GAC 2004 東京宣言
2004年11月21日

 世界の40余の国と地域から、2004年11月19日から21日まで2004年世界アスベスト東京会議(GAC2004)に集まった参加者は、立証された発がん物質であるアスベストのすべての種類による破壊的な健康への影響に鑑み、各国の政府、団体、グループと人びとに対して、次のようなアピールを発する。アスベスト・リスクを根絶するための国際的なイニシアティブを強調しつつ、参加者はさらにそれらを強固なものにするために緊急な行動を起こしていくことに同意する。

@ 禁止:
 すべての国が、アスベストの採掘、使用、貿易、再利用の禁止を採用すべきである。確立された規則と手順に従って、アスベストの安全な除去と廃棄が行われなければならない。

A 労働者及び一般の人々の保護:
 アスベスト含有製品に曝露する可能性のある労働者および一般の人びとは、それらの人々自身が積極的に参加して開発された適切なリスク・マネジメント手段によって保護されなければならない。環境的に損傷を受けた地域の回復も、優先して取り組まれなければならない。

B 代替品:
 より有害性が少く、かつ実用可能であることに十分配慮しながら、アスベストの代替品が使用されるべきである。

C 情報交換:
 国際機関、関連団体と関心をもつ人々との共同作業によって、すぐに利用できる情報資料を開発し、普及すべきである。注意を喚起するキャンペーンが、継続的かつ組織的に取り組まれなければならない。

D 公正移行及び開発途上国への移転の防止:
 アスベストの禁止によって影響を受ける労働者および地域社会のための公正な移行と社会的保護を確実にするために、あらゆる努力がなされるべきである。産業開発の進行中の諸国に対する、アスベスト生産とアスベスト製品および廃棄物の移転を、共同の努力によって、阻止しなければならない。

E 補償及び治療:
 アスベスト被災者およびその家族が、速やかに治療を受け、正当な補償が受けられるようにしなければならない。地域でのキャンペーンに参加し、また直接に行動を起こすことを通じた、被災者とその家族のエンパワーメントに、高い優先順位が与えられるべきである。

F 人々の協力:
 国際的な協力が不可欠である! 被災者、労働者、一般の人びと、政策立案者、専門家、弁護士、労働組合、草の根団体、関連機関および関心をもつ人びとの積極的な参加が求められている。この協力により成果のあがった経験は、既存および革新的なネットワークを通じて共有されるべきである。

 地球上のすべての人々のためのアスベストのない環境に向けた、国際的行動を持続していくためには、上記のすべての分野における進展状況を、継続的かつ世界的にモニターしていくことがきわめて重要である。未来のためにともに行動することによって、私たちは変化を起こすことができるし、変化を起こさなければならず、そして変化を起こしていくと決意する。


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