その2 (車体編)
車体内部は実車に基づき、オフホワイトで塗装し金属製のシャシはハルレッドで塗装した。
車体外側は定番のマホガニーで捨て吹きをしたが、既にこの時点で在庫の塗料が全て底を尽く!
恐るべし1/16。
金属パーツは、クリアケースに分類して収納しておくと便利で、失うことも無い。
転輪関係はマホガニーの上からダーグイエローのシャドー塗り。
今回は外側だけハイライトをエアブラシした。
この後、ウオッシング,ドライブラシ,パステルの定番仕上げを行い、フラットクリアーで整えた後に、ゴムタイヤの取付である。
以上の作業を全て完了して、組み立てた物。呆れるほどにデカい!
今回は余りドライブラシやウェザリングは行わなかった。
野外で走行させれば自然とウェザリング効果が得られるとの予想からだが、このスケールで本格的な汚しを掛けると大変な労力が必要な気がしたのも事実だ。
ところで、このキットは余剰パーツとして、例の泥詰まり防止の為の「第1転輪の外側1枚外し」を再現するためのパーツも入っているので1944年以降の初期型や、今後かなりの確率で発売されると思われる?中期型を、改造によって再現している人には有り難いパーツである。
車体下部の組み付け状態。ハルレッドのシャシに金属の鈍い光が格好良いトーションバー。
このコントラストが堪りません(って、既に変態)
シャシの外側にもシャドー吹きでダーグイエローが塗装してある。
しかし、この辺りは完成すると殆ど見えなくなるんじゃ・・・
ディティール再現第1弾!走行板の荒れの再現。
このキットは砲塔にのみ素晴らしいモールドの装甲板処理が行われているが、それ以外には処理されていない。
金型の関係からみてもモールド可能な筈なのだが謎の部分である。
ひょっとして手抜きか?
で、仕方なく似たようなモールドを再現する事にした。
まずは、装甲表現をしたい部分に「さらさらタイプ」の接着剤を塗布し、その部分を堅い筆(ウェーブのドライブラシ用の筆が最適?)でトントンと垂直に叩き、接着剤によって溶けたプラスチックを筆で荒らしていく。
次に処理した箇所が充分に硬化したら、#400程度のペーパーで凸凹の内の凸部分を平らに均し、不均一な凹みを再現する。
最後にアクセントとして処理していない部分も含めてリューターで傷を付けていく訳だが、この時に注意する点は、少し物足りないと感じる程度で止めておくことで、やりすぎると逆効果となりかねないばかりかオーバーデコレーションな雰囲気になってしまうので特に注意が必要。「過ぎたるは、及ばざるが如し」です。
ディティール炸裂第2弾!エアインテークの溶接跡。
細く延ばしたランナーを「さらさらタイプ」の接着剤で溶かしてデザインナイフなどで刻みモールドを入れて溶接ビードを再現した。
結構手間が掛かる。
ディティール炸裂第3弾!車体の溶接再現。
当初はアベールのエッチング製ウェルド・ラインを使おうと用意したものの、やはりエッチング製は1/16にとって質感に乏しく、結局これも0.2mmプラペーパーを接着剤で溶かして溶接のモールドを刻んだ。
このプラペーパーは非常に使いやすいアイテムなのですが、なぜかタミヤは再生産してくれない。もっと大量に買っておけば良かった。
起動輪,誘動輪,転輪を車体トーションバー基部に固定し、キャタピラを装着する。
キャタピラは既に連結した状態でセットされており、それを一端、車体にはめ込んでから履帯連結ピンを抜き、履帯を3トラック取り外した後に、再度、ピンを打ち込み連結するという、一見、無意味な作業を行う事になるが、実はこの方法でないと連結したキャタピラを車体にはめ込む事が出来ない。
もちろん、初めからピンを抜き履帯を3枚減らして車体に巻き付ける方法を取る人も多いだろうが、やはり、連結したキャタピラを一度は車体にはめ込みたい衝動に駆られるのも事実だ。
実際、キャタピラの収まり具合をこの目で確認してからピンを抜くという順序は、実車のキャタピラ交換が如何に大変だったかを理解する上で格好の手順だと思う。
で、キャタピラの緊張も調整完了し、遂にRCメカを組み込む事になるが、私の場合は、この時点で既に砲塔の駆動メカも組み込み済みなので可動部分が完成し、いきなりの公試運転となる。(笑)
実は以前に京商のポケットアーマーのタイガーを徹底ディティールアップした際に、RCの作動テストもせずに、かなり強引な改造&ディティールアップを行ったために、完成後に再度分解・調整が必要となりかなり苦労した経験があり、
流石に今回は事前に作動テストが出来るように組立順序を調整し、この時点の公試運転にこぎ着けたのだった。
しかし、驚くべきはタミヤのRC技術である。
本当に何の微調整もなしに、完璧に全て作動した。
私としては、キャタピラの緊張や砲塔内部の駆動系(特に砲身の後座装置)などに不具合が発生する物と想像していたのであるが、全くの杞憂であった。
ただ、起動時のエンジン音は凄まじい物で、スピーカー出力50%の初期設定でも家中に響き渡る轟音には閉口した。
皆さんはくれぐれも夜中に始動させないように。
さて、これで車体自体はほぼ完成である。
あとは、装備品等にディティールを施し組み付けていく訳であるが、実はこれからが本番だったりする(笑)。