家づくりのはじまり


3.第一歩

 電話で何度か話をしたあと、1月の終わりに初めて営業のIさんと顔を合わせることになった。でもこのときもまだ本気というか絶対建てるぞというような感じではなく、何となく話を聞くという程度だった。だから、Iさんにも再三「契約できるかわかりませんよ」と言い続けていた。

 初めて会って、ミサワホームの会社の話や家へのこだわり、実際に家を形にしていく流れや資金計画のことなど、いろんな話を聞かせてもらっているうちに、なんとなく本当に家を立てようかなという気にもなってきた。話の流れの中で家づくりの考えや住むにはどのあたりがいいかなど土地の希望を伝え、周辺の物件探しもしてもらうことにした。

 2月に入るといくつかの土地を紹介してもらった。紹介してもらった土地を家族みんなで見てまわり、交通の便、学校への通学距離などの条件を考えて検討したがどれも一長一短で、「これは」というほどピリッとくるものはなかった。
 それでも、家の広さや間取りなど家に対する希望やこだわりの部分を話しながら、家のイメージだけはだんだんとをふくらませて概略的なプランが形になりつつあった。

 3月になり、また新しい土地を紹介してもらった。
そこは今の住まいからすぐ近くの場所で、駅までの距離や学校までの距離もそれほど違わないし、子供たちの学区の変更も必要ないところだった。ただ、ちょっと小高いところにあり、ちょっと上り坂になるのが難点だったが、考えようによっては見晴らしがいいわけで、なにより長年住み慣れたところのすぐ近くで勝手がわかっているという点がよかった。

 ある程度納得できる土地が見つかったことから、急に家づくりが現実味を帯びてくる。それまでIさんと打合せをしていても、イメージばかりで現実感がなく夢物語的だったのだが、土地が見つかったことで、家づくりが現実のものとして具体的にイメージされてきた。

 せっかく見つけてきてくれた土地。買うか。やめるか。他の場所を探すか。

 これまで両親には何も話をしないで、家族だけで家づくりを考えていたこともあって、Iさんにもこれまであいまいな態度をとってきたけれど、今までの打合せを無駄にしないためにも、また、家づくりのタイミングという点からも、今が決断のしどころとなってきた。決断するとなれば当然、両親にも話をしておかないといけないし。
 そんなわけで、急に動きがあわただしくなってきた。

このころの土地の様子
土地の写真 3月20日
敷地の南西は畑。今はまだ枯れ草だらけ。
土地の写真 3月20日
予定の場所は畑になっている。
まだ春の息吹はこれから。


4.決断のとき

 本当に家をたてるのか、決断の時がきた。

 これまで家族だけで話を進めてきたけれど、この地に家を建てるとなれば両親にも話をしておかないといけない。当然義父母にも。

 ここ何年か父も体が弱くなってきて、心の中では帰ってきてくれればと思いつつも、口に出せずにいたと思う。きっとずっと前から孫と一緒に暮らしたいという気持ちもあったかもしれない。そんな気持ちをわかっていながら避け続けてきた問題。
 でもとうとうはっきりさせる時がきた。

 3月のある日曜日。
 子供をおいて妻と二人だけで実家にいく。前もって大事な話があると電話で伝えてはあったが、何の話だとも言わないで出かけていった。そして・・・

両親に今住んでいる場所の近くで新築することを告げる。

 前にも書いたが、この地に住んではや15年。両親もいずれは帰ってきて同居してくれるだろうと思っていたはず。でもこちらでの生活が長くなってきたので、心の隅ではもしかしたらと諦めの気持ちがあったのかもしれない。
 なんとなく感じていたかもしれないが、ここではっきりと家を建てるということを聞かされて、とても寂しそうに、でもしかたがないという感じで両親からは了解をもらった。何年か前だったら強く反対したかもしれないが、自分たちの体の衰えとともに現実的に考えると強く反対もできなかったのだと思う。

 その足で妻の実家にも立ち寄り、家を建てることを報告。(自分と妻の実家は道路が整備されたことで車で15分程度で行き来ができる。バイパスがなければ40分はゆうにかかるのでバイパスの威力はすごい。)
こちらは何度か事前に妻が電話で話してあったのですんなり。

 両親の了解はもらったものの期待に添えなかったという点ではちょっと罪悪感も感じる。
とはいうもの決めて走り出したのだから、今さら悔いても仕方がない。
新しい生活を夢見て楽しく前向きに考えることにしよう。


 土地を見つけてもらったことから、家づくりも当然ミサワホームに決定。
 両方の両親から了解をとりつけ、住宅メーカーも決まったことで、ここから本当の意味で家づくりがスタートした。


5.家づくりにまっしぐら

 両親の了解をもらったことで最大の難関はクリア。あとは資金面。

 これまで家族4人でのんびり、気ままな生活をしてきただけに、これから多額の負債を抱えて生活していけるのかという不安がぬぐえない。これから何十年も返済生活が待ち受けていると思うと前途が暗くなる。でもここでも「新しい家」、「新しい家」と自分に言い聞かせ、前向きに考えることにする。

 それでも限られた資金しかないなかで、なんとか思うような家をつくりたいということで営業のIさんとも相談を重ねながら、ぎりぎりまで交渉しなんとか納得できるところで決着した。
 そして、ちょうどミサワホームの決算期ということもあって、なんと3月31日についに契約を結ぶことになった。

 契約を結ぶことになっても「瓢箪から駒」のようで、本当にこの自分が家を立てるのか、半分信じられない気持ちが大きい。それもあっと言う間に決めてしまっただけになおさらだ。いまでも本当によかったのかと自問すると同時に、決まるときはそんなものだということで自分に言い聞かせ納得するようにしている。


3月31日(請負契約の締結)
 ここ新潟にも長かった冬が終わりをつげ春がおとずれたように、我が家にもとうとう春がやってきた。
 春の青空が広がるなか、ミサワホーム新潟西新潟支店で契約を結ぶ。
ひととおりのあいさつのあと、契約書を前にいろいろと説明を受ける。さすがに高額な契約になるため、請負契約書の文言や資金のこと、設計のことなどを細かく確認しながら、関係書類に印鑑を押していった。さすがに印鑑をおす瞬間は、本当にこれでいいのかという気持ちになったけれど、どうせ早いか遅いかの違いだろうという結論で納得した。
 途中から、部長のKさんもお見えになり、契約記念にと花束をいただいて会社をあとにした。
 今思うと写真をとっておけばよかったとちょっと後悔している。

 契約時に
   住まいの書類箱:契約書つづりと透明ファイルをしまっておくケース
   契約書つづり :工事請負契約書が入れる
   透明ファイル :領収書、打合せ記録、資金計画書などいろいろな書類を閉じる
 をもらった。あとで写真をとってのせようと思う。


 家をたてることを決断し、工事請負契約も無事終わったことで、次は内装など詳細な仕様決定の作業に入っていく。



Back Next ホームへ