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ワークショップE
2004年11月20日(土)
13:30 - 15:30, 第2会議室
ワークショップE
疫学・公衆衛生・予防
座長:グンナー・ヒラーダル、井内康輝

中皮腫発生減少の見込みを予測するための曝露情報とノルディック諸国の発症データの活用
スベレ・ランガード
リクスホスピタレ大学病院労働・環境医学センター[ノルウェー][不参加]

 ノルウェー及びその近隣諸国では、断熱のためのアスベスト使用は、1970年代後半から1980年代初期に最小限に削減された。このような使用の減少は、アスベスト曝露が健康へ及ぼす悪影響についての全体的な情報をひろく労働者に知らしめることになった。労働者への情報の提供に加えて、アスベストを取り扱う場合の個人防護の導入、さらに1980年代初期のアスベスト使用禁止が加わった。 アスベスト繊維への最初の曝露から腫瘍ができるまでの、中皮腫が進展する期間に依存するが、発症の減少が見られるのはアスベスト曝露が中断してから20年から45年経過した後と予測される。
 全ての北欧諸国には、過去40〜60年にわたる全ての新たながん症例に関する情報を含むがん登録制度がある。したがって、これらの登録における中皮腫の発症率は、ノルウェーや他の北欧諸国で約25年前から実施されている、労働者のアスベスト曝露の中断の長期的な影響を観察するのに利用することができるかもしれない。北欧諸国におけるアスベスト曝露が中断してから約25年経過したが、中皮腫発症率は減少していないように見え、この減少しないことについての可能性ある説明について議論する。また、期待される減少の予測も試みる。