう、ようやく合格したのだ! その後免許センターの中で、正式に発表があった。 その日の午後の大型二種合格者は俺だけだった。 そして栄光の”大型二種運転免許証”がついに手渡され、 3ヶ月にも及ぶ免許取得への道はようやくゴールへとたどり着いたのだった。


教習所遠景

終わり


----- あとがき -----

本文ではあまり専門的なことを書かなかったので、 以下はもし大型二種をこれから取得する方が これを見てくださったときの補足のために書かせていただきます。 2002年6月に改正された道路交通法によって大型二種の試験が以下のように変わりました。

【主な改正点】
  1. 今まで免許センターでの直接試験のみだったものが、 公認教習所で卒業検定に合格すれば免許センターでの技能試験が免除にされるようになった。
  2. 所内技能試験のほかに、路上技能試験が追加された。
  3. 応急救護と自動車の運転に関する講習が追加された。
以上のように、今回の改正で大型二種免許取得の難易度がさらに増したと言えるでしょう。 そして現在、国内で大型二種を扱っている公認教習所というものはほとんどありません。 一般的には免許センターでの一発試験に賭けるしかないというのが現状です。 最低でも2〜3年先まではこの状態でしょう。 大型二種を取得なさろうとする方は、非公認教習所で練習を積む事をお薦めします。 では次に試験の内容を簡単に説明します。

【学科試験】
これは普通免許の範囲の問題に加え、 「旅客自動車運送事業等運輸規則」という旅客輸送に必要な規則の問題が出題されます。 学科の場合は書店などで売っている問題集をしっかり勉強すれば、ほぼ合格できるでしょう。 しかし問題は非常に難しいので一夜漬けなどでは絶対に受かりません。

【所内技能試験】
所内の技能試験は鋭角コースが必修で、方向変換と縦列駐車のどちらかをその場で試験官が指示します。 方向変換と縦列駐車は、バスの後ろとポールの間を50cm以内に着けなければならないので注意が必要です。

【路上技能試験】
一般道路での試験で、7〜8Kmぐらいを走ります。 試験中に目標物停車が3回ほどあります。 これは、電柱などにバスの中央扉を合わせるもので、誤差は、プラスマイナス30cm以下です。 路上試験は非常に採点が厳しいので少しでもミスをすると、その場ですぐに試験終了になります。 この路上技能試験は大型二種を取得する上で最大の難関です。 学科と所内までは順調に来れても、全体の9割がここで落とされるという試験です。

以上が試験の大まかな内容です。 一日の合格者は4〜5人程度だそうで、 受験者の中には20回以上も技能試験を受け、それでも受からない人がたくさんいます。 回数だけではだめなのです。 昔の大型二種試験は運転技能が重視されましたが、現在は違います。 いかに安全運転できるか? 合否を左右するのはこれに尽きます。

2003.03 nao


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