2004年11月20日(土) 17:00 - 19:30, 井深大記念ホール 全体会議セッション6 既存アスベストの把握・管理・除去・廃棄 座長:中地重晴、アンダース・エングルンド アンディ・ホワイト ウエスト・ダンバートン市議会[イギリス] 本論文には、2つのテーマがある。
安全衛生庁の統計 イギリスにおける中皮腫による死亡率についての安全衛生庁(HSE)による入手可能な最新の国家統計を地理的に分析した。この報告書では、イギリスで中皮腫死亡率が最も高い地域はウェスト・ダンバートンシャーであり、標準化死亡率(SMR)で平均の6倍を超えていることを示している。男性において最も高い中皮腫の死亡率を示したのは、造船所や港、船舶の修理工場の周囲に住む人々であった。 クライドバンク ほとんど百年の間、クライドバンクの町は、産業の中心地で造船所と機械工業で有名であった。この産業が遺したものは、誰も望まなかったアスベストの遺産であった。本論文では、ウェスト・ダイバートンシャー州クライドバンクの地域社会が直面している、アスベスト問題の大きさについて概説する。これらの問題に対して、地域で開発された現実的な戦略について論じる。同様な戦略を、イギリスの他の地域で、さらには国際的に、適用することができるのかどうかという点を中心に論じる。 スコットランド地方当局の協定 さらに地方政府の役割を検証し、アスベスト問題に対処するためになされた取り組みについて考察する。ウェスト・ダイバートンシャー州議会は、スコットランド地方当局協定(COSLA))を通じて、スコットランドの他の全ての地方当局とともに、アスベストの問題を提起してきた。この協定は、スコットランドの地方政府の共同の利益を推進するものである。COSL報告書は、アスベスト作業部会によって提起された主要な問題点の概要を、彼らによる重要な勧告とともに載せている。報告書全文のコピーは、ウェブサイト http://www.cosla.gov.uk/ のExecutive Groupsのページから入手できる。 アスベストに関するCOSLA作業部会 作業部会を設置した理由は、スコットランドにおけるアスベストの遺産を管理する上で、地方当局による、首尾一貫したアプローチと共通の利益を追求する必要があったことである。 作業部会に託されたこと
イギリスにおけるアスベスト問題に対処するために、資金が裏づけられた、包括的な長期的戦略の必要性に関する議論を出発点として、COSL報告書を議論する。これには、アスベスト・キャンペーン・グループや政府の全てのレベル、労働組合、医療専門家、その他の機関を巻き込んだ、多方面からのアプローチを展開したクライドバンクの経験が含まれる。 COSL報告書は、スコットランドの展望からではあるが、多くのアスベスト問題についてある程度詳細に検証した。現在、イギリス、ヨーロッパ、そしてより広い国際舞台で、多くの重要な取り組みが行われている。すでに重要な地域で達成されているかもしれない成功を最大限にするために、共同の作業と経験の共有が、多くの問題の改善に結び付けていくことができるかもしれない。これらには、中皮腫研究、福利厚生、民事訴訟、保健行政、一定の範囲での財源問題、及び学校のアスベスト問題がある。 このことにより、われわれは、世界中に広がった、あらゆる面におけるアスベスト(問題の)流行に、効果的に対処するために求められる長期的な戦略に、近づくことができ |