2004年11月19日(金)12:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間) 2004年11月20日(土)09:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間) 2004年11月21日(日)09:30 - 12:30, 第3会議室 ポスター・セッション ラフマ・モハムド・レファト 組合・労働者サービスセンター[エジプト] アスベスト肺と癌が11のアスベスト企業で働くエジプト労働者をのみこむ 21世紀にもなって労働者がまだアスベストに職業的に曝露しているとは、ぞっとする話であるが、それは事実である。エジプトにおける1万人もの労働者が、11のアスベスト製品製造会社でアスベストに対する深刻なリスクに継続的に曝されている。11の会社とは次の会社である。
エジプト当局は、1998年に、アスベストの輸入を防止する省令を作成したが、2ヵ月半の後、産業界や雇用者の圧力を受けて後退してしまった。国内通商大臣(はじめの省令を制定)は、アスベストの輸入と禁止に対する例外を認めるための新しい省令(no.97/1999)を制定したが、彼は、アスベスト製品製造会社は、作業状況を、法律に適合するように再度調整することが可能だと述べている。これらのすべての会社は、公的セクターも含めて、状況を改善するためのどのような手段もとってこなかったと、現在述べている。 全国労働安全衛生協会(政府機関)は、アスベスト繊維に対する職業曝露が、呼吸器官にどのような影響を与えるのかということを調査してきた。調査の被験者の人数は556人である。そのうち476人は、一般に、シグワート社で、セメントの混じったアスベスト粉じんに様々な期間曝露した。80人の対象グループは、作業の期間中、アスベスト・セメント粉じんに一切曝露することなく、ほぼ同じ年齢で曝露グループと同じ社会経済基準での生活をした。他方で、作業環境のサンプルの採取、測定が行われた。 この調査の結果は次のとおりであった。 作業環境でのアスベスト繊維濃度は高い測定結果を示した。特に、パイプ切断作業では、82.13f/mlという曝露制限基準とは比較にならない数値だった。 331人の曝露労働者(69.54%)は、一つかそれ以上の臨床的症状(痰がからまない咳、痰のからむ咳、喀血または血痰)があった。 研究では、たいていのアスベスト疾患はこれまでのところ治療法がなく、それらの疾患にいったん罹ってしまうと、それは徐々に悪化するということが明らかにされた。臨床症状としては、さまざまなパターンがあるが、以下のように、曝露期間が長くなるにつれて増加している。アスベスト工場で5年以下の期間アスベストに曝露した労働者の40.63%、10年から15年雇用されていた労働者の59.77%、15年から20年働いた人の81.52%、20年から25年間雇用されていた労働者の83.02%、25年以上雇用されていた労働者の86.05%が症状を示した。 曝露した労働者の21.85%が、アスベスト肺に罹患しているとみられた。今述べた研究は10年以上前から行われ、多くの勧告が出されているが、今なお1万人以上の労働者が、適用される曝露レベルや安全対策が考慮されない作業の中で、アスベストに曝露している。 オラ・エジプト・アスベスト製品会社 この会社は、1983年以降、ラマダン市10番でアスベスト製品の製造を行っているが、必要とされている安全対策や安全基準を無視し続けてきた。この会社の120人の労働者は、曝露制限基準や他の曝露基準の範囲をこえるアスベストに曝露している。その結果、そのうちの46人が癌に罹患した。オラ・エジプト社の労働者たちは、団結して、エジプト当局に、工場を閉鎖すること、必要とされている安全対策や基準を守る保証が得られない限り再開しないように求めてストライキを行った。 オラ・エジプト社の問題について、われわれセンターはエジプトのアスベスト産業に対して申し立てを行った。これによって、自分たちに対して故意に行われている殺人的犯罪に対して要求している労働者との意見交流の機会が得られた。事実と詳細を明らかにしつつ、それ基づきながら、私たちは異なる団体と関係する機関に裁判を提起した。そして、最近、議会の健康委員会がアスベスト産業の活動を停止させることを勧告した。 しかし、他方、産業界、雇用者、他の政党、行政すらも圧力をかけてきた。だが、われわれはまだ挑戦している。 |