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ワークショップC
2004年11月20日(土)
09:30 - 11:00, 第2会議室
ワークショップC
労働組合のイニシアティブ
座長:山口茂記、宮本一

水道管布設工事における新たなアスベスト被害拡大の防止並びに職員・退職者等のアスベスト曝露に関する健康影響調査について
渡邊 洋
全水道東京水道労働組合組[日本]


 東京都水道局では、高度成長下の1957年頃以降のおよそ10年間、区部で約980q(この他に多摩地区の市町営水道が約2,500q)の石綿管を布設した。1985年頃までに撤去工事はほぼ完了したが、現在なお多摩を中心に残存管が数十q存在する。当局職員は、一部の直営作業を除き、間近での監督立会業務に従事してきた。1987年以降は局から防塵対策等が指示されているが、実際は必ずしも守られなかった。
 東水労は2002年末に、「新たなアスベスト被害拡大の防止並びに職員・退職者等のアスベスト曝露に関する健康影響調査要求書」を提出した。水道局は、@今後の撤去工事の進め方について、局として調査を行い最善の方法をとること、A「アスベスト曝露による悪性中皮腫の早期発見・健康診断実施等について」、一次検診:問診・職歴調査、胸部X線直接撮影、二次検診:肺機能検査、CTスキャン外の実施を回答した。
 水道局は2003年10月、石綿管切断の模擬実験を実施した。組合は、実験が過去の作業実態をできるだけ忠実に再現するよう要求した。実験結果によれば、工法によっては、粉塵濃度等で高い数値を示し、作業後速やかに大気中に拡散することも明らかになった。ただし、過去の被害状況の推定は行われていない。
 今後は、作業実態の特定のための組合独自の調査体制の確立に向けて、調査員の養成などの取り組みが必要である。また、実現した健康診断の受診率が低いことから、組合員に対するアスベスト問題への適切な啓蒙活動が求められている。