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ワークショップF
2004年11月20日(土)
17:45 - 19:30, 第2会議室
ワークショップF
被災者・支援組織
座長:植草和則、カイル・センテス

被災者が被災者を支援する
ジョン・フラナガン
マージーサイド・アスベスト被災者支援グループ(リバプール)[イギリス]

 イギリスのアスベスト被災者支援グループ (AVSG)は、被災者自身によって設立され、いくつかは労働衛生に関する団体からの助力を受けている。われわれは、しばしば被害者が診断を受けた後、家族以外に接触する最初の人になる。
当初の面談
 われわれは、完全に無料で秘密を守りながら、被災者が国の給付金のための複雑な申請書を作成する手伝いをしている。アスベスト関連疾患(ARD)の重症者に対しては患者の自宅で彼らの家族の立会いの下に面談を行う。
国の給付金制度(社会保障)と政府の補償制度
 われわれは、労災給付(中皮腫被災者に対しては120英ポンド/週(訳注:約25,000円/週))と政府の補償一時金(56歳で15,598英ポンド(訳注:約320万円)、75歳で9,161英ポンド(約190万円)、37歳から77歳までスライド方式)に対する申請を支援している。政府の補償制度は、元の雇用主に対する補償を請求することができない人々のためのものである。
 多くの支援団体にはまた、被災者たちが請求することのできる可能性のある、他の様々な国の給付に関する資格のあるアドバイザーを擁している。われわれはまた、元の雇用者に対する民事の人身傷害による損害賠償請求訴訟に、アスベスト関連疾病を専門とする弁護士を紹介する手伝いもしている。
個人的な援助と支援
 アスベスト被災者支援グループ(AVSG)は、問題に関して話をすることだけを望む人々に対しても、援助と支援を行っている。われわれはしばしば、中皮腫であると告知されて家族が打ちのめされたときの、心の支えとなる。われわれは、医学的問題について助言できる専門の看護士たちと直接のコンタクトをもっている。
 われわれは、被災者を援助するために現行の法律を改正するための議会の委員会の一員である。われわれは1999年以来、いくつかの成果を上げてきている。われわれは、被災者を援助するために、国と地方の問題を取り上げてキャンペーンを展開している。