2004年11月20日(土) 17:00 - 19:30, 井深大記念ホール 全体会議セッション6 既存アスベストの把握・管理・除去・廃棄 座長:中地重晴、アンダース・エングルンド スザーナ・ミュールマン 建築士, ブエノスアイレス市アスベスト除去手順・法的側面アドバイザー[アルゼンチン] 1999年、ブエノスアイレス市当局は、小さな工場もある市内の住宅地域にあり、国立小児科病院からわずか1ブロックしか離れていないところにある、21階建コンクリート構造のカセロス刑務所の使用を廃止し、これを取り壊すことを決定した。2000年からこの建物は空き家になり、1年かけて解体することが計画されたが、現在もまだ進行中である。 2001年に、陸軍の一部門であり爆発物を専門に扱う技術砲兵隊がこの刑務所を爆破することを委託されたが、解体着手の直前にドイツ人の専門家とともに行った保健省の検査官による調査によって地下室にアスベストが発見されたため、市当局はこの大規模な爆破をとり止めた。それ以来、市当局の環境政策として、適用できる国内基準はないけれども、アスベストを安全な手順で撤去するということが決定された。 基本的な法的枠組みと新たな文書化に取り組むこと、アスベスト取り扱い手順を全ての関係者(当局職員から近隣者まで)に一度ならず説明すること、陸軍の生物、化学及び原子力事故の専門分隊に訓練を施すこと、多様な分野の専門家を招聘すること、先例のないこのようなプロジェクトの費用を見積もることなどが必要であった。 このプロジェクトを実現するために、2年以上の歳月と、民間と軍、公的及び私的組織の有機的連携、国内及び国際的なアドバイザーたちの広範な共同作業が必要であった。 本発表の目的は、ブエノスアイレス市当局が、関連する全ての機関と個人とともに、国際的な専門家からの計り知れない貴重な支援を得て、一歩一歩、外国の基準をアルゼンチンの現実に合わせながら、いかに全ての安全に関する措置と手順を満たし、国内の基準を開発するために法的及び技術的背景を確立しながら、大規模なアスベスト撤去プロジェクトを展開することができたかを示すことにある。 私は、国際的なアスベスト・コミュニティの仲間や協力者の皆さんと共にこの経験を共有できれば光栄です。 |