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ワークショップE
2004年11月20日(土)
13:30 - 15:30, 第2会議室
ワークショップE
疫学・公衆衛生・予防
座長:グンナー・ヒラーダル、井内康輝

ブラジルにおけるアスベスト使用地域に対する労働者の統合的健康サーヴェイランス・システムの導入
ヒルマーノ・アルブクエルク・デ・カストロ、カイロ・ハンダッド・ノベロ、フェルナンダ・ギアナージ、バンダ・ダクリ、マリア・ブランディーナ・マルケス・ドス・サントス、カティア・レイス・デ・ソーザ
CESTEH/ENSP/FIOCRUZ合同プロジェクト(オズワルド・クルツ財団)[ブラジル][不参加・論文提出]


はじめに
 アスベスト粉じんへの職業的及び環境的曝露は、アスベスト肺、肺がん、胸膜中皮腫及び胸膜疾患などの疾病と関係がある。労働条件及び健康影響に関する全国調査によれば、アスベストに関連する疾病症例が増加している。ブラジルでは約50,000人の労働者が、アスベストに直接、曝露していると推定される。
 この国において有効な規範によれば、アスベストに曝露した労働者は、アスベスト曝露の終了後少なくとも30年間は会社による支援をうけるべき立場にある。
 臨床的、放射線医学及び呼吸機能とともに、疾病を明確にするために、ブラジルでアスベストに曝露した人々の数を把握するために、環境的・疫学的サーヴェイランス・システムの構築が必要である。それはまた、ブラジルでアスベストを使用していた会社の数を把握することも意図されている。
目的
 (ブラジルにおいて)アスベストに曝露した労働者の生活の質の改善を可能にする取り組みを模索しつつ、社会的、環境的及び疫学的側面を把握することを目的に、ブラジルにおけるアスベストに曝露された労働者の健康サーヴェイランスの統合的なシステムを構築すること。
方法
 保健省と連結したオンラインシステムが使用される。そのシステムは個人の曝露及び診療情報からなる。最小の作業チームの定義、検査方法の精度と作業環境の監督方法の設定、関連知識と従業員の参加の強調及び教育プロセスの開発。
結果
 現在までに11州のうち5州が、地域ごとにアスベストに曝露した人々を台帳に登録し始めた。診療及び職業情報を備えた約2,000人が登録されている。
結論
 アスベストを公衆衛生問題として理解することの重要性が強調されている。アスベストの禁止とともに、環境への影響を最小にし、曝露した労働者の健康状態をフォローするために、効果的なサーヴェイランスが続いて行われなければならない。 サーヴェイランス・システムの構築によって、ブラジル保健省とユニーク・ヘルス・システム(Unique Health System)が、アスベストが使用されていたいくつかの生産過程に、保健的かつ環境的プロセスを導入することを可能とするだろう。