2000.11.10 「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案」
*11月14日(火)国会日時 11月14日(火)午後2時〜3時30分 参議院議員会館・第1会議室で、法案内容の説明、各界からの発言などを中心とした集会が予定されています。
この法案は、原子力発電等の立地地域を隣接する市町村にまで広げ、補助金の対象となる事業を生活環境、産業基盤の総合的な整備を中心に幅広く認めることによって、補助金の対象を広げ、原子力発電施設や放射性廃棄物処理施設の立地をしやすくしたり、施設や設備の建設や維持にかかる負担を軽減することができるようにすることが目的といわれています。
自由民主党の原発推進派議員が画策、与党の公明党が支持を表明、野党の民主党が一部の原発推進議員の力によって反対を表明できずにいる間に、短期間で、ほとんど審議らしい審議も経ずに、数の力で強引に成立させる動きになっていると伝えられています。
自分たちに有利になるように税金をばら撒き、それによって民意を操作しようとし、党の利益しか考えられなくなっている政党の事情を利用して、国民の関心が集まらないうちに強引に成立させてしまおうとするこのような動きには大きな問題があると考えます。
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*FAXを読み取っているため、読み取りミス、入力ミスがある可能性があります。参考程度ということでお許しください。原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案
(目的)
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第一条 この法律は、原子力による発電が我が国の電気の安定供給に欠くことのできないものであることにかんがみ、原子力による発電の推進等に資するため、原子力発電施設等の周辺の地域について、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的とする。(定義)
第二条 この法律において、「原子力発電施設等」とは、原子力発電施設で政令で定める者が設置するもの及び原子力発電と密接な関連を有する施設で政令で定めるものをいう。(原子力発電施設等立地地域の指定)
第三条 内閣総理大臣は、都道府県知事の申出に基づき、原子力立地会議の審議を経て、一又はニ以上の原子力発電施設等(設置されることが確実であるものを含む。)の周辺の地域であって、次の各号に掲げる要件に該当するものを原子力発電施設等立地地域として指定することができる。
一、市町村の区域が隣接すること等により自然的経済的社会的条件からみて一体として振興することが必要であると認められること。
ニ、政令で定めるところにより計算された当該原子力発電施設等の発生電力量(原子力発電施設以外の施設にあっては、政令で定めるところにより発生電力量として算定されたものをいう。)の合計が、政令で定める規模以上であること。
三、工業再配置促進法(昭和四十七年法律第七十三号)第二条第一項に規定する移転促進地域又は移転促進地域以外の地域で工業の集積の程度について政令で定める要件に該当するものに属さないこと。2 都道府県知事は、前項の申出をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により原子力発電施設等立地地域を指定したときは、その旨並びに当該原子力発電施設等及び当該原子力発電施設等立地地域の区域を官報で公示しなければならない。
4 前三項の規定は、原子力発電施設等立地地域を変更する場合に準用する。
(振興計画の決定及び変更)
第四条 都道府県知事は、前条第一項の規定により原子力発電施設等立地地域の指定があったときは、原子力発電施設等立地地域の振興に関する計画(以下「振興計画」という。)の案を作成し、内閣総理大臣に提出するものとする。
2 都道府県知事は、前項の振興計画の案を作成しようとするときは、関係市町村長及び振興計画に基づく事業を行うこととなる者(国を除く。)の意見を聴かなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の振興計画の案に基づき、原子力立地会議の審議を経て、振興計画を決定する。
4 内閣総理大臣は、振興計画を決定したときは、これを当該振興計画の案を提出した都道府県知事に通知するものとする。
5 前各項の規定は、振興計画を変更する場合に準用する。(振興計画の内容)
第五条 振興計画は、当該原子力発電施設等立地地域の生活環境、産業基盤等の総合的な整備等に関し必要な次の各号に掲げる事項について定めるものとする。
一 原子力発電施設等立地地域の振興の基本的方針に関する事項
二 基幹的道路、鉄道、港湾等の交通施設及び通信施設の整備に関する事項
三 農林水産業、商工業その他の産業の振興及び観光の開発に関する事項
四 生活環境の整備に関する事項
五 高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する事項
六 防災及び国土の保全に係る施設の整備に関する事項
七 教育、科学技術及び文化の振興に関する事項
八 前号各項に掲げるもののほか、原子力発電施設等立地地域の振興に関し必要な事項2 振興計画は、他の法令の規定による地域振興に関する計画と調和が保たれたものでなければならない。
(事業の実施)
第六条 振興計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。(国の負担又は補助の割合の特例)
第七条 振興計画に基づく事業のうち、別表に掲げるもので原子力発電施設等立地地域の住民生活の安全の確保に資することから緊急に整備することが必要なものとして政令で定めるものに要する経費に対する国の負担又は補助の割合(以下「国の負担割合」という。)は、当該事業に関する法令の規定にかかわらず、同表に定める割合とする。ただし、他の法令の規定により同表に掲げる割合を超える国の負担割合が定められている場合は、この限りでない。(原子力発電施設等立地地域の振興のための地方債)
第八条 振興計画に基づく事業で前条の規定の適用を受けるものにつき当該地方公共団体が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債(当該地方債を財源として設置した施設に関する事業の経費に伴う収入を当該地方債の元利償還に充てることができるものを除く。)で、総務大臣が指定したものに係る元利償還に要する経費は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより、当該地方公共団体に交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。(財政上、金融上及び税制上の措置)
第九条 国は、前二条に定めるもののほか、振興計画を達成するために必要があると認めるときは、振興計画に基づく事業を実施するものに対し、財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるよう努めなければならない。(地方税の不均一課税に伴う措置)
第十条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項の規定により、地方公共団体が、原子力発電施設等立地地域の区域内において製造の事業その他政令で定める事業の用に供する設備を新設し、又は増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又はその事業に係る機械及び装置若しくはその事業に係る建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法第十四条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあっては、これらの措置がなされた最初の年度以降三箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。(原子力立地会議の設置及び所掌事務)
第十一条 内閣府に原子力立地会議(以下「会議」という。)を置く。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 原子力発電施設等立地地域に関し、第三条第一項に規定する事項を処理すること。
二 振興計画に関し、第四条第三項に規定する事項を処理すること。
三 前二項に掲げるもののほか、原子力発電施設等立地地域の振興に関する重要事項を調査審議すること。(会議の組織等)
第十二条 会議は、議長及び議員八人をもって組織する。
2 議長は、内閣総理大臣をもって充てる。
3 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 総務大臣
二 財務大臣
三 文部科学大臣
四 厚生労働大臣
五 農林水産大臣
六 経済産業大臣
七 国土交通大臣
八 環境大臣
4 前三項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。(政令への委任)
第十三条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。(国の負担等に関する規定の適用)
第二条 第七条(別表を含む。以下同じ。)の規定は、平成十三年度の予算に係る国の負担又は補助(平成十二年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成十三年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)から適用する。(この法律の失効)
第三条 この法律は、平成二十三年三月三十一日限り、その効力を失う。ただし、振興計画に基づく事業に係る国の負担金又は補助金のうち平成二十三年度以降に繰り越されるものについては、第七条及び第十三条の規定は、この法律の失効後も、なおその効力を有する。(地方交付税法の一部改正等)
第四条 地方交付税法の一部を次のように改正する。附則第五条第一項の表に次の一号を加える。
八 原子力発電施設等立地地域の振興のための地方債償還費
/原子力発電施設等立地地域の振興のための事業費の財源に充てるため発行について同意又は許可を得た地方債に係る元利償還金
/千円につき 七〇〇附則第五条第二項の表に次の一号を加える。
八 原子力発電施設等立地地域の振興のための事業費の財源に充てるため発行について同意又は許可を得た地方債に係る元利償還金
/原子力発電施設等立地地域の振興のための事業費の財源に充てるため発行について同意又は許可を得た地方債で原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(平成十二年法律第 号)第八条の規定により総務大臣が指定したものに係る当該年度における元利償還金
/千円2 前項の規定による改正後の地方交付税法附則第五条の規定は、平成十三年度分の地方交付税から適用する。
(内閣府設置法の一部改正)
第五条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。附則第二条第二項の表平成十四年六月十九日の項の次に次のように加える。
平成二十三年三月三十一日
/一 原子力発電施設等立地地域(原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(平成十二年法律第 号)第三条第一項に規定するものをいう。以下同じ。)の指定に関すること。
/二 原子力発電施設等立地地域の振興に関する計画(原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法第四条に規定するものをいう。)の作成に関すること。 /三 原子力発電施設等立地地域の振興に関する重要事項に係る関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。附則第四条の次に次の一条を加える。
(特別の機関の設置の特例)
第四条の二 平成二十三年三月三十一日までの間、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の定めるところにより内閣府に置かれる原子力立地会議は、本府に置く。
別表(第七条関係)
事業の区分/国の負担の割合
道路
/道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路の新設又は改築
/十分の五・五港湾
/港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項に規定する重要港湾における同条第五項に規定する港湾施設のうち水域施設、外郭施設、係留施設及び港湾交通施設(以下「水域施設等」という。)の建設又は改良の工事
/十分の五・五(港湾法第四十二条第一項に規定する国土交通省令で定める小規模なものの建設又は改良の工事にあっては、十分の四・五)
/港湾法第二条第二項に規定する地方港湾における水域施設等の建設又は改良の工事 /十分の四・五漁港
/漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三条第一号に規定する基本施設及び同条第二号に規定する機能施設のうち輸送施設の修築事業
/十分の五・五消防用施設
/消防施設強化促進法(昭和二十八年法律第八十七号)第三条に規定する消防施設、防災行政無線設備その他政令で定める消防の用に供する施設及び設備の整備
/十分の五・五義務教育施設
/義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第二項第一項に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校、中学校又は中等教育学校の前期過程(以下「公立小学校等」という。)の同条第二項に規定する建物の新築、増築又は改築 /十分の五・五
/公立小学校等の木造以外の校舎の補強
/二分の一
理由
原子力による発電が我が国の電気の安定供給に欠くことのできないものであることにかんがみ、原子力による発電の推進等に資するため、原子力発電施設等の周辺の地域について、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図る必要がある。これがこの法律案を提出する理由である。
本案施行に要する経費
本案施行に要する経費としては、平成十三年度約三十三億円の見込みである。