抄録トップページ
ワークショップC
2004年11月20日(土)
09:30 - 11:00, 第2会議室
ワークショップC
労働組合のイニシアティブ
座長:山口茂記、宮本一

建設労働者へのアスベスト暴露防止と労災補償
佐藤正明
全国建設労働組合総連合[日本]


 全建総連は「住まい」の建築に携わる建設労働者・職人を中心に「居住地ごとに個人加盟」の組織として、全国の県単位に53組合、70万人の日本で最大の産業別労働組合です。かつてアスベストが「奇跡の鉱物」ともてはやされ、あらゆる建材に使用されてきました。その危険性を認識せず、吹き付け作業や含有建材の加工等で、多くの建設労働者が石綿暴露し、苦しみながら原因も分からずに亡くなられた多くの仲間がいます。
 全建総連は1985年頃からアスベスト問題に取り組み、1986年のILO第72回総会での採択・勧告を契機として、1988年には「全建総連アスベスト対策委員会」を立ち上げ、組合員教育や健康調査、国や自治体の関係機関への要請、専門医の協力による調査・研究など、広く努力を重ねてきました。運動を集約し2冊の小冊子発行(1988〜)、「静かなる時限爆弾」ビデオ作成(2002年)をすすめ、2004年10月からの建材5品目を含む10製品の原則禁止が実現しました。
 しかし、建材から石綿が排除されたわけではないこと、モルタル混和材や一部塗料への混入や、家屋やビル解体工事などでの飛散も対策は不十分です。「病気発症はこれから」という現実、労災補償のたたかいも課題です。現状を改善するため、関係労働組合や市民団体、専門医とも協力してアスベスト全面禁止と健康障害防止にむけて闘います。