2004年11月20日(土) 17:00 - 19:30, 井深大記念ホール 全体会議セッション6 既存アスベストの把握・管理・除去・廃棄 座長:中地重晴、アンダース・エングルンド ハインツ・クロピュニック アエタス建築設計事務所[オーストリア] ウイーン国際センター(VIC)は、ニューヨークやジュネーブとともに国連機関の本部のある3つ拠点のひとつである。センターには7つの建物があり、床の総面積は約34万平方メートルで4千人ほどが勤務している。国連は、このセンターを所有者であるオーストリア政府から99年間借りている。 VICの建設された1973年から79年までの時期、アスベストは世界中の建築分野で広く使用された。1971年から76年までのオーストリア政府の統計数値によれば、原料アスベストの生産量は、年間最大約3万5千トンにまで達した。 そのうちの約9割が、直接または間接に建設部門へ投入された。このセンターでもアスベストは、吹き付け材やパネル、ロープなどの耐火材として使用された。 1997年にVICにおけるアスベストに関する状況について、この問題についてのリスクアセスメントも含めた概観調査がなされた。アスベストが職員へ実際に危険をおよぼしているとは判断されなかったが、ビルの建築年数からいずれ一回目の改修が見込まれるので、オーストリア政府は、VICにおけるアスベストの完全除去のための管理計画を策定する決定をした。 VICのアスベスト管理計画の最初の原案は2000年に完成した。結果は、アスベストをもれなく登録すること、建物が機能し続けている間にすべてのアスベストを撤去するプロジェクトのために、資材の調達を含めた対応について徹底的に実行可能な研究をすること、試験的な除去を通常のフロアーで実施すること、であった。 アスベスト管理計画を完成させる詳細な作業は2001年に始まった。アスベスト除去作業の第一段階のための入札手続においては、確実な設備管理の必要性からいくつかの除去試験を実行せねばならなかった。主要な作業の第一段階の開始は2004年の終わりに予定されている。全体のプロジェクトは2009年末までに終了させなければならない。 |