『どうした、なぜ黙っている、、、』
 「あんたの真意が解からなくてね、どうやら俺、もしくは俺たちを待っていた
  ようだが、俺はあんたの望みに沿うような浄化の仕方はたぶん出来ないぜ?
  なのにどうして俺に話す?
  俺から美神にでも伝えさせるつもりか?」
 『、、、他意はない、そなたの言葉を聞きたかったゆえだ。』
 「俺の?」
 『そなたが一番俗物と言うことだな。』
 ころころと花が舞うような笑い声
 『そなたの言葉、「人」というものの言葉、、、それが聞きたかった
 浄化の炎を操る炎上は我らに近く、潤下はまだ幼い、、、
 たがためだ。』
 「人の、、?」
 『そなたらは何もせずともよい、不浄の者は不浄の者に付く、
  そは、自業自得というもの、そうではないか?』
 「、、、そうでも、救いを求められれば奴は狩るぜ?
 俺の場合はまぁ、金次第だがな。」
 『悪びれてもむだよ、そなたも炎上と根は変わらぬわ、
 救いを求める声を無碍にはできん、だがそれは生者も死者も変わりはない
 無論、そなたらには言うまでもないことだがな、、。』
 ふわふわと静かに花びらが舞う。
 『それでよい、割り切れぬ思いを抱きながら哀れみをもちながら
  我らが人を思うように、、、』
 「待てよ、残ったウイルスはどうなる?総てを封じたわけではないって
  言ったよな?」
 『、、、人が境界を越えるとき、、、、』
 ざっと花吹雪が舞い奴を覆い隠したと思うと、あたりは一面の闇、、。

 人が調和の境界を越えるとき、それは現れるのかもしれない、、。
 密林の奥から未知の病原が広まるように、、、。
 人が便利さを求め、生物としての分を忘れたときに、、、。

 「ちっ、まったく俺向きの仕事じゃあないよな、、。」
 ふうっと紫煙をくゆらせる、
 出来ればそんな日が来ないことを祈りつつ、、、。



●正解エンディング・おめでとうございます●

      炎の美酒・NO・3  百牙院 剛 編 ・ 『紫煙桜』
                 葉月 しのぶ 作   2001.4.18UP