Joy-Van 試乗記〜「97’Joy Project 北海道キャラバン」に参加して

北海道頸髄損傷者連絡会
川原 六十夫

「ジョイスティック」による自動車コントロールシステム”の国内導入を目指して活動しているJoy Project(渡邊啓二代表)では、現在、全国キャラバンを展開中で、その一環として6月1日、電動車椅子のまま運転席に乗り込み、片手のレバー操作だけで運転できるという四肢麻痺者にとっては夢のようなクルマ「Joy Van」が北海道にやって来ました。

美唄市の美唄自動車学校で、Joy Vanによるデモ走行&シンポジウムが行われました。4月上旬並みの気温という寒さの上に小雨がぱらつくあいにくの空模様でしたが、予想以上の盛況で、このクルマに対する関心の高さを感じました。シンポジウムでは、北海道側の代表として「メビウス」の我妻武さんがパネラーとして参加され、活発な意見交換が行われました。
このシステムの実用性は、紹介ビデオやニュースステーションの映像のみの情報をもとに抱いていたイメージをはるかに上回るモノでした。 簡単に言うと、電動車椅子を操作できる人なら運転可能です。アメリカでは、完全四肢麻痺の人がチン・コントロールで運転している例もあるそうです。セッティングさえ確実に行えば、乗り降りについても一切の介助を必要としません。そこまで配慮が行き届いています。ただし、公道を走行するためにはかなりの熟練が必要と思われ、安全性を考えると、実際にこのクルマを利用できる人というのはかなり限定されてしまうでしょう。
最大の問題は、やはり1台800万円という価格で、シンポジウムでもそこに質問が集中しました。Joy Project代表の渡邊さんは、普及こそが低価格化への一番の近道であるとおっしゃっていました。 いずれにせよ、これまではクルマの運転など考えも及ばなかった重度の四肢麻痺者に、その可能性を与えうる画期的なシステムである事は確かです。
Joy Projectでは今後、国産車への導入、ジョイスティックコントロールシステムによる運転免許の交付認可問題に取り組んでいく予定です。
   
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