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ワークショップE
2004年11月20日(土)
13:30 - 15:30, 第2会議室
ワークショップE
疫学・公衆衛生・予防
座長:グンナー・ヒラーダル、井内康輝

タイのアスベスト製造業における健康への危険性評価のための研究プロジェクト
ヴィラデジュクリエングクライ・チッティマ、イキツァルン・プリーバヌム、ラオハウデムコック・ウィサンチ、コングデュアイカエウ・ナロング
労働安全衛生センター労働保護福祉局[タイ]

  アスベストはヒトに対する発がん性が確認された物質に分類されているため、この有害物質の使用量は減少を続けてきた。タイにおいて、工業用の目的でアスベストを輸入したり入手したりすることは、以前にもまして厳しく管理されるようになってきている。しかし、まだかなりの数の製造業でアスベストが使用されていた。特に、中小の規模の製造業では、明らかに健康に危害を及ぼす労働環境が認められた。このような状況下で、実効性のある防護対策を提示するために、この問題に関する健康への危険性の評価が確定される必要性が生じていた。
 この研究プロジェクトは労働安全衛生センター(NICE)の、1999年から2001年までの主要な取り組みとして行われた。調査と作業環境の評価は11の異なる製造業において実施された。製造業は、ブレーキパッド、クラッチ、屋根用タイル、セメント管と他の製品の4つのグループに分類された。すべて、飛散しやすい形でアスベストが使用されていた。作業環境の大気のサンプリングは、アスベストに曝露している労働者の場所で行われた。計測数は合計107であった。作業環境のサンプルの分析は、コンピュータによるアスベスト分析システム(アスベストの繊維数とサイズを計測するため、位相差顕微鏡と付属ソフトが備え付けられている)を用いて行われた。
 全体的には、空気中のアスベスト濃度の範囲は、0.01 f/ccから43.31f/ccであった(平均では5.45 f/cc)。107の計測結果の中で、39のサンプル(36.45%)が基準値を上回っていた。ブレーキ製造業、クラッチ製造業、セメント製品製造業での平均アスベスト濃度は、それぞれ、6.93 f/cc、 1.45 f/cc、 0.81 f/ccであった。影響を与える可能性のある要因について議論されるとともに、実効性のある防護対策、管理対策が提示された。