2004年11月20日(土) 17:45 - 19:30, 第2会議室 ワークショップF 被災者・支援組織 座長:植草和則、カイル・センテス 塚原繁次 三菱長崎造船じん肺患者会[日本] 1983年に三菱長崎造船じん肺患者会を結成以来二〇年間の活動を積み上げてきた。 現役労働者と退職者および下請け労働者から構成される会は発足時二〇名余であったが現在100名をこえている。 三菱長崎造船じん肺訴訟は第1陣が三年5ヶ月をもって和解解決。その後第2陣も提訴している。じん肺患者会はそのいずれの原告を生み出す母体となった。 双方の原告の中の多数に石綿小体が認められている。肺がんを併発して亡くなる人が続いているが、レントゲン写真や解剖所見に石綿が確かめられた結果、じん肺管理2の非合併症だった人が労災認定になった例、また、企業病院の主治医が見誤った石綿肺がんを自主・随時検診運動を支える医師と医療機関の努力により審査請求し労災認定を実現できた例、などがある。 じん肺患者会が依拠してきた労働組合は全造船機械三菱長崎造船分会であった。双方が連携してじん肺被害者への企業補償要求や粉じん対策の改善を求め、じん肺をなくすための企業姿勢を問いかけ、ねばり強く追求してきた。その中で過去の石綿使用の状況も確認された。独自に、じん肺被害者のうち石綿に対する認識をさぐるアンケートもおこなってきた。 じん肺訴訟による賠償で石綿被害者も部分的には救済されているものの、奪われた命はかえらない。悲しみは償えない。 じん肺・石綿被害者はまだ多数の人が訴訟も労災も叶わず、救済の手が差しのべられるときを待っている。その現実を正確にとらえて活動していくエネエルギ-を本国際会議 の皆さんから得たい。 |