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全体会議セッション3
2004年11月19日(金)
17:00 - 19:30, 井深大記念ホール

全体会議セッション3
被災者・家族のエンパワーメント
座長:名取雄司、アニー・デボモニ


2.これまでの活動
植草和則
中皮腫・じん肺・アスベストセンター[日本]

会の概要
 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会は、胸膜や腹膜にできる悪性腫瘍である悪性中皮腫、石綿(アスベスト)による肺癌、良性石綿胸水及び、びまん性胸膜肥厚等の石綿(アスベスト)関連疾患に罹った患者と家族の集まりです。多くの仲間が全国各地で孤立しながら闘病を続けてきましたが、2002年4月より交流を深め、2004年2月7日に患者と家族の会として正式に発足致しました。8月15日現在、全国の44人の正会員と31人の賛助会員が会の活動を支えています。

患者さんの容体など
 アスベスト関連疾患の患者さんはその症状一つをとっても一様ではなく、個人差の大きいことが特色です。発症後、数年間闘病生活を送り続けている方もあれば、残念ながら半年ほどでお亡くなりになる方もおられます。
 治療方法も様々です。手術の場合、肺の一方を全部摘出された方から、胸膜を一部摘出するにとどまっている方まで多様です。抗がん剤も、1クールから数クールまで症状の進展により回数にばらつきがあります。民間療法(健康食品を含めて)となると、さらに多様になります。服用量により高額な出費となることも少なくありません。治療の場は、病院への入院・通院・緩和ケア・自宅静養と選択肢は広くなっています。
 患者さんの年齢は低くなりつつあり、30代後半から40代前半の方もおられます。アスベスト吸引原因の大半は建設業など職業によるものですが、非職業性の家庭内や環境での曝露も増えつつあります。

会の活動
 電話による治療や労災申請の相談を行っている他、会報などの送付やホームページでの情報を提供しています。また、関東・東海・関西などにおいて年数回の交流会が始まっています。
 また、非会員の方も含めてアンケート調査を行い、その結果に基づき厚生労働省へ"中皮腫・石綿(アスベスト)肺癌の健康対策の充実に関する要望書"を提出し、8月4日に回答をいただきました。主な項目は、1)健康管理体制全般について、 2)悪性中皮腫の診断とその後の不安について、3)悪性中皮腫の治療について、4)医療費の負担について、5)労災補償について、6)既存アスベスト対策について、です。全体的には、当たり障りのない回答に終始し、省としてどのように取り組んでゆくのか明確な返答はありませんでした。患者さん方は真夏の影響もあり多数欠席されましたが、代わりにご家族やご遺族が真摯に質問をされていました。