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ポスター・セッション
2004年11月19日(金)12:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間)
2004年11月20日(土)09:30 - 18:30, 第3会議室(16:00-17:00 質疑応答時間)
2004年11月21日(日)09:30 - 12:30, 第3会議室


ポスター・セッション

阪神大震災によるアスベスト被害の経験と教訓
中地重晴
環境監視研究所・有害化学物質削減ネットワーク(Tウォッチ)[日本]

 1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災によって、約300万人が被害を受け、そのうち約6,433人が犠牲となった。また、26万戸以上の家屋やビルが破損したといわれている。その中で、倒壊し解体された家屋は約12万4千戸、鉄筋のビルディングで、倒壊し、使用不能になったものは約1,500棟にのぼった。倒壊したビルディングの中には、吹き付けアスベストが使用されているものが少なく見積もっても100棟以上あった。
 地震直後から、ビルの解体、撤去が行われたが粉じんの飛散が問題となった。水道が復旧していく中で、散水しながら解体作業を行うように行政が指導したが、ズサンな解体作業も多かった。2月半ばに日本でその当時すでに使用禁止になっていたクロシドライトが 吹き付けられた解体現場で、最大250f/lという高濃度のアスベスト粉じんの飛散を確認した。
ボランティアと被災地のアスベスト対策を考えるネットワークを結成し、電話相談や被災地のパトロールを行った。吹き付けアスベストのあるビルを見つけ出し、行政と業者にきちんと解体作業を行うように要請した。市民のネットワークの活動で、被災地でのアスベストの飛散が低減されたと考えられる。震災時の経験と教訓を報告する。