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ワークショップF
2004年11月20日(土)
17:45 - 19:30, 第2会議室
ワークショップF
被災者・支援組織
座長:植草和則、ローズマリー・ボジャコヴィック

ケベック州のアスベスト鉱山地帯の環境保全
ロッチ・ランシエール
ケベック・アスベスト被災者協会(AVAQ)[カナダ])

A) AVAQ について

B) 環境保全
    1) 環境の状況
    2) 空気のサンプリング
    3) 汚染管理

C) 環境と社会経済的観点での地域再生

A) ケベック・アスベスト被災者協会(AVAQ)はアスベスト被災者とその家族を、医療、法律、環境、及び個人のレベルで支援するために創設された。また、メディアを通じて地域の人々に状況を知らせるとともに、他の団体との連携を深めることも目指している。AVAQは、アスベストの真に安全な使用法が見つかるまで、そしてそれが使用される全ての場所に適用されるまで、アスベストの使用と製造を国際的に停止することを提案する。

B-1) カナダにおける最も重要なアスベスト鉱山地帯はケベック州セットフォードマインズ市及びその周辺にある。約40km×3kmの地域に、古くから、そして現在も採掘されているクリソタイル鉱山から出る鉱滓の堆積場が30か所以上ある。土壌検査をするとこれらの鉱滓には10%のクリソタイルが含まれている。多くの住宅がこの鉱滓堆積場の非常に近くに建設されており、時には100m以内であることもある。鉱滓は広く造園用として使用されている。この地域の女性は中皮腫の罹患が世界で最も高く、それは第2位の2倍にも達する。

B-2) AVAQはこの状況を非常に心配し、アスベスト繊維の濃度を評価するために鉱滓堆積場周辺の家の屋内空気のサンプリングを行った。鉱滓堆積場から1km以内にある26軒の家から28のサンプルが採集された。これらの中で、15サンプルのアスベスト繊維濃度がアスベスト・ハザード緊急対策法(AHERA)の基準を超えていた。この基準はアメリカおいて学校及び公共の建物に適用されている。この濃度に達すると浄化措置がとられる。

B-3) これらの鉱滓が引き起こす汚染を管理するために、違うアプローチが考慮されている。4つの主要な観点が考慮されなくてはならない。土壌の安定化処理、土壌の除去処理、土地の浄化、再緑化である。

C) これらの土地の適切な再生には巨額の資金と技術的資源を必要とするので、この地域全体的な再生に関し、環境と社会経済的観点に基づいて構想を練られなければならない。個人及び産業の投資を魅力あるものとするために、収益を生む高付加価値プロジェクトに目を注ぐべきである。同じような状況で展開された他のプロジェクトが非常にうまく行くことを既に証明している。