情報公開について考えるページ(目次)


「情報公開法」はどうなってるの?

ただいま国会で継続審議中。次の国会で成立の見込み。
野党は12項目の修正を求めているけれど、与党は応じる見込みはないみたい。


修正してほしい
12項目       

  1. 目的に「知る権利」を入れる
    「知る権利」が明記されていない情報公開法というのも情けない。政府は「知る権利」はまだ法律上の内容が確定していないからダメと言っているが、「知る権利」を法律上の権利にするのはこの法律しかない。

      「監視と参加」を明記する
    もともと「要綱案」には入っていた。それをもとに総務庁が政府案を作る段階で、「監視」と「参加」は目的から除かれ、他の言葉に言い換えられてしまった。「監視」と「参加」はなぜ抜かされてしまったんだろう?

     

  2. 対象機関に「特殊法人」を含める
    今起こっているいろいろな問題も特殊法人や公益法人がらみのものが多い。せめて特殊法人だけでも対象に含めないと肝心な情報が入手できなくなる可能性は高い。公布後2年を目途に法制上の措置を講ずるでは不十分。

     

  3. 「公務員」の氏名を不開示情報とするべきではない
    責任がある公務員を特定できるようにしておかないと、結局は組織の陰に隠れて不正は隠蔽されてしまう。組織が行っているように見える行政決定も、実際には担当者個人の判断によるところが大きいのだ。



  4. 法人情報の「非公開特約」を認めるべきではない
    「あらかじめ公開しない約束で提供されたものは非公開」という約束を認めると企業情報は広範囲に公開されないことになってしまう。この「非公開特約」は条例でも認めているところは少なく全国に波及する危険が大。

     

  5. 防衛・外交情報の「行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある」は削除すべき
    「行政機関の長が認める」とすると行政の裁量の幅が相当大きくなる。これでは情報は公開されにくくなる。

      防衛・外交情報の「20年経過後の公開」を認めること
    いったんは非公開とされたものでも、20年もたてば国の外交や防衛上の重要性は少なくなってくる。せめてある程度の時間が経過したものは、公開の対象に含めてほしい。

     

  6. 捜査・秩序維持情報 の「行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある」は削除すること
    「行政機関の長が認める」というのが問題。



  7. 「意思形成過程情報」を非開示情報に含めるべきではない
    間違った政策決定が行われようとしている時それを指摘するためにはこの資料が絶対に必要だ。政策が決められてから主張しても間に合わない。これでは政策立案過程の住民参加や意見の反映は大幅に制限されてしまう。

     

  8. 「開示請求に係る手数料」は削除して、「公益目的」による減免規定を追加すること
    現在のままでは手数料は2度徴収されることになってしまう。開示されない場合でも手数料は徴収される。財政的な負担が大きければ請求自体が難しくなる。それに行政の不正を正し、適切な政策決定に貢献する「公益目的」の申請を個人の負担とするのは不当だ。

     

  9. 請求者の住所でも訴訟を起こせるように、「地方管轄」の特例を追加するべき
    これを認めないと、訴訟は原則として東京でなければ起こせないことになってしまいかねず、地方在住者が訴訟を起こす道をはばむことになる。「公開されなければ裁判を起こす」という強制力無くしては、広範囲に非公開に含めようとする行政組織の力には対抗できない。これでは名目的な請求権にとどまってしまう。「知る権利」にかかる重要な問題だから、情報公開法に関しては特例を認めるべきだ。

     

  10. 「行政文書管理法」の制定を明記すること
    情報公開は認められても、文書の管理が十分でなければ求める文書を見ることはできない。情報公開制度を実質的に保障するためには、まず文書管理が適切であることが重要。ぜひとも国会の審議を通して決めてほしい。

     

  11. 3年後を目途とした見直し条項を追加してほしい
    今の世の中、3年もすれば社会状況は大きく変わってしまう。情報伝達の手段などその最たるもの。情報公開という考え方や公開の範囲も、時が経つにつれて大きく変化している。

     

  12. 「刑事記録」にも情報公開法は適用されるべき
    刑事記録には多数の関係者の名誉やプライバシーが含まれると言っても、社会に大きな影響を及ぼしている事件の場合にも情報公開法が適用されないことになってしまうのは問題だ。



いつまで"見せざる、言わせざる、聞かせざる"の政治を続けるつもり?
もういい加減で「知る権利」を認めて、
みんなの情報を共有する社会をつくろうよ!

(1998.12) 

このホームページに関する御意見、御感想は
ヘパフィルター(E-mail:hepaf@ag.wakwak.com)
までお願いします。

(C) 1999 HEPAFIL
メール 目次 案内板 ホームページ