2004年11月19日(金) 17:00 - 19:30, 井深大記念ホール 全体会議セッション3 被災者・家族のエンパワーメント 座長:名取雄司、アニー・デボモニ 加藤徳雄 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 [日本][故人] 代理報告:飯田勝泰(東京労働安全衛生センター[日本]) 悪性胸膜中皮腫を発症してから2年が経ちました。その間、病気の進みぐあいとともに私の心は様々に揺れ動いてきました。初めて"中皮腫"の名前を耳にした時は、ただ混乱するのみでした。まもなく、根本的な治療方法が無いことを聞かされた後は、頭の中が真っ白になり眠れない日々が続きました。まさに、混乱に追い討ちをかけられたような状態でした。 私は40年ほど前にボイラー製造会社で溶接の仕事をしていました。病気の原因は当時吸い込んだアスベストです。自分には落ち度がないのにこんな病気にかかってしまい、有効な治療法がないまま死んでゆくのがなんとも悔やまれてなりません。 中皮腫についての情報が少なく、何を誰と相談してよいのかもわかりませんでした。そんなある日、TVニュースでアスベストの相談窓口を知り連絡してみたところ、労災を申請できそうであることがわかりました。以後、担当の方々のご協力により半年を経て労災認定されました。通知は簡単なものでしたが、安堵感に包まれました。 これまで、抗がん剤を使用し、幾度と無く入退院を繰り返してきました。発症以来、病気が徐々に進行しているのが身をもってわかります。一刻も早く有効な薬を使いたいです。患者として当然の願いです。 私は、過去、アスベストが危険なものであることを知らずに吸い込みました。しかし、今は、発ガン性物質であることがわかっているのです。もう、これ以上自分のような患者を増やしたくはありません。これがもう一つの私の願いです。 |