あたりに立ち込める強烈な異臭で胸糞が悪くなる。
 「城へ帰るぞ、双樹!」

 城に帰れば、綺羅が先に帰っておった、
 「おそかったな、金翅。」
 笑顔で出迎えてくれる
 、、、綺羅め上機嫌ではないか、、
 わしはお前を探して胸糞がわるくなったというのに!
 つかつかと歩み寄り、
 そのままはりたおす。
 「ボカ!」
 「こ、金翅?!」
 「おぬしが悪い!!」
 「な?」
 「おぬしが傍に居らぬからわしは、、、
  ええい!、もうよい!!」
 思いっきりむかっ腹がたった。
 自分は何をしてきたというのじゃ?そんなに上機嫌になることを、、
 「金翅!おまえなぁ、、」
 綺羅の声がこらえているかのように少し震えている。
 「なんじゃ!」
 「俺だって終いには怒るぞ!」
 
 思えばこれが初喧嘩の発端となった、
 この後の大喧嘩は、しばらく口さがない魔神界の噂好きの連中の
 格好のネタになってしまった、、、。
 が、あの時綺羅が何をして居ったのか?
 それはいまだに謎じゃ、、。