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ポスター・セッション
2004年11月19日(金)12:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間)
2004年11月20日(土)09:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間)
2004年11月21日(日)09:30 - 12:30, 第3会議室


ポスター・セッション

アスベスト起因肺がんの補償を受けたNSW 粉じん疾患基金請求者に関するレビュー:1998-2003年
レベッカ・ハイランド
ニュー・サウス・ウェールズ粉じん疾患補償基金[オーストラリア]

はじめに
 オーストラリアは、過去50年間にわたってアスベスト材の大口ユーザーであった。ニューサウスウェールズ州粉じん疾患基金(DDB)は、ニューサウスウェールズ州で雇用されている間にシリカまたはアスベストの吸引が原因と考えられる障害をもつ労働者に補償を提供する法的機関である。
 補償機関が長年直面しているジレンマは、過去に粉じん曝露を受けた人の肺がんが、直接職業上の曝露に起因すると認定するに十分であるかどうかを決定するプロセスにある。DDBは、珪肺または石綿肺の存在、または25繊維/ml・年のアスベスト曝露を判定基準として用いている。本研究では、臨床的、職業的及び曝露の特性を検討するために、過去5年間に、粉じん関連肺がんとしてDDBから補償を受けた全ての請求者に関する情報をレビューする。
 1998年から2003年の間に、総計138人の元労働者が、ニューサウスウェールズ州粉じん疾患基金からアスベスト関連肺がん(n=127)とシリカ関連肺がん(n=11)として補償を受けた。疾病タイプ、病理所見、併発している他の疾病、喫煙履歴及び肺組織繊維数などを含む臨床的情報が、DDBのケース・マネージャにより実施された面談インタビューに記録された職業履歴とともに検証された。3人の産業衛生専門家により作成されたアスベスト曝露評価についての評価が行われた。
 このコホートの全ての症例は男性であり、その多くはオーストラリア生まれ(75%)であった。平均年齢は72歳で、67%は元喫煙者であり平均37パック・年の喫煙歴であった。腺がん(38%)及び扁平上皮がん(28%)が最もよく見られた組織学上の細胞タイプであった。アスベストに曝露すると考えられる上位3の職種は雑役工、港湾労働者及び、配管工であった。上位3の産業は建築/建設業、アスベスト製品製造業及び発電所であった。アスベスト曝露のあった者中で、51人は石綿肺(41%)であった。アスベスト曝露の産業衛生的評価は個人によって大きな変動があった。