実は、ステルビオ/ガビア で、もっとも問題となるのは、このエクステリアと後に解説するインテリアである。
これまでも散々書いてきたが、このクルマの最大のウリは、手作りのアルミ・ボディーと生産台数の少なさからくる稀少性であるが、実はこのアルミ・ボディーが問題で、最近では軽くて錆びない素材としてボンネットなどに採用されたりもしているので一般にも多少は浸透しているように思えるが、実はその補修には大変特殊な技術が必要であり、市井の板金塗装店での補修は殆ど不可能であり、それ以外の部品(前後バンパー及びボンネット)もカーボン・ファイバーで成型されており、ひび割れや欠け等の補修は事実上困難である。
しかも、補修用の外板や各パネル,前後バンパー等は、純正品は怖ろしいほど高価であり、しかも殆どのパネルが既に入手困難な状況となっている。
つまり、一度事故を起こすと修復に大変な費用が掛かることを認識しておく必要があり、車両保険などの加入は必要不可欠であろう。
また、外板がアルミ製とはいえ、モノコック・シャシはスチール製であることにかわりはなく、そのシャシも改造を受けているため熱による酸化が発生していることは間違いなく、更に、国産車並の防錆処理を受けているとは考えにくい。
加えて、鉄とアルミの接触部に水分が付着すると電気分解によるアルミの腐食が発生することも認識しておく必要がある。
つまり、このクルマは大変脆弱なアウターパネルと錆びやすいモノコック・シャシで出来ており、それは日本の気候や道路事情には全く向かない構造なのである。
従って、いつまでも美しい姿を止めておこうと考えるなら、過保護過ぎる程の扱いが必要で、露天駐車や雨天の使用などは出来るだけ控えるのは勿論、車両の保管もシャッター付きのガレージにしまい込む位の用心深さが必要である。
また、塗装もラッカー塗装であり、研磨剤を含んだワックスやコンパウンドの過度の使用は避けるべきであり、また、手叩きのアルミ加工で作られたクルマは例外なくパテが大量に使用されているので、パテ痩せやパテと塗料との化学反応で既に多少の歪みや塗装面の荒れが発生しているクルマも存在する。
これからは、塗装の補修や、場合によっては全塗装も考えに入れた方が良いだろう。
灯火装置は、その殆どが日産製のパーツをそのまま(あるいは多少加工して)使用しているため、部品に関してはあまり心配することはないが、ステルビオのヘッド・ライト・カバーやテール・ライト・カバー,及びガビアのテール・ライト・カバーに関してはオーテック扱いの専用部品であり、その価格は高額であり且つ欠品となっている可能性も高く、扱いには細心の注意が必要である。
また、ホイールに関してもオーテックの補給品は非常に高価であるので、損傷にはくれぐれも注意して欲しい。
尚、エンブレムやホイールのセンターキャップは盗難に遭う可能性が高く、夜間の路上駐車は厳禁である。
特にガビアのエンブレムに関してはメーカーからの補給は無いので、特に取り扱い注意である。
全体的にパーツリストでオーテック扱いとなっているエクステリア・パーツに関しての扱いは慎重になっておいて間違いはない。
ステルビオ/ガビアの内装は、おおよそ自動車の部品としてはもっとも適さない物で構成されており、その儚さが逆に魅力となっている。
これはビトルボ系のマセラッティと同様であり、上質なコノリー・レザーをふんだんに使ったシートやドア及びインパネ廻りの内張、バック・スキンとアルカンタラで構成されたルーフとダッシュボードの内張。
そして、高価なバーズアイのウォール・ナットを使用したインパネとドア廻り等は本車最大の魅力の一つである。
この贅沢な素材は熱、特に太陽光線に弱く、上質ななめし皮は直射日光に長時間晒されると急激に劣化し、ひび割れや縮みを誘発して取り返しの付かない状態となり、ウッド・パネルは熱によって反り返り、剥がれや捲れ、そしてヒビ割れを発生させる。
すなわち、このクルマに関しては直射日光は厳禁。特に夏場の使用は夜に限る位の用心深さで取り扱って頂きたい。
そして、レザーには定期的なメンテナンスを行なった上に、必要に応じてレザークリームなどで保護や清掃を行う事も大切である。
電気系統や各スイッチ類の作動不良は現時点では殆ど発生しないと思われるので、特に対策は述べないが、もしも、ステアリングを交換しようと考えているのならば、取り外しは良く考えた上で作業して頂きたい。
もしも、無理な作業でステアリング・ホイールを傷つけても同じ物は入手出来ないと認識しておいて欲しい。
因みに、ホーン・ボタンは左に回して取り外す。
間違ってもマイナス・ドライバーなどでコジてはいけない。