2004年11月19日(金) 17:00 - 19:30, 井深大記念ホール 全体会議セッション3 被災者・家族のエンパワーメント 座長:名取雄司、アニー・デボモニ ローライン・ケンバー [オーストラリア] 私の名前はローライン・ケンバーです。私は、37年間連れ添った夫を、胸膜中皮腫で、2001年12月に失いました。 まだ小さな子どもの頃、私の夫はアスベスト鉱山の町ウイットヌームで7か月間、暮らしました。45年後、彼は、胸膜中皮腫と診断され、余命は3〜9か月であると言われました。彼は2年間、生き延びました。私は、他の人たちに強さと勇気を与えたいという願いをもって、彼の末期の病を通じての私たちの経験について一冊の本にしました。その本は『私に寄り添って("Lean on Me")』といって、タイトルは夫ががんの宣告を受けたすぐ後に夫のために書いた詩からつけました。 日記からの抜粋、詩、議論、そして自己洞察−私の本は、夫ががんの宣告を受けたことで私が経験した荒涼とした心と絶望感、そして彼の命を救うために奇跡を捜し求めたことを描いています。それは、彼は死ぬということを受け入れること、そのために私が経験した悲嘆、そして、彼が死ぬことを止めることはできないけれども、彼が生きることを助けることはできる―と悟るようになって、私が強くなったことについて述べています。彼の病状の進行及び彼の苦痛と症状への対処について、私が集めた知識により、彼の生活の質は著しく向上しました。その証拠に、ブライアンは2年間生き延び、活発で機敏で、がんの宣告後18か月まで車を運転し、死の3日前まではベッドに伏すこともありませんでした。 私は介護をしている皆さんと共に、彼らが愛する人々の生活の質を大きく向上することができる方法について議論したいと思います。苦痛を和らげ症状に対処することの重要さを理解することを通じて、私の体験から、知識の中に安らぎがあるということ、そして、あなたが何かを変えることができるということを示したいと思います。 私の話は、愛する人を失うことへ恐れや悲しみ、痛みの緩和、疼痛管理、症状のコントロール、緩和ケアの分野にわたるでしょう。 |