総  評


 本車は、イタリアの優れたカー・スタイリング・デザイン、伝統に裏付けられた技能職人によるハンドメイド・ボディと工芸技術の粋で形作られたインテリア。

 これらと、世界トップクラスの自動車生産国が誇る高級ラグジュアリー・クーペが融合した、まさに奇跡に近い造形物であり、恐らく今後同じ様なコンセプトでクルマが作られることは無いであろう。

 現在の中古車価格は底値であるが、生産台数が台数だけに販売されている車両を見つける事自体が大変難しい状況である。

 さて、本車を所有する上で最大の魅力は国産車をドナーに選んだ点にある。
皮肉な事に、新車発表時にあれ程こき下ろされた点が逆に魅力となっているのは大変面白く、特に私を含めた地方在住のエンスージャストにとっては、信頼性が高く日産のサービス網を利用出来る上、パーツの価格も安く(あくまでも他の欧州車に較べてだが)、且つ入手時間の掛からない本車は、趣味のクルマとして維持していくには最適であると考える。

 もっとも、ザガート製のボディー・デザインは好き嫌いがはっきり出るので、全ての人にお勧めする訳にはいかないが・・・・。

 僅か二〇〇台に満たない珠玉の稀少車を所有出来た幸運な皆さんは、是非とも大切にお乗りいただき、一台でも多くのオーテック・ザガートを後世へ残していって欲しいものです。