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ワークショップE
2004年11月20日(土)
13:30 - 15:30, 第2会議室
ワークショップE
疫学・公衆衛生・予防
座長:グンナー・ヒラーダル、井内康輝

中国におけるアスベスト使用と健康影響の現状
リー・タオ(李涛)
中国疾病予防控制中心職業衛生与中毒控制所[中国]

抄録:

 中国はアスベストを生産・使用している世界の主要国である。おおざっぱな統計によれば、アスベストの総埋蔵量は、クリソタイルが約1,000万トン、クロシドライトが45,000トンで、鉱山は主に四川省、新疆省、河南省、遼寧省にある。1996年に、クリソタイルの産出量は約45万トン、アスベスト含有製品の生産量は約39万トンであった。約1万人の労働者がアスベストに曝露している。ある疫学調査によれば、2003年末(まで)における石綿肺の(累積)罹患者数は6,984件で、すでに約800件が死亡していた。 石綿肺患者の約51%、アスベストに曝露した労働者の15%に胸膜肥厚斑が見られる。アスベスト曝露に関連した肺がんの登録件数は119件であったが、石綿肺患者78名の剖検の結果では、21名に肺がんの合併がみられている。中皮腫の発症率は相対的に低かった。いずれにしても、われわれは、アスベストの使用を低減する方策を講じてきている。2003年10月以降、自動車産業におけるアスベストの摩擦材への使用は全面的に禁止されている。