2004年11月19日(金) 17:45 - 19:30, 第2会議室 ワークショップB 建設とアスベスト 座長:外山尚紀、アンダース・エングルンド 柴田英治1, 久保田均2, 孫健3, 酒井潔4, 毛利一平2, 久永直見2, 小林章雄1 1愛知医科大学医学部衛生学講座、2(独立行政法人)産業医学総合研究所、3カナダ医療経済研究所、4名古屋市衛生研究所 我々は建設国民健康保険組合の組合員本人に対して、建設労働に関わる石綿曝露に関する各種の調査を行うとともに、発生した健康障害に対して精査、療養を進める活動を行ってきた。その活動の概要と調査結果について報告する。 1) 石綿含有建材加工時の石綿曝露 石綿含有の可能性のある建材を収集し、分析電子顕微鏡で石綿含有の有無について調べた。収集した23個の建材のうち、17個からクリソタイル、またはアモサイトが検出された。また、石綿含有建材を電動丸鋸で切断する際に、作業者呼吸域で100本/cm3を超えうることがわかった。 2) 石綿含有建材の使用状況に関する調査 質問紙調査により、7,411人(回収率79.3%)から回答があり、石綿粉じんの吸入が「よくある」「時々ある」がそれぞれ13.7%、26.4%を占めた。職種では大工、建材別では石綿スレートでその頻度が高いことがわかった。 3) 胸部X線写真による無機粉じんの健康影響に関する調査 1988年から定期健康診断の際に撮影される胸部X線写真上、石綿関連所見を認めた受診者に対して問診、精査・受診の勧奨、保健指導などを実施した。 4) 死因に関する疫学調査 1973〜1993年の間に1年以上在籍した組合員17,667人の死亡に関する資料を用いて所在県の人口と比較し、死因の特徴を調べた。全体の標準化死亡比は気管・気管支・肺のがん、不慮の事故・有害作用で高い傾向を認めた。 |