2004年11月19日(金)12:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間) 2004年11月20日(土)09:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間) 2004年11月21日(日)09:30 - 12:30, 第3会議室 ポスター・セッション ロディカ・スタネスク・ドミトル1、バリ・コンスタンチネスク1、エレーナ・ルース2 1ブカレスト公衆衛生研究所労働衛生部、ブカレスト[ルーマニア] 2ポリテクニク大学工業化学部、ブカレスト[ルーマニア] 本報告目的は、ルーマニアのいくつかの産業、アスベスト・ガスケットの製造(T)、アスベスト織物の製作(U)、アスベスト・セメントの製造(V)、におけるアスベストへの職業的曝露について調査することにある。この目的のために、次のようなパラメータを評価した。空気中のアスベスト濃度、尿中のアスベスト濃度、及び、喀痰細胞に関し、職業的に曝露した労働者群とコントロール群の比較。 空気中及び尿中のアスベスト繊維はその長さと径が測定され、空気中及び尿中の濃度が測定された。われわれは、サイズと化学的成分のデータを得るために、エネルギー分散型X線マイクロアナライザ装置に接続したフィリップス社の515走査型電子顕微鏡を使用した。サッコマンノ(Saccomanno)法が痰細胞検査に使用された。製造工程(T)及び(U)において空中の、飛散していたクリソタイル繊維、製造工程(V)においてクリソタイル及びクロシドライト繊維の存在を確認した。 空気中の繊維バーの長さと径の平均値についてはU>T>Vであることが分かった。空気中のアスベスト濃度はV>T>Uであった。空気中の繊維サイズと尿中の繊維サイズについては類似性がみられた。 尿中のアスベスト濃度(尿1ml中の繊維数、及び、尿1ml中のアスベスト重量)はV>T>Uであった。尿中の繊維の一部は分解していた。コントロール群では尿中にはアスベストは検出されなかった。 製造工程(T)及び(V)の痰細胞検査では、粉じんを取り込んだマクロファージと気管支細胞のマイルドな軽度異型細胞(atypia)が見られた。製造工程(U)では同様な軽度異型細胞(atypia)が見られたが、貪食細胞(マクロファージ)は少なかった。 結論として、アスベスト・セメント製造における職業的曝露は、下記理由でルーマニアにおいてもっとも有害なもののひとつであると考える。 −空気中にクロシドライト・ファイバーが存在する −空気中のファイバーが小さい −空気中のファイバー濃度が高い |