それからも、新たに化け物と遭遇したりもしたが、どれも妖魔に比べると
可愛いものだった。
この世界の住民とも数多く関わり、人と人とのふれ合いの暖かさに触れたりと、
なかなか有意義な時を持つことが出来た。
たまにはこういう一人旅もいいものだとしみじみ思う。

名残は尽きなかったが、なつかしい妖魔界へ時空間を繋ぐ。
城に帰ってみると、すっかりドリアスが臍を曲げていた。
俺が一人で行ったこと、一度の助けも呼ばなかったのに気を悪くしているらしい。
幾度となくこの身に妖魔の王の愛を受け、魔力を増した俺が助けを呼ぶほどの
ことが早々起こるわけはないのを知っているくせに、、、。

いつまでたってもかわらぬ妖魔の王に愛おしさも募り苦笑する。
では今宵は、機嫌をなおしてくれるようせいぜいお前に甘えてみるとしょう。
俺の愛しい妖魔の王に、、、。