「ほぉ、黒燐姫とな?」
 「はい、綺羅娑加羅さま正室を娶られたので〜、
 次は勿論、側室選びをなさいますでしょ〜?、
 どの龍姫さまも狙ってらっしゃるんですよ〜、金翅姫さま。
 だって〜、良い男ぶりですもの綺羅娑加羅さま♪」
 「なに?」
 こめかみが引きつる。
 綺羅のやつ、よい度胸じゃ!
 浮気などしたら八つ裂きじゃと申し渡したのを忘れたか!!
 「確か、黒燐姫の住まいは水郷の西であったな。」
 「ひ、姫さま?」
 双樹がさっと青ざめる。
 
  今すぐ現場を抑え八つ裂きじゃ!  

  案ずるな相手のところへ乗り込むほど馬鹿ではないわ!